【ドル円】焦点は日銀からFRBへ
本日、日銀の内田副総裁が会見を行いました。
主な発言は以下の通りです。
「金融資本市場が不安定な状況で、利上げをすることはない」
「追加利上げ、個人的には慎重に考えるべき状況」
「植田総裁と自分との間に考えの違いはない、状況が変化した」
「緩やかなパスで追加利上げできる状態は、時期を選べる」
「市場急変時の追加利上げ、わざわざ危ない時にやる必要ない」
先週の植田総裁のタカ派発言以降、ドル円は円高に振れていましたが、本日の内田副総裁のハト派発言で円安に振れました。
連日のバイオレントな日経平均の値動きで、金融市場にプレッシャーがかかっていることから、一転追加利上げに慎重な姿勢となりました。投資家の間には、しばらく日銀は利上げに動けないというコンセンサスができた思います。
であれば焦点はFRBに移ってくると思います。FRBは今年に利下げを行うのか、行うならいつから、どれくらいの値幅で利下げを行うのか、それに対する投資家の期待によって為替は動くと思います。
CME FEDWATCHによると、現在投資家は9月に0.50%の利下げ、以降3回0.25%利下げ、計1.00%の利下げを織り込んでいます。
CPIや雇用統計など、経済指標が下振れした場合、この予想のような展開になると思いますが、直近の経済指標を見るに、まだ米国経済は強さを残している印象があります。
現在の投資家の予想から少しでも利下げが遠のく場合、瞬間的に円安に振れる場面は出てくると思います。しかし、FRBによる利上げフェーズは終了しており、いずれ金利は下がってくるとの見方は揺らぐことはないでしょう。ゆえに、瞬間、円安に振れる場面がありながらも、ジリジリと上値が重たくなってくる、つまり円高に進んでいく展開を予想します。引き続き円でキャッシュを保持し、株の買い場を待ちます。