GPTsでデータベースを管理しよう!①
はじめに
こんにちは、今回は初心者でもできるGPTsのデータベース構築のお話です。
そもそもデータベースって何かわからない人でも、これを読めばデータベース機能を組み込んだGPTsの基本がわかり、好きなGPTsが作れるようになっちゃうことを目的としています。(全3回の予定)
この記事を読んだ方がいい人
ChatGPTを有料契約しており、GPTsやメモリについてはある程度経験している人
APIやデータベースについては詳しくないが、GPTsを今よりもっと便利に使いたいと考えている人
GASについて知りたい人、Google スプレッドシートを活用したい人
ChatGPTを使った自動化に興味がある人
データベースチャット
データベースとは、情報を整理して保存し、管理するための仕組みです。例えば、図書館の本棚を想像してみてください。本棚には、たくさんの本が整理されて並んでいますよね。データベースも同じように、情報を整理して保存しています。
データベースの特徴:CRUD操作
データベースの基本的な特徴は、CRUD操作と呼ばれる4つの基本的な操作で説明できます。CRUDとは、Create(作成)、Read(読み取り)、Update(更新)、Delete(削除)の頭文字を取ったものです。
Create(作成): 新しい情報をデータベースに追加します。
例:新しい本が届いたら本棚に追加する
Read(読み取り): データベースから情報を取り出して読み取ります。
例:本の題名や著者名から本を探し出す
Update(更新): すでに保存されている情報を変更します。
例:本の位置を変えたり、内容を書き換えたりする
Delete(削除): 不要になった情報を取り除きます。
例:古くなった本を本棚から取り除く
つまり、データベースにはこれらのCRUD操作を行うことでデータを管理することができるのです。GPTsにはこの仕組みを組み込むことが可能です。
ChatGPTのメモリ機能について
ChatGPTの有料会員限定のサービスとしてメモリ機能がありますが、これもデータベースの一つです。アカウントユーザーのデータをChatGPTが自動でCRUD操作することが可能なためです。
しかし、メモリ機能ではアカウントユーザーのデータしか管理することができないため、個人用のデータベースとなってしまいます。そこがGPTsとの大きな違いとなります。
GPTsのデータベースとは?
GPTsでは、メモリ機能と違い共有するユーザーを拡大することができます。家族や友人、グループなどの見知った仲間内で利用するデータベースなら、GPTsの公開を「リンクを受け取った人」にすることで可能となります。
また、誰でも広く利用できるようにするなら「GPTストア」に作ったGPTsを公開することも可能になっています。
このようなデータベースを導入したGPTsを作ることは、アンソロピックのClaudeやGoogleのGeminiでは現時点で不可能ですので、ChatGPTの持つ大きなメリットの一つとなっています。
データベースの導入事例
データベースを導入したGPTsでは、他のGPTsよりも様々なことができるようになります。使い方はもちろん、あなた次第ですが、ここでは参考までに例をいくつかご紹介いたします。
家族や仲間と共有するデータベースを導入したGPTsの例
本の貸し借り記録
家族や仲間と共有した本棚の貸し借りを管理するGPTsコレクション管理
コレクションの相場をAIに調べさせて金額まで管理賞味期限管理
災害備蓄や調味料など忘れがちな賞味期限をAIに管理させる
その他、スケジュール管理やメモ帳、日報のようなものまで、日常や業務でもアイデア次第で色々なことに活用できるものが作れます。
ウミガメのスープ
一つの例として、私が作った水平思考クイズの問題管理ができる「ウミガメのスープ」をご紹介いたします。
ウミガメのスープというのは、有名な水平思考クイズと呼ばれるゲームです。出された問題に対して回答者は出題者が「はい」か「いいえ」で答えられるような質問を出します。問題に対して答えがいくつかありえる可能性があったとしても、水平思考クイズでの回答は1つのみとなります。そのため、回答者は質問を繰り返して出題者の出した回答を絞り込んでいくのがこのゲームの醍醐味です。
この水平思考クイズの問題をデータベースにCRUD操作してくれるようになっています。つまり、問題を登録したり読み込んだりする作業をAIが行ってくれるという訳です。
試しに遊んでみてください。ちなみに完成したGPTsを利用するのは有料である必要はありません。ChatGPTのアカウント登録さえしていれば、だれでも利用できます。
ウミガメのスープは遊んでいただけましたか?自由に読み込んだり問題をAIに作らせて、よい問題だと思ったら登録していただいて構いません。
(ただし、データベースは私が管理できますので問題以外の登録は削除させていただきます。)
データベースへのアクセスは許可をしないと問題を読込みできないので注意してください。
なぜGPTsにデータベースが必要なのか?
これで、GPTsにデータベースを搭載した場合のイメージは湧いていただけたことと思います。
GPTsとデータベース
GPTsにデータベースをつなげると、AIがより賢くなります。CRUD操作を活用して:
Create:新しい会話内容や学習した情報を記録できる
Read:過去の会話履歴や保存された情報を参照できる
Update:ユーザーの好みや設定を更新できる
Delete:古くなった情報や不要なデータを削除できる
これらの機能により、GPTsはより便利で使いやすいツールになります。
普通のGPTsと比べて、データベースを持つGPTsには以下のような利点があります:
1. 情報を記録し、参照できる(Create & Read)
通常のGPTs: 会話が終わると全て忘れてしまいます。(メモリ機能やカスタム指示との連動はできません)
データベース付きGPTs: 大切な情報を記録し、必要なときに参照できます。
2. 情報を更新し続けられる(Update)
通常のGPTs: 一度学習した情報しか使えません。
データベース付きGPTs: 常に新しい情報を追加・更新できます。
3. ユーザーに合わせた対応ができる(CRUD全般)
通常のGPTs: 誰に対しても同じような対応をします。
データベース付きGPTs: ユーザーごとの情報を記録・更新し、個別の対応ができます。
4. 大量のデータを管理できる(CRUD全般)
通常のGPTs: 扱える情報量に限りがあります。
データベース付きGPTs: 大量のデータを効率的に管理・利用できます。
5. より複雑な作業ができる(CRUD全般)
通常のGPTs: 簡単な質問に答えたり、文章を作ったりする程度です。
データベース付きGPTs: データの分析や履歴を活用したタスクなど、高度な作業もこなせます。
個人で使うのなら、GPTsにデータベースがあるということは、メモリ機能の内容を自由に管理できるようなものです。メモリ機能は大変便利ではありますが、データを自由に書き換えることはできません。書き換えの判断はAIが行います(依頼はできますが)。しかし、GPTsにデータベースを構築しているなら、データベースをあなたが直接管理することも可能になるわけです。
まとめ
本記事では、GPTsにデータベースを組み込むことの重要性と利点について解説してきました。
GPTsにデータベースを組み込むことで、AIの能力を大きく拡張することができます。単なる質問応答システムから、情報を記憶し、学習し、進化し続けるインテリジェントなアシスタントへと進化させることが可能です。
今後、データベースを活用したGPTsの開発がさらに進み、より高度で柔軟なAIアシスタントが登場することが期待されます。皆様も是非、自分のニーズに合わせたデータベース付きGPTsの開発にチャレンジしてみてください。
次回の記事では、GoogleスプレッドシートをGPTsのデータベースとして使用する具体的な方法や利点について、より詳しく解説する予定です。お楽しみに!
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