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ChatGPT o1-previewなら、密室トリックも考えられるのか?!

はじめに

ChatGPT o1-previewオーワンプレビューの文章生成はGPT 4oフォーオムニより優れているわけではないらしいですが、では単なる文章生成ではなく、密室トリックを考えさせたらどうでしょうか。

密室トリックを考えるには、高度な推論能力が必要となります。なにしろ、様々な要因を考えなければならないですからね。こんな難問をポンポンと世に生み出す推理作家さんは本当に頭が上がりませんね。

でももし、o1-previewが密室トリックを考えることができるようになっていたら?
作家さんたちもアイデアをAIに頼む時代が本当に来るのかもしれません。
と、いう訳で作家でもなんでもないド素人の私が検証を開始いたします。
理由は面白そうだから。


検証用プロンプト

それでは、まずはChatGPT 4oさんの実力から。これが基準となります。プロンプトは両者とも全く同じにしてみます。

推理物のために、密室トリックを考えて、そのトリックは現実的でかつ今までの作品に登場したことがない新しいものであることを確認し、読者が面白いと思える内容にすること。

プロンプト

このプロンプトのポイントは、条件に重みをつけていないため文章であり、わりと適当です。まさに推論能力を試すための技量が求められます。

GPT 4oの回答

以下は、プロンプトに対するGPT 4oの回答をそのまま掲載しています。


密室トリックを考える際には、リアリティと新しさを保ちながら、読者に驚きを与えることが重要です。以下に提案するのは、現実的かつ既存の作品で見られないと思われる新しい密室トリックです。

トリックの概要:「時間差による密室」

犯行の舞台設定:

  1. 場所:豪華マンションの高層階にある部屋。部屋には通常の玄関ドアと、床から天井までの大きな窓がある。この窓は防犯ガラスで施錠されており、外部からは絶対に開けられない。また、窓の外にはバルコニーがあり、そこには小さな物置が設置されている。

  2. 被害者:成功した起業家で、毎晩同じ時間にビル外の風景を見ながら読書をする習慣がある。

  3. 犯行現場:密室状態の部屋で被害者が倒れて死亡している。死因は心臓麻痺に見せかけた毒殺。部屋は完全に施錠されており、外部からの侵入の痕跡は全くない。窓も、ドアも開いていない状態で発見される。

トリックの仕組み:

犯人は、「空気圧による時間差を利用したトリック」を使って密室を作り出す。

  1. 犯行の準備

    • 犯人は事前に被害者がよく使う読書椅子のクッションの中に、微細な穴が空いた小型の気体カプセルを忍ばせる。このカプセルの中には、無味無臭で無害なガスが入っている。

    • 被害者の部屋の気密性を逆手に取るため、部屋の空気圧を利用することを考えた犯人は、このガスが一旦部屋に充満すると一定の条件で空気の流れを制御できる装置を使う。

  2. 犯行当日

    • 被害者が夜、部屋でリラックスしていると、カプセルの穴からゆっくりとガスが放出され、微量の気体が部屋の中に拡散していく。このガスは無害であり、被害者には影響がないため気づかれない。

    • ガスが部屋全体に均等に行き渡った後、犯人が遠隔で操作する装置(物置に隠されている)を使って、急激に窓の外のバルコニーの気圧を下げる。これにより、部屋と外部の気圧差が生じる。

    • 窓の気圧差が臨界点に達すると、事前に用意された微小な穴から、外部に向かって一瞬で毒物が排出され、被害者は即座に毒に侵される。しかし、毒は微量で、すぐに拡散するため部屋には痕跡が残らない。

  3. 密室の完成

    • 毒が拡散し、被害者が死亡した後、バルコニーの物置に仕込まれた装置が自動で空気圧を元に戻す。

    • これにより、部屋の気圧は元に戻り、何事もなかったかのように見える。また、窓やドアは一度も開かれていないため、完全な密室が完成する。

新しさと現実性のポイント:

  • 新しさ:空気圧の変化を利用して一瞬で毒を排出させるトリックは、現実的かつあまり見られない方法です。読者には、空気圧を操作するという物理的な要素が新鮮に感じられるでしょう。

  • 現実性:現代のテクノロジーでは、リモート操作で気圧を制御する装置の開発や、小型カプセルからのガス放出は実現可能です。このトリックは複雑ながらも、十分に現実的です。

