clubhouse雑感

まさかやることになるとは思わなかったが、ひょんなことから招待をもらえたので。スマホは万年Android勢なのでiPadから。

ダイアルアップ接続の時代からずーーーっとそれはもう毎日アクセスしてきたインターネット。ポストペット、掲示板、ブログ、チャット、前略プロフ、SNS、ツイッター、facebook、ニコニコ動画、LINE、Instagram、ポッドキャスト、YouTube、zoom…ときて、clubhouse。

必要な要素が追求されては削がれ追求されてまた削がれ。ずっと文字だったものが画像になり、動画になり、音声になった。

clubhouseで驚いた仕様
・生配信のみ(アーカイブに残らない)
・文字や画像を送受信できるメッセージ機能がない
・コメント欄もない
・いいねボタンの類もない
・視聴者がモデレーター・スピーカーにアピールする方法は、
 挙手→モデレーターが承認→一時的にマイクオンになり音声で参加

新しすぎる…今日までに構築されてきたインターネットの文化の真逆をいく仕様。

「スピーカーと視聴者がフェア」というのが強い感想としてある。

従来の配信仕様が「zoomウェビナー」型だとしたら、それに対してclubhouseは「zoomミーティング」型の方に近いんじゃないかと思う。

zoomを例にして仮の呼称を作ってしまったけど、まずzoomウェビナー型。
ニコニコ動画でもYouTubeでもshowroomでも、生配信というと出演者が音声(と映像)で出てきてトークしていて、視聴者はコメント欄から文字や絵文字、アイテム投げるなどでの参加。OUC48でメンバーが複数出演するYouTubeの番組も、zoomウェビナーの機能を使ってると思われる。

それに対してzoomミーティングだと、イベント中、出演者も視聴者も平等に同じサイズで画面に表示される。話し手が大きく表示されるように切り替えることもできるが、それでもスピーカーも視聴者も同様の扱いをされる。
自分が視聴者(出演者のファン)の立場だとしたらzoomミーティングの方は少々物足りない感じもあったりするが、出演者からは「ウェビナーより気が楽」という感想も聞く。"自分一人がステージに立って話している感覚"が薄いらしい。

clubhouseは完全に後者、zoomミーティング型の方だと思う。スピーカーと視聴者が同じ扱いである一方で、でも「コメント欄がない」「いいねボタンがない」からスピーカーは話を遮られることなく自分たちのトークテーマで話を進めていくことができる。

ネットユーザーの民度の低さ、悪質な誹謗中傷、炎上など問題になっている今、clubhouseの仕様は現代に生まれるべくして生まれて広まるべくして広まっているんじゃないかと思う。招待制だし今のところ英語版のみだから利用のハードルはまだまだ高いけど、その分ユーザーの民度や議論のクオリティも保たれているし、初期のツイッターみたいな平和な雰囲気も感じる。

音声は「ながら」で聞けるから強い。

初めてiPadを手にしたのはちょうど10年前の2011年になるが、その時にアプリによってネット配信が可能になったラジオがまたリスナーを増やしていることを知った。DJの声、言葉、話し方、音、音楽で印象が決まる音だけの世界は、発信される情報が洗練されていて良い。テレビに対するラジオの良さを三島も書いてた記憶がある。

文字、画像、動画、音声。ネットはどうなっていくことか。生ぬるく見守る。


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