男に産まれたかった
虐待サバイバーのゆうかです。
私は何度も男に産まれたかったと思っていました。
父は力のある人でしたから、暴力を受けた私達は、どれだけ抵抗しても到底勝ち目はありませんでした。
自分たちが殴られている時はもちろん、
母が、父から暴力を受けている間、私達は、なす術がありませんでした。
いくら考えても、どうあがいても、私達が父に勝つ方法がなかったのです。
私は、もし自分が男に産まれていたら、高校生くらいになれば力もつくから、父から母を守れるのではないかと思っていました。
そして、同時に私が男なら、母を守るためなら、父を殴り殺してしまうような気さえしてきました。
だから、私たち4人が姉妹だったことで、父から母を守ることができなかったと悔いると同時に、姉妹の中にひとりでも男が混ざっていたら、父を殺してしまったと思うと、
姉妹で良かったのかもしれないとも、複雑な気持ちをいまだに持ち続けています。
児童虐待は弱いものいじめと同じです。
だから、父は相手が自分より強いとわかったら、それ以上手を出さなかったのではないかと思うのです。
気が小さい人でしたから。