  • 面白さ:読者は最初に毒殺という手法に気づかず、密室の謎解きに集中しますが、後に「毒がどのようにして密室内で発生したのか」に気づいたとき、驚きと満足感を得るでしょう。

このトリックは、「密室の扉を開けた痕跡がない」という古典的な要素を維持しつつ、現代技術を巧みに取り入れた新しい発想です。


はっきりいってすごい!ChatGPT 4oでもこのぐらいのトリックは一瞬で考えてくれるのですね。空気圧の差を利用するという発想はすごく斬新で面白く私の好きなガリレオというドラマを彷彿とさせてくれる化学トリック要素があります。

4oの回答に「異議あり!」

しかしながら、最終的に「毒を放出して」というのが非常にもったいないですね。なら、空気圧の差はなんの意味があったのでしょうか。
多分、空気圧をAIは思いついたのですがそれだとなかなか殺せないと気が付いて途中で方向転換し毒殺にしたのでしょうかね。思想の逃がし方が人間ぽいです。

さあ、4oの現時点での実力は、わかりました。それっぽい密室トリックも考えることができるが、「穴があり完成されたものではない」ということです。これを超えたものをo1-previewでは完成できるのか、みていきましょう。

GPT o1-previewの回答

以下は、プロンプトに対するGPT o1-previewの回答をそのまま掲載しています。(思考時間は28秒でした。)


新しい密室トリックをご提案します。

トリックの概要:

被害者の家は最新のスマートホーム技術で管理されており、ドアの施錠・解錠はスマートロックによって行われています。このスマートロックは、被害者のスマートフォンや音声アシスタントで操作でき、アクセスログも自動的に記録されます。

犯人は高度な技術者であり、スマートロックの未知の脆弱性(ゼロデイ脆弱性)を発見します。その脆弱性を利用して、遠隔からスマートロックを操作し、ログにも痕跡を残さないように細工します。

トリックの詳細:

  1. 侵入方法:

    • 犯人は被害者のスマートロックに遠隔からアクセスし、ドアを解錠します。

    • この際、アクセスログを改ざんまたは削除し、解錠の履歴を残しません。

  2. 犯行:

    • 犯人は家に侵入し、被害者を殺害します。

    • 犯行後、再びスマートロックを遠隔操作して施錠します。

  3. 密室の完成:

    • 警察が調査に入ったとき、ドアや窓には侵入の形跡がなく、スマートロックのログにも不審な点はありません。

    • 被害者の家は完全な密室となり、犯行が不可能に思われます。

新規性の確認:

このトリックは、現代のIoT技術とサイバーセキュリティの脆弱性を組み合わせたものであり、これまでの推理小説や映像作品で同様の手法が使われた記録はありません。従来の物理的な密室トリックとは一線を画し、デジタル時代ならではの新しいアプローチです。

読者への魅力:

  • 現実性: スマートホームの普及に伴い、実際に起こり得る犯罪手法としてリアリティがあります。

  • 斬新性: サイバー攻撃を用いた密室トリックは新鮮で、読者の興味を引く要素となります。

  • 社会的テーマ: デジタル社会の脆弱性やプライバシーの問題を提起し、読者に深い考察を促します。

このトリックにより、現代社会の闇とテクノロジーの危うさを描く、興味深い推理物語が展開できるでしょう。


しっかりと「現実的でかつ今までの作品に登場したことがない新しいもの」という条件をクリアした密室トリックとなっていますね。ただ…

o1-previewの回答に「異議あり!」

これで読者が納得できるのかは疑問ですね。とにかくいえることは、成立しているけど、答えが凄腕のハッカーだったからだけというのは推理物として成立していないんですよね。これがハッキングでなく行うことができたらすごい、どうやったんだろうとなりますけど…
まあ、警察や防犯のPRぐらいにはできそうですが。

しかし、この28秒の考えている間も面白いアイデアがたくさん列挙されていましたのでそのままご紹介しますね。

o1-previewの考え中の回答


トリックを考える
密室トリックを考える際、そのリアリズムを追求し、前例のない新しいアイデアを生み出している。読者に興味を引かせる要素を盛り込んでいる。

解決策を探る

完全に新しい自己完結型の謎解きトリックを考案し、前例のない手法を提案。この種の物語は数多くあるけれども。

ロックルームの謎を解明する

3Dプリンターを使用して診断鍵を複製する方法について考えています。窓や扉が外部から鍵の必要な部屋で、プリンターが特定の時間に動作し、鍵を印刷するのは面白いアイディアですね。

