統計検定 勉強31日目

統計数理・2018年度 問題5

(問1)Y1, Y3の確率関数と期待値を求める

順序統計量の中で、Y1は最も小さいもの、Y3は最も大きいものとなる。そのため、Y1, Y3の確率関数を求めるには累積分布を利用するのが良い。

まず、Y1がyより小さいときの範囲の分布を考えると、X1, X2, X3のどれか一つでもyより小さい必要が出てくる。逆に言うと、X1, X2, X3すべてがyより大きい場合以外は満たされるため、以下の式が成り立つ。

$$
P(Y_1 \le y) = 1 - P(X_1 \ge y, X_2 \ge y, X_3 \ge y) \\
= 1 - \{P(X \ge y)\}^3 \\
= 1 - (1-y)^3 \\
f_{Y_1}(y) = P'(Y_1 \le y) \\
= 3(1-y)^2
$$

Y3も同様に考えられる。

$$
P(Y_3 \le y) = 1- P(Y_3 \ge y) \\
= 1 - (1 - P(X_1 \le y, X_2 \le y, X_3 \le y)) \\
= 1 - (1 - y^3) \\
= y^3 \\
f_{Y_3}(y) = P'(Y_3 \le y) \\
= 3y^2
$$

期待値はそれぞれ確率関数を積分して以下のように求められる。

$$
E[Y_1] = \frac{1}{4} \\
E[Y_3] = \frac{3}{4}
$$

(問2)Y2の確率関数を求める

Y1, Y3と同様に考える。

Y2がy以下ということは、X1, X2, X3のすべてがy以下か、どれか二つのみがy以下であることが分かる。そのため、以下のような式で累積分布を求めることができる。

$$
P(Y_2 \le y) = P(X_1, X_2, X_3 \le y) + 3P(X_1, X_2 \le y \cap X_3 \ge y) \\
= y^3 + 3y^2(1-y) = 3y^2 - 2y^3 \\
f_{Y_2}(y) = 6y - 6y^2 = 6y(1-y)
$$

また、y≦0.5の確率は、

$$
P(Y_2 \le 0.5) = 3(0.5)^2 - 2(0.5)^3 \\
= \frac{3}{4} - \frac{2}{8} \\
= \frac{4}{8} = 0.5
$$

となることが分かる。

(問3)Zの期待値、分散を求める

期待値の公式を利用して以下のように求める。

$$
E[Z] = E[Y_3 - Y_1] \\
= E[Y_3] - E[Y_1] \\
= \frac{1}{2}
$$

次に分散を求める。
ここでは初め畳み込みを用いようと思っていたが、Y3, Y1が独立ではないため使えない。解き方が分からなかったので解説をみると、以下のようにして事象を考えて解くらしい。

まず、Y3, Y1の同時累積分布関数P(Y3≦y3, Y1≦y1)は、「X1, X2, X3 ≦ y1」「X1, X2, X3のうち二つがy1以下で、一つがy1とy3の間」「X1, X2, X3のうち一つがy1以下で、二つがy1とy3の間」の事象の和として表すことができる。

$$
F_{13} = y_1^3 + 3y_1^2(y_3 - y_1) + 3y_1(y_3 - y_1)^2 \\
= y_1^3 - 3y_1^3y_3 + 3y_1y_3^2 \\
f_{13}(y1, y3) = 6(y_3-y_1)
$$

この同時確率を用いて通常の積分の計算でZ^2の期待値を求めると3/10となり(計算は省略)、以下のように期待値と2次のモーメントを使って分散を求められる。

$$
V[Z] = E[Z^2] - E[Z]^2 = \frac{3}{10} - \frac{1}{4} = \frac{1}{20}
$$


問題5はテンプレの解き方から少し外れているような感じでかなり苦戦した。
事象の組み合わせで考えたうえで計算するという問題が苦手だと再認識した。


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