統計検定 勉強34日目(1)
統計数理・2017年度 問題4
(問1)Zの従う分布を求める
$${Z=a+kX+Y}$$のZの分布を求める。
X, Yはそれぞれ独立に標準正規分布に従う確率変数となっており、a, k(≠0)は定数となる。まずは、$${a+kX}$$について考えてみる。a, kは定数のため分布の種類は変わらないが、期待値が0からaに、分散が1からk^2に変わる。つまり、正規分布 N(a, k^2) となる。
それらと標準正規分布に従う確率変数Yを足し合わせることを考えた場合、積率母関数の積で表すと以下のようになる。
$$
M_{a+kX}(t) \cdot M_{Y}(t) = E[e^{t(a+kX)}] \cdot E[e^{tY}] \\
= e^{at+\frac{1}{2}k^2t^2} \cdot e^{\frac{1}{2}t^2} \\
= e^{at+\frac{1}{2}(k^2+1)t^2}
$$
これは、期待値a、分散k^2+1の正規分布の積率母関数となる。
(問2)XとZの相関係数を求める
相関係数は互いの分散の平方根を掛けたもので、共分散を割ることで求められる。
$$
r = \frac{Cov[X, Z]}{\sqrt{V[X]V[Z]}}
$$
互いに分散は問1で既知となっているため、X, Zの共分散を求める。
共分散は以下の公式に従って求めていく。
$$
Cov[X, Z] = E[XZ] - E[X]E[Z] \\
= E[aX + kX^2 + XY] - E[X]E[Z] \\
= kE[X^2] \\
= k
$$
そのため、相関係数は以下のようになる。
$$
r = \frac{k}{\sqrt{1\cdot(k^2+1)}} \\
= \frac{k}{\sqrt{k^2+1}}
$$
(問3)X=xのときのZの条件付き分布を求める
ZはXとYの線形結合で出来ており、X=xという条件を付けた際には、Zはa+kxという定数が加わったYだと解釈できる。
つまり、結合関数などを求める必要もなく、単純にZは正規分布 N(a+kx, 1) に従うことが分かる。
(問4)Z=zのときのXの条件付き分布を求める
今回は確率変数が一つにならないため、以下のような式で条件付き分布を求める。
$$
P(X|Z) = \frac{P(X \cap Z)}{P(Z)} \\
= \frac{P(Z|X)P(X)}{P(Z)} \\
= \frac{1}{P(Z)} \{ \frac{1}{\sqrt{2\pi}} e^{(z-(a+kx))^2/2} \frac{1}{\sqrt{2\pi}} e^{x^2/2} \} \\
= \sqrt{2\pi(k^2+1)} e^{-(z-a)^2/2(k^2+1)} \frac{1}{\sqrt{2\pi}} e^{(z-(a+kx))^2/2} \frac{1}{\sqrt{2\pi}} e^{x^2/2} \\
=\sqrt{2\pi(k^2+1)} e^{-(z-a)^2/2(k^2+1)} \frac{1}{2\pi} e^{(z-(a+kx))^2-x^2/2} \\
= …(手元で計算) \\
= \frac{1}{\sqrt{2\pi/(k^2+1)}} e^{\frac{1}{2(k^2+1)}(x-\frac{k}{k^2+1}(z-a))^2}
$$
最後の計算が本当にしんどかった。
正直解答が分かっていなかったら確実に間違っていると思って計算あきらめていたと思う。解答を見ても端折っている計算が多すぎてしんどかった。(これ答え知らなかったら本番で解ける人いるのか…?)
まあ、最終的にはXの条件付き分布は正規分布 $${N\left( \frac{k}{k^2+1}(z-a), \frac{1}{k^2+1} \right)}$$ となることが分かった。
最後の問題以外は簡単だったが、最後だけが計算の難易度がいかれていた。
解答を見ながらでもどうやってその式変形になっているのか、ぱっとみでは分からず、答えを知らなければ確実にその変形をしようとは思わないだろうというものだった(ちょっと怒りがこみ上げたw)。
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