新しいアイデアの発見

ドローンの使用を考えながら、スマートフォン操作のロックを再プログラムする案も浮かびました。他のトリックと似ているので、ドローンの利用を検討し続けています。

香りの仕組みを説明

温度変化で形を変える形状記憶合金や、リモートで操作される鍵ロックメカニズムの導入など、独自のアイデアを探る。

CHUNK: さまざまなシナリオを思い浮かべているけど、想像する限りでは、殺人者がテレビのリモコンを使って犯行を隠すのが一番現実的に見えるね。エレベーターを操作すると、開閉の記録が残るから無理だね。

CHUNK: 部屋の再現や3Dホログラムの使用が非現実的な方法とされ、リモートコントロールロボットも考慮されている。

破られる鍵の選択肢

アイスキー、化学物質、ペット、磁気ロック、換気システム、移動式天井パネルなど、さまざまな鍵破りの手段について考えている。万能の方法は見つからない。

検討しているアイデアを絞り込む

自動ロックメカニズムや時間操作、大気触媒の拡張など、さまざまな手法を検討中。

小型ロボットの使用に疑問を

手動操作の小型ロボットが既に用いられているかもしれない。

時間操作の可能性

圧縮された時間を操作し、被害者が後で死んだかのように見せる案を試している。

大気触媒の拡張を検討中

大気触媒の拡張が犯行に使われているかもしれないと考えている。

ドアロックメカニズムの使用

ドアロックメカニズムに物質を塗布し、拡張して内側からロックする方法を検討している。葬式後は物質の拡張でロックされる。

探査を進める

マスクを使って部屋に入り、変装をし、工具や薬品を使って殺害後に部屋をロックする。あるいは、ビデオ通話や現場での操作で本物のように装う。さらに、部屋が暗号式のコードでロックされている可能性も見る。

サウンドロックを使っている?

新たな手法を探る

犯行方法を模索中だ。柔軟素材で扉を操作する、扉のヒンジを逆の方向に取り付ける録音声でスマートスピーカーを操作するなど、いろんなアイデアが浮かぶ。

サイバーセキュリティの侵害

スマートホームシステムのハッキングで、犯人がスマートロックを操作し、ドアを遠隔開錠して侵入したようです。システムはログを操作されているので、ドアは施錠されたまま、侵入の証拠も残されていないのです。

スマートロックの脆弱性を悪用し、電子ロギングシステムを操作してドアの不正開錠なしに犯行を隠蔽。


すごい、ここまで面白そうなアイデアをすべて却下して出た最終結論が、スマートホームのハッキングだったとは…。

うーん…最後のチョイス、なんだか間違えてませんか?
こんなものでは諦められません。もう少し案を出してもらいましょう。

それは、ただの凄腕のハッカーだったというだけですね。それは誰でも想像つくのでまったくおもしろくない答えです。むしろハッカーでないのに侵入したらどうやったんだろうとなることでしょう。こういうのはだめです。他の案を考えてください。

追加のプロンプト

具体的なダメ出し理由を伝えてみました。これにより似たような回答はもう出してこないことでしょう。果たして、どうなりますか。

GPT o1-previewの2回目の回答

以下は、プロンプトに対するGPT o1-previewの回答をそのまま掲載しています。(今回の思考時間は22秒でした。)


承知いたしました。別の新しい密室トリックをご提案します。

トリックの概要:

被害者は高層マンションの自室で殺害されます。部屋は内側から施錠され、窓も閉め切られており、侵入の形跡はありません。犯人は「ドアスコープ」(ドアに設置された小さな覗き穴)を利用して犯行を行います。

トリックの詳細:

  1. 侵入方法:

    • 犯人は特殊な工具を使って、ドアの外側からドアスコープを取り外します。

    • ドアスコープを外すと、ドアに小さな穴が開きます。

    • その穴から細いワイヤーや特製の器具を挿入し、内側のサムターン(つまみ錠)を操作して解錠します。

  2. 犯行:

    • 部屋に侵入し、被害者を殺害します。

  3. 密室の完成:

    • 犯行後、再び内側からサムターンを回して施錠します。

    • 外したドアスコープを元通りに取り付けます。

    • ドアスコープは外側からも簡単に取り外し・取り付けが可能な構造で、工具の使用痕も残りません。

新規性の確認:

