私のお宝本、畑正憲さんとC.W.ニコルさんの共著「森からの警告」
先日亡くなった畑正憲さん。素敵なご著書があります。
私は本の形式として「対談」が好きです。
両者が引き合うので必然的に「魅力的なお二人」の対談本になり、二つの命の生き様にシンクロできるからです。一冊で2~3倍以上のお得感。
この本も畑さんのお相手はC.W.ニコルさん。
夢のような対談ですね。
1ページ目から、もうお二人のワールドに引き込まれます。
ニコルさんが病弱だった幼少期、おばあさんから強くなる秘訣をきくお話。
この本を読んでいたからでしょうか。
私もニコルさんのように木に救われる体験をします。
私は厳しい家庭で育ちました。
母親は、タンポポのような私をバラに育てたかった。
もちろん期待に応えられるはずもなく、私は自分を見失いました。
そして、家を飛び出すようにフィリピンへ行ったんです。
対談相手が畑さんだからか、ニコルさんはこの本の中で、安心して心を開いています。自分は木に対して独特の感情をもっていると。それをどうしても畑さんにわかってもらいたい。自然と超自然がごちゃまぜになっていると語りかけます。
本を読みながら「私もごちゃまぜだ!」と二人のワールドに没入。
畑さんは、ニコルさんの幼少期をワンパク坊主と感心し、子どもについて、「生きる喜びというか、大きくなっていく力があふれているというか、そういうものがとめどもなく出てきてこそ子ども」といっています。
それを思うと、私の幼少期は「生きる喜び」を出せば出すほど親から罰を受けたし、今の子どもたちもさほど変わらないのでは?もしくはもっと厳しくなっているのでは?などと考え込んでしまいました。
文章一つ一つに考えさせられ、汲めども尽きぬ泉のように様々な投げかけのある本です。ご興味のある方はぜひ読んでみてくださいね。
他にも、この本には、畑さんの語りで「スナメリクジラの話」があります。その話の箇所には黄色の蛍光ペンで囲いをしてました!
この本を買った当時の私の中で一番印象深かったようです。
今読んでも心が震えてくる神話のようなお話です。
他にも「残したい」と思うような言葉がいっぱい。
畑正憲さん、ありがとうございました。
この記事の締めくくりに私のおすすめ対談本を3つほど。
✦森からの警告 畑正憲/C.W.ニコル(命と自然)
✦オン 池田晶子/埴谷雄高(命と形而上学)
✦百歳の遺言 大田堯/中村桂子(命と教育)
気に入ったものがあれば読んでみてくださいね☆