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【感想】アニメ『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』 - デスラーの過去ありがとう!!

ヤマト2199に引き続きヤマト2202を視聴しました。その記録兼感想です!

▽『宇宙戦艦ヤマト2199』の感想


宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たちについて

1978年に劇場公開された『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』ならびに、テレビ放送された『宇宙戦艦ヤマト2』をリメイクした作品。リメイク版の『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たちについて』は2018年に放送された。全26話。

あらすじ

時に西暦2202年。あの壮大な片道16万8000光年にも及ぶイスカンダルへの大航海から宇宙戦艦ヤマトが帰還して、既に3年――。〈コスモリバースシステム〉により、かつての青い姿を取り戻した地球は、ガミラス帝国とも和平条約を締結。復興の傍ら、防衛のためと最新鋭戦艦アンドロメダを含む新鋭艦隊の整備が進められていた。イスカンダルのスターシャの願いも虚しく、地球は軍拡への道を歩み始めていたのだ。はたしてこれが、かけがえのない数多くの犠牲の果てにヤマトが成し遂げた、本当の平和なのだろうか? 宇宙の平穏を願う女神テレサの祈りが、ヤマトを新たな航海に誘う。いま、宇宙を席巻するガトランティスの脅威が、地球に迫っていた――。

公式サイトより

ざっくり言うとヤマトがテレサに呼ばれて再発進する&ガトランティスが地球に侵攻してくる、です。

■最終話までの大筋
テレサに呼ばれたヤマトはテレサを救うために地球を出発します。その一方でガトランティスが地球の周辺の惑星を襲いはじめていますが、ガトランティスの対処は地球&ガミラス軍に任せ、ヤマトはテレサのもとへ向かいます。テレサに到着したところ、テレサのいる惑星テレザートがガトランティスによって襲われていたのでヤマトが撃退しました。テレサをめぐってなんやかんやありつつ、ヤマトは地球に戻ってガトランティスを討ち滅ぼします。最終的にはヤマト、古代、雪が地球に無事に帰還して”完”となります。

関係性メモ

地球:コスモリバースのおかげで3年をかけ完全に復興する。ガミラスに引けを取らないために、コスモリバースの負の遺産である時間断層を使って国力増強を企む。
時間断層:時間の流れが早い空間。地球内部に存在する。時間断層での10日 = 外の世界での1日。
ガミラス:地球と同盟を結ぶ。地球の外にはガミラスの反乱分子が存在する。デスラー派(独裁制)とバレル派?(民主化)で分離している。

ガトランティス:地球&ガミラスの敵。純粋な人間ではなく、ゼムリア人によって作られた人造人間。目的は人類の抹殺。
ズォーダー:ガトランティスのボス。
ゼムリア:ガトランティスを作った人々。既に滅んでいる。サーベラーはゼムリア人の生き残りのコピー体。

テレサ:高次元の生命体。平和を祈る。予言とか助言とかをくれる。

総評

ヤマト2202は面白かったですが、私が見たかったヤマトではありませんでした。いや、面白くはあったんですけど。2199で感じたヤマトの魅力が2202では少なく感じました。もちろん良いなと思った部分もあるので後述します。
下記は2199と2202を比較しての所感です。

■2199と2202のストーリー展開の違い
2202は2199よりも話を理解しづらかったです。2周してようやくキャラクターたちの行動理由等々が分かりました。えっ、頭が足りないせい……?
2199は一話完結型だったところも魅力の一つでした。一方、2202は一話で完結するというよりも物語が途切れず続いていた印象です。

そもそも2199と2202では登場するキャラクター数が大きく異なるのかなと思っています。単純に数が増えているだけでなく、その立場がより様々なものになっています。
2199では単純にヤマトvsガミラスの構造ですが、2202は地球(ガミラスとの政治上の対立)、ヤマト、ガミラス(帝政vs民主化)、ガトランティスという多様な立場の人物が登場します。主にヤマトvsガトランティスですが、地球軍vsガトランティスがあったり、ガミラスの反乱分子vsヤマトがあったりと複雑な対立構造を擁しています。
物語の見せ方が2199と2202で異なった要因の一つとして、登場人物の関係性の複雑さがあげられるのではないでしょうか。

■ヤマトの好きなポイント
2199と2202を比較してヤマトの好きな部分を自覚したので記録します。
・男と男の矜持というものでしょうか。敵同士でも敬意を払って戦うところが好きです。特に2199の20話、七色星団での沖田艦長とドメルのシーン。勝負を決したときに沖田艦長とドメルがお互いに敬意を表して敬礼し合うところが大好きでした。2202でも男の矜持が見られたので、好きなシーンとして後述しています。

・ヤマト隊員たちの仲良さげな雰囲気も好きです。特に2199は関係性ゼロの状態から始まったので、話を重ねるごとに関係性が深まっていく様子を楽しめました。2199の感想でも書きましたがやっぱり山本&メルダが好きですね。2202でももっと隊員たちの会話を楽しみたかったなという気持ちです。

ヤマトが一隻で戦うシーンが好きです。というよりもアニメとしてのヤマトの見せ方がとっても魅力的です。2199での対バラン星とか、5話でヤマトが沈んでしまうシーンとか。対バラン星は大艦隊vs一隻という構図がカッコいいです。5話の沈むシーンの迫力が凄くて、沈んでいくヤマトが美しかったです。2202では大艦隊vs大艦隊が多かったのでアレ?ってなりました。

■監督
監督によって作品の魅力というか作品の方向性というものがかなり変わってくると思っています。どちらが良いという話ではなく、何に重きを置いて作品を作るかの違いが出てくるよね、という話です。旧作も見て語りたいところですが……見るのが難しいですね……
私は2199の方が魅力的に映りました。
※『ヤマト2199』総監督・シリーズ構成:出渕 裕
※『ヤマト2202』監督:羽原信義、シリーズ構成:福井晴敏

余談ですが、2199では毎話の冒頭であらすじが語られていたかと思いますが、2202ではありませんでした。こちらがあればもう少しストーリーを理解しやすかったのかなとか思ったりしました。

G計画について

G計画が衝撃だったので衝撃を受けたということを書き残します。21話でG計画について語られます。
G計画とは、正常な遺伝子を保存して地球を脱出し、新天地を目指すというものです。遺伝子を保存するために、銀河という戦艦はその乗組員のほとんどが女性です。遺伝子を保存する方法を察せられましたでしょうか。

銀河に乗っている女性クルーたちからG計画について語られたときの衝撃が凄かったです。冷や汗をかきました。
女性を生物学的なメスとして見ているなあという印象を受けました。G計画の目的を語ったあと、女性クルーがお腹の方?を見るシーンが生々しかった。また、種を保存する方法としてあまり他の作品では見ないアプローチだったのもあり記憶に残っています。

余談ですが、銀河の艦長である藤堂早紀のキャラデザがド好みです。美しい紫色のストレートの髪と、白色を基調とする軍服のコントラストが完璧!目がくりくりしていて可愛いし、口が小さくて唇が少し厚めなのが最高。G計画には行かせません。
あと銀河にはCV林原めぐみさんがいましたね。本当に好きです。

デスラーの過去と真の目的

デスラーの過去とデスラーの本当の目的が分かりました!2202を見て本当に良かったなと思えるエピソードