音楽の魔法でトラベルバック
ふと、谷川俊太郎さんの詩をGoogle検索した。
ほんの2、3篇見るつもりが、わたしの親指は谷川さんが紡ぐ言葉に心を奪われスクロールが止まらなくなった。
まぶたをとじて絵を浮かべてみたり、あちこちに思想を膨らませて自分なりに感じて取ってみたり。数年前と比べて言葉の受け手としてほんの少し大人になれた気がして嬉しかったり、どの詩のなかにもたっぷり「わからない」を残しておきたかったり。
谷川さんの中にある世界を足を浮かせて歩かせてもらっている気分だった。🤍
道半ば、「未来」という詩に出会した。見覚えのある詩は中学2年生の時歌った合唱曲の歌詞。Youtubeに移って聴いてみるとなんと16年前の動画。16年前からほんの数日前までのコメントがあって、それはわたしを嬉しくしてくれた。この動画が月日を重ねるなかに、わたしの足跡もあるっていう事実がなんだかわたしをホッとさせてくれたから。
実際に曲を聴くと、
当時理解することが難しかった「未来」の歌詞に偉大さとこれからの未知を感じて背筋がピンッとなったこと、「合唱コンクールではなく合唱祭と名付けているんです」と壇上で鼻高々に伝える音楽の先生、リハーサルに遅れた時「ここだよー♪」と教えてくれる隣の子の声、音楽室からの帰り道に伴奏ミスをして悔し涙を流す女の子のカッコ良い姿、指揮者も伴奏者も見えないところから響いてくるすべての歌声も愛おしくて誇らしくて、わたしもその一部ってことに胸が高まって声量に拍車がかかったこと、みんなで声を合わせているとどんな出来事も一瞬で昇華してしまうような、素直な楽しさが大大大〜すきだったこと。
10年間一度も思い出さなかったことを。あの時間にいるわたしが見たこと感じたことを。蘇らせてくれる音楽の魔法。
思い出や記憶はきっとコントロール出来ない。香りや音楽、その街にふく風がふいにたいせつなあの日やあの時を運んでくれたとき、それに乗っかって心馳せていたいなあ。
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