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子供たちに必要なものは何か♯6

まさかのヘッドコーチが新型コロナに感染。
私の周りでは、これが初めての感染者だった。
幸いにもヘッドコーチは世田谷勤務から練習に参加していない。
結局、日曜日ならと話していたが参加出来ていなかった。
その為、当クラブでのクラスターは起こりえなかったが、代表者として気を引き締めなければと思った。

その後すぐに全国の感染者数は激減する。

そんな事はお構い無しで成長して行く子供たち。
できることはバレーボールをする場所と安全の提供。加えて、ルールやバレー用語、ネット設営の仕方、道具の名前などをちょこっと教えるくらい。
それだけでもこんなに上達するものかと、私自身も驚いた。
なんせ私は鼻血を出しながらとにかく耐える修行僧の様な練習が当たり前の時代。
そうでもしなければ上手くなれない。
当時は疑う余地もなかった。
現実として厳しい練習をしているチームは強かった。

一体、子供たちには何が必要で、何が必要でないのか___。

『集中』は途切れるが『夢中』は途切れない。では、夢中にさせるには___。
 
私は楽しい練習で強いチームを作りたい。
表現として語弊が出そうなので言い換えるが、
『夢中になれる練習を続けて将来的にも選手として居られる選手』
に育てたいと思った。
ずっとバレーが好きでプレーを続けられること。自主性のあるバレーボーラーに成長すること。こう願っている。

というのも、私自身が高校で辞めてしまったからだ。
続けたい気持ちと心が壊れて続けられない現実との葛藤に悩んだ末、大学受験など様々な理由も重なり、私はバレーから離れた。この後20年近くも離れ、また戻ってくるとは思っていなかったが。

助っ人でママさんバレーの試合に参加することはあったので、恐らくバレーボールはずっと好きだったんだと思う。

そこからガッツリと戻ってくるキッカケを作ってくれたのは、ワールドカップ2019の男子バレー西田有志選手だ。この話はまた別で。

辞めてからずっとテレビでバレーを見る事も出来なくなっていた。
バレーを見ると吐き気がしてしまうのだ。
ギュッと心臓を掴まれたような息苦しさに襲われた。
後々聞いた話だが、母はそれを知ってか、民放のバレーの試合を録画しては、私のいない時にこっそり見ていたらしい。

だから、この『疑問』を紐解かない限り、このチームの代表としてやるべきこと、私自身の使命が定まらない。
それでも現代の指導法もアップデートされつつあり、暴言や暴力については禁止されている。そこから先、世界水準はどうだろうか?

それから程なくして、ヘッドコーチがコロナから仕事に復帰する頃だった。

子供たちは準備体操やクールダウンなど、メイン練習の前後は流れが出来てきて、子供たちだけで行えるようになっていた。
挨拶も大きな声で自信に満ちていた。
楽しそうな子供たちの声が体育館にいつも響くようになっていた。

その時、またしてもヘッドコーチから連絡がくる。

『岩手に出張になりました。』

                                                                つづく。

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