このトリックは、ドアスコープを利用した侵入方法であり、従来の密室トリックには見られない手法です。一般的にドアスコープは防犯のためのものであり、それ自体がセキュリティの盲点になるという発想は新しいものです。

現実性:

  • 技術的可能性: 実際にドアスコープの構造によっては、外側から取り外しが可能なものがあります。

  • 道具の入手: 必要な工具や器具は特殊ではありますが、プロが入手・製作できる範囲です。

  • 痕跡の少なさ: ドアスコープの取り外し・取り付けは慎重に行えば痕跡を残さずに済みます。

読者への魅力:

  • 意外性: 日常的な防犯設備が逆に犯行の手段となる点で、読者に新鮮な驚きを与えます。

  • 論理性: 現実の物理的構造と技術を利用しており、納得感があります。

  • 推理の楽しさ: 読者が見落としがちな部分を巧みに利用しており、謎解きの醍醐味を味わえます。

このトリックを用いることで、読者は日常生活で当たり前と考えている物の新たな一面に気づかされ、物語への没入感が高まるでしょう。



ドアスコープから覗くイラスト by DALL-E3

o1-previewの回答に「異議あり!」

あれ、ドアスコープって外側から外せるんですか?詳しくはないですが、多分防犯のためにも内側から外すようになっているのが普通ではないでしょうか。まあ、仮に外側からでも外せる仕様ならトリックは可能化もしれませんね。

o1-previewの考え中の回答

以下は、考え中の回答をそのまま掲載しています。


密室トリックの発想

新しい密室トリックを考えていると、ハッキングを使わずに侵入する方法を模索している。読者が興味を持つような新しいアイデアを探している感じです。

新しい謎を考える

ユーザーの指摘を理解し、それに基づいて新しいロックルームトリックを現実感と独自性を持って作成している。

考えを巡らす
ハイテクハッキングを避けた、新しいロックされた部屋の謎を創作しようとしている。独自性が求められる。

新しいアイデアの提案

この案内では、新しいロックルームトリックを提案し、その詳細を説明した後、一貫性を確認し、読者に魅力的である理由を説明している。

ロボットによる犯行の発想

OK, let's think it through. The idea involves a method that could involve a common pet or a high-tech door locking system being manipulated to simulate an empty house, leading to the automatic locking.

殺人犯の追跡 謎の方法で使用者が完全に理解していない手法。

考える新技術

拡張フォームをドアの下に入れて内側からデッドボルトをロックする方法をふと思い付いています。

提案の詳細を紹介

殺人犯が使用するアニマルテクニックを提案し、新しい閉じ込められた部屋のトリックを開発中。リアルで興味深い方法を説明している。


途中で英語で回答しているAIがいるのは面白いですね。

遊花の回答:ヒントから得るアイデア

現時点では、きっと完璧なアイデアは作れないことがわかりました。しかし、たくさんの参考になるアイデアを出してくれますので、その中からAIと会話を展開していき検討を積み重ねていったりすることもできますね。

私ならドアスコープを外側から外すためにこっそり忍び込むストーカーのような男を物語に組み込むでしょう。密室は、ワンルームの女性の部屋でドアスコープから覗くストーカーというような図式です。

女性のワンルームをドアスコープから覗く by DALL-E3

1.日常的にドアスコープから女性の部屋を覗く男。殺害計画を準備
2.女性の帰宅を狙い部屋に男が侵入し殺害。
3.ドアスコープを内側から取り外し、ドアから外に出る
4.ドアスコープがあった穴から用意していた棒状の道具を使い内側の鍵を閉める
5.用意していた外側から取り付けられるドアスコープを取り付ける

これで、密室殺人の完成です。
どうでしょうか。

結論:たくさんのアイデアたちはヒントをたくさんくれる

必ずしもo1-previewは正解にたどり着けないかもしれません。しかし、そのたくさんの考えていく道筋、それ自体がわたしたちにヒントを与えてくれています。そこからAIと一緒に答えを探していったり、自ら答えにたどり着けるかもしれません。
現時点では週に30回という制限がある以上、最初の回答だけに使い、その後の検討は4oに切り替えていくのもいいかも知れませんね。

ともあれ、理論建てた検討をするのにこれから必須になる予感がしました。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
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