雨の日は釜山を思い出す。
考えごとをしていたら、こんな時間になってしまった。
目標にして勉強してきた7月の韓国語能力試験が中止になってしまい、次は10月。場数を踏みたいのにこんな時に限ってうまくいかない。
今日だけはガッツリ試験勉強!!はやめて、韓国の友達とゆるーく話しながら去年の9月に行った釜山の写真を見返すことにした。
韓国へは何度も行ったことがあったのに、釜山に行ったのはあの時が初めてだった。韓国語が上手な妹と2人(釜山の方言に備えて準備はばっちりだ。)、次の日の天気予報に釘付けだった。飛行機は関空から無事に飛んだ。しかし、2泊3日。
全日程大型台風が直撃。
傘をさして歩くこともできないほどの暴風雨。観光なんてできるはずもなく、初めての釜山、ほとんどを百貨店と地下ショッピングモールで過ごすことを余儀なくされた。もちろんホテルにカメラも置いて。
帰りの飛行機の少し前、一時的に雨が止んでくれた。体力が有り余っていた私たちは満を辞して観光地へと急いだ。ここだけは写真を撮りたかったのだ。
カラフルな町並み。
雨に濡れていつもより少し濃い色をしていたのだろう。
妹も私につられて最近カメラを購入していた。
飛行機までのカウントダウンが始まった時、やっと旅行っぽくなってきた。
空はやはりグレーなのに、壁に描かれたカラフルな絵がそれを感じさせない。
私たちは少し急ぎ足で、山壁に佇む町の中、息を切らしながら階段を登ったり降りたり、そしてまた登ったりした。フォトスポットには、若者が行列を作っていたがそこには目もくれず。
だから、雨の日には釜山を思い出す。足の先から髪の毛までビショビショに濡れ、傘も壊れてしまった私たちに釜山の人たちは愛をもって同情してくれた。かわいそうに、と笑いながら。あったまっていきなと言いながら。そして
天気の良い日に必ずまたおいで。と。
口を揃えてみんなそう言ってくれたのに。
飛行機で1時間半。今は少し遠くなってしまった場所。また来たよと言えた時、そこには雲ひとつない青空が広がっているだろうか。
明日もまた雨が降りそうだ。