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3DプリンターでLily58 Proのケースを試作してみた

分割キーボードLily58 Proについて

2年くらい前から、Lily58 Proという分割キーボードを利用している。
Lily58 Proは以下のサイトで自作キットが売られている、いわゆる自作キーボードというものだ。(「自作」といってもプリント基板もマイコン、各素子もすでに用意されているので、手順通りにはんだ付けをするだけのものだが)

普段はこれに静音スイッチとAkkoの白と青のキーキャップを付けてこんな感じで使っている。ProMicroはBLE対応のものだが、接続の安定性が悪かったため最近は有線でしか使っていない。

分割キーボードは初めこそかなり苦労したが、慣れてしまえばなんてことはなく、肩の駆動域が広がることで肩こりも若干解消された気がする。あと、机の上に物があっても柔軟にキーボードを動かせるので結構いい。

自作ケースの試作

動機

ただし、このキーボードに対して以下の不満がある。

  1. 基盤がむき出し(厳密には、基盤というよりトップ/ボトムプレート)

  2. 親指が基盤の角に当たって痛い(結構鋭い)

  3. 重量が足りないせいか、打鍵時にカチャカチャ音がする

これらはすべてキーボードケースがあれば解決すると思う。
1, 2に関しては言わずもがな、3はある程度重量のあるケースがあり適当な緩衝材などを入れれば解決しそうな気がする。

ただ、そもそもそこまで一般的な形状のキーボードではないため、ネットで探してもよさげなケースは見つからない。なので、ないものは作ろうということで、自分で作ってみることにした。

モデリング

幸いなことに、Lily58 ProはGithubで回路図や基盤の概形などが公開されていたため、それを利用してFusion 360でケースのモデルを作った。手順はそこまで複雑ではなく、外形をスケッチした後に薄い押し出しで2mmほどマージンを取ってケースを作っていった。

概形の外側に壁を追加して角を取り、その後下のように底を4度の角度で切り取ることで傾きを付けている。また、Lily58 Proのボトムプレートの穴に合うようにケースにも穴をあけ、下側からねじで固定するのを想定している。

初めはこれはCNCで削りだして作ろうと思っていたが、CNCは材料の用意や掃除などかなり手間がかかるので試作段階では最近買った3Dプリンターを使うことにした。

造形

そして上記のモデル通りに作ったのが以下となる。

PLAを使ったが、試作にしては質感はまあまあよく、重量はないが剛性はあるように感じた。上の画像では造形した後にM2用のスペーサー(ネジが切ってないやつ)を叩いてはめ込んでいる。スペーサーの概形+0.2mmほどにしたので、結構ぴったりだった。

実際にキーボードをはめてみたらこんな感じで、サイズと穴の位置はぴったりですごく良さそうだった。

角度はあと2, 3度くらいほしいかな。
ただそうすると、本番ではCNCを使って木材を切り出す予定なので、一番高いところに合わせて板厚を考えなくてはならない。銘木と言われるような高級な木(ウォールナットやオーク、メイプルなど)で厚みがあるものは余計高くなるので、角度に関しては下に足を付けるのもありかも。

次やること

一旦寸法などは良さそうなことが分かったので、以下のことを追加でやってみて問題なければ、木材でほり出してみる。

  • ボトムプレートとケースの間に薄いゴムシートを張る

  • ボトムプレートとケースをねじで固定する(今回ネジを買い忘れてたw)

  • DCジャックを差し込む部分に穴をあける

  • ケースの裏面に滑り止めのゴムを付ける

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