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【ドル円】日銀会合で円高でも心配ない

2024/1/23に行われた日銀総裁会見では、マイナス金利解除に近づいていることが示唆されました。為替は円高に振れています。このままドル円は130円、120円と円高へ進行していくのでしょうか?

植田総裁の主な発言は以下の通りです。
「(物価目標達成の確度は)引き続き少しずつ高まっている」
「物価安定目標の実現が見通せるようになれば、マイナス金利を含めた大規模金融緩和の継続の是非を検討していく」
「(解除後の連続的な利上げも視野に入れて判断するのか?)当然そういうことになる」

日銀会合を受けて為替は円高に振れています。

おそらく市場は、春頃のマイナス金利解除を織り込み、さらにその後のYCC解除、利上げもおっちょこちょいに先んじて勝手に織り込みにいくかもしれません。その場合、為替は円高に進むかもしれません。

しかし、仮に日本がマイナス金利を解除したとしても、政策金利が-0.10%→0%になるだけであり、米国の5.25%~5.50%と比較すれば誤差の範囲だと言えます。

今回示された日銀展望レポートによると、日本のインフレ率は24年+2.4%、25年+1.8%と目標の年2%を実現できるかできないかの水準です。火を吹くような激しいインフレによって経済を殺してでも利上げをしなければならなくなる状況ではありません。

実質賃金は20ヶ月連続でマイナスと、依然として賃金は物価高に追いついていない状況を加味すると、マイナス金利解除後に連続利上げを行う可能性は低いと思います。であるならば、日米金利差に大きな影響を与えるのは日銀ではなく米国FRBであると思います。

米国は経済を腰折れさせること無くハイパーインフレを鎮静化させる「ソフトランディング」を実現することが現実味を帯び始めています。「ソフトランディング」実現なら経済は強い訳ですから、利下げはほとんど行われません。その場合、市場参加者の期待は、現在の6回利下げ(-0.25%×6回=-1.5%)ではなく、FRBが示している3回利下げ(-0.25%×3回=-0.75%)にサヤ寄せしていくはずです。その変化率は0.75%です。日銀マイナス金利解除による変化率は0.10%です。必然的に米国の動向の方が為替を大きく左右することが分かります。

以上より、日銀マイナス金利解除でドル円はゆくゆく130円、120円にいくんじゃないか?米国株投資家は為替差損で大損するのではないか?という不安は杞憂だと思います。この件で為替ヘッジや円転などは僕はしません。引き続き米国の景気を中心に観察を続けるべきだと思います。


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