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安全な居場所が欲しかった

 虐待サバイバーのゆうかです。
 
 私は小さい頃から、父に虐待されていました。

 何も悪いことをしていないのに、父の機嫌が悪かったり、父の好き嫌いだけで、怒鳴られたり殴られたり、水風呂に入れられたりしましたので、私にとっての我が家は決して安心できる居場所ではありませんでした。

 家では、日常をビクビクしながら過ごしていました。
 
 家の中は、まるで戦場です。包丁を突きつけられたり、包丁を持って追いかけられたりしましたので、私にとっては生きるか死ぬかの場所だったのです。
 両親が揃って、愛情豊かな家族なら、絶対にあり得ないことだと思います。

 それを、自覚したのは、小学校に入ってからでした。
 友達に「私ね、学校にいる方がウチにいるより安心なんだぁー」ともらしましまた。
 何気なく言ったこの言葉に、友達は絶句していました。「え!!なんで?!」と聞く友達に、私は逆に驚きました。
 「だって先生の方が優しいもん」とだけ答えたような気がします。

 実際に、私にとっての学校は、先生に言われたことにただ素直に従い、従順でいれば、誉められ、優しくしてもらえる、いわば…とても簡単な所でした。

 悪いことをしてないのに、言われる通りにしても、その事実に関係なく、父に殴られる意味がわからなかった私には、学校という「わかりやすい安全な居場所」を見つけたのです。

 だから、私は学校では、常に超優等生でした。勉強も委員会活動も頑張りました。
 運動は苦手でしたが(笑)、良い成績がとれるよう頑張りました。頑張っていれば多少下手でも成績は良かったのです。
 おかげで、私は、小中高大どの学校でも、先生には気に入られる生徒でした。

 ただ、その事が必ずしも良いわけではないことはわかっています。
 誰かに、ただただ従順でいることだけが、良いわけではありません。
 そのことが、後の私の人生を左右する、大きな影響力になりましたから。

 それでも、その時の私にとって、私が少しでも穏やかな時間を過ごすための道はそれ以外にはありませんでした。まさに一択でした。

 私はただ、「安心して生きられる場所」が欲しかったのです。
 安全でいられる、命を脅かされない、そんな場所を求めていただけなのです。

 小学生が求めるには、あまりに残酷な現実だと思います。

 だから、私はわが子達にとって、我が家が完全に安全な場所になるよう、努めました。
 外で何があっても家にいる時だけは、家族といる時だけは、安全であるという環境をどうしても作りたかったのです。

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