統計検定 勉強33日目(1)

統計数理・2017年度 問題2

(問1)θの最尤推定量がXmaxであることを示す

まず尤度関数を求める。

$$
L(\theta| X_1, X_2, …, X_n) = \prod_{i=1}^n \frac{1}{\theta}    (0 \lt X_i \le \theta) \\
= \theta^{-n}    (X_{max} \le \theta) \\
= 0  (X_{max} \gt \theta)
$$

そうすると、$${X_{max} \le \theta}$$のときに尤度が最大になることが分かる。そのため、$${X_{max}}$$は$${\theta}$$の最尤推定量だといえる。

(問2)Xの平均の2倍がθの不偏推定量であることを示す

不偏推定量は期待値が母数に一致する特性を持つため、期待値を求めることで示すことができる。

$$
E[2\bar X] = E\left[\frac{2}{n} \sum_{i=1}^n X_i \right] \\
= \frac{2}{n} \sum_{i=1}^n E[X_i] \\
= \frac{2}{n} \sum_{i=1}^n \frac{\theta}{2} \\
= \theta
$$

範囲が(0, θ)の一様分布だということが分かっており、平均からみて左右対称の分布となるため期待値はθ/2ということが分かる。それを利用して変形することで、Xの平均の期待値の2倍がθの不偏推定量であることが分かる。

(問3)Xmaxの確率密度関数を求める

$${X_1, X_2, \dots, X_n}$$の最大値である$${X_{max}}$$の確率密度関数を求めるために、まずは$${X_1, X_2, \dots, X_n}$$を使って累積分布関数を求める。

$$
P(X_{max} \le x) = P(X_1, X_2, \dots, X_n \le x) \\
= P(X_1 \le x) P(X_2 \le x) \cdots P(X_n \le x) \\
= \frac{x^n}{\theta^n}
$$

上記を微分して$${X_{max}}$$の確率密度関数を求める。

$$
f_{X_{max}}(x) = \frac{\delta}{\delta x}\frac{x^n}{\theta^n} \\
= \frac{nx^{n-1}}{\theta^n}
$$

また上記を用いて、$${\theta''=\frac{n+1}{n} X_{max}}$$がθの不偏推定量であることを示す。

$$
E[\theta''] = E\left[ \frac{n+1}{n} X_{max} \right] \\
= (n+1) \int_{0}^{\theta} \frac{x^n}{\theta^n}  dx \\
= (n+1) \left[ \frac{1}{n+1} \frac{x^{n+1}}{\theta^n} \right]_{0}^{\theta} \\
= (n+1) \frac{1}{n+1} \theta \\
= \theta
$$

(問4)問2, 3の推定量の分散より望ましい方を選択する

まず問2の分散から求めていく。
途中二乗の総和の計算の中で、独立な確率変数の掛け算の期待値があったためその部分を0にすることで計算を簡略化した。

$$
V[\theta'] = V[2\bar X] \\
= 4 V[\bar X] \\
= 4 \times \frac{\theta^2}{12} \\
= \frac{\theta^2}{3}
$$

次に、問3の分散を求める。

$$
V[\theta''] = E[\theta''^2] - E[\theta'']^2 \\
= \frac{(n+1)^2}{n^2}E[X_{max}^2] - E[\theta'']^2 \\
= \frac{(n+1)^2}{n} \int_{0}^{\theta} \frac{x^{n+1}}{\theta^n}  dx - E[\theta'']^2 \\
= \frac{(n+1)^2}{n} \left[ \frac{1}{n+2} \frac{x^{n+2}}{\theta^n} \right]_0^\theta - E[\theta'']^2 \\
= \frac{(n+1)^2}{n} \frac{\theta^2}{n+2}  - E[\theta'']^2 \\
= \frac{(n+1)^2}{n} \frac{\theta^2}{n+2}  - \theta^2 \\
= \frac{(n+1)^2\theta^2 - n(n+2)\theta^2}{n(n+2)} \\
= \frac{\theta^2((n+1)^2 - n(n+2))}{n^2(n+2)} \\
= \frac{\theta^2}{n(n+2)}
$$

となる。そのため、nが1のときにどちらも分散が同じとなるが、それ以上の場合は問2の推定量の方が分散が小さくなるため、優れているといえる。


問題2は簡単な方だった。
問1のみ少し変則的で最大値の最尤推定は悩んだが、問題自体はすごく簡単だった。

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