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#36 黒澤酒造
こんにちは。be-en代表のゆうかです。
蔵元巡り第36弾は、長野県南佐久郡佐久穂町にある黒澤酒造株式会社をご訪問しました。JR八千穂駅から徒歩5分、大きな敷地が見えてきます。
今回は代表取締役社長の黒澤孝夫様にお話しを伺いました。
黒澤酒造の歴史
安政5年に創業し、明治31年に黒澤合名会社を設立しました。銀行、呉服太物卸業、酒造業、味噌醤油醸造業、薬品卸業と黒澤五家が合わさり、屋号を日が登るという意味で丸登㋣としたそうです。
昭和24年に黒澤酒造株式会社を設立。日本酒の需要が拡大し、昭和32年に黒澤酒造、橘倉商店、伴野酒造、武重本家酒造と四方友の会を立ち上げ、共同出荷をした歴史もあるそうです。以降も発展を続け、蔵や精米工場など設備が新設されていきました。
1992年にはアメリカへの輸出が始まります。航空関連会社で勤務され、当時LAに住んでいた黒澤さんのお父様の友人が声をかけてくれて開始したとのこと。30年以上前から海外輸出をされていたことに驚きました。
2000年に黒澤さんのお父様が八千穂商工会理事役員の方と八千穂村の名所「白樺美林」をPRしたいと「白樺樹液」を共同開発されたそうです。同時期に本格焼酎「井筒」の製造も始まります。
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翌年、黒澤孝夫さんは約3年働いた食品メーカーを退職し、家業に従事することに。
2015年に日本流通の製品を「くろさわ」から「黒澤」へリニューアルし、麹室も全面改装が行われたそうです。40年ほど使用していた原料処理の設備も新しいものに変え、大量生産の体制から高品質少量生産へとシフトされました。1日の醸造量はMAX 3 tから1.5 tになり、醸造回数(期間)は長くなりましたが、品質が安定し、きれいなお酒ができるようになったとのことです。
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こだわりの酒づくり
「落ち着いた味わいのお酒造りをしている」と黒澤さんは語ります。2杯目も飽きずだらだらと、お料理を楽しみながら飲みたくなるようなお酒を目指して、生酛づくりを行い、伝統技術をブラッシュアップされているそうです。特徴的な香りの強いフレッシュローテーションのお酒とは違い、昔ながらの親しみのあるお酒は、熟成させることで味わい深さをだすことができ、表現が豊かになるとのこと。塩尻のワイナリーからワイン樽を買い取り、ワイン樽熟成の日本酒も作られています。
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購入させていただきましたが、ワインのフルーティな香りも感じられますが、日本酒の旨味が強く感じられ、味が濃く奥行きのある印象でした。
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黒澤酒造さんの酒米の6割は契約農家のものを使用しているとのこと。自社でも全体の5%ほどお米を造っており、自社精米が可能なため、契約農家から玄米の状態で仕入れることができ、直接農家の顔が見える米を設計に合わせ見極めながら使用できるそうです。
さまざまな取り組みを経て世界へ
黒澤酒造では自社栽培の野菜を漬物にして販売しています。
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また、りんごやSUDAさんとプルーンとリンゴのリキュールを開発されたり、「佐久SAKE Aging」を始動し、県営ダムで日本酒の熟成に挑戦されたりと、様々な取り組みを行ってきた黒澤酒造さん。今後は広く世界へ日本酒を届けていきたいとおっしゃっていました。取材日の1ヶ月ほど前に、フランスへ出張に出向かれていた黒澤さんは、ワインと同じように日本酒もフレンチ料理とのペアリングが楽しまれていることを実感されたそうです。今後、ナチュラル系をメインに輸出の拡大を目指しています。
温厚な黒澤さんですが、黒澤酒造の未来を考え、これからも挑戦し続ける強く大きな人柄を感じました。
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黒澤酒造さんは蔵以外にも、試飲ができる広い販売所やカフェ、ギャラリー、資料館等も併設されています。見どころ万歳ですので、是非一度皆様も訪れてみてください。
黒澤さんと一緒にお仕事をさせていただける日を私自身も心待ちにしております。
それではまた、次回の記事でお会いしましょう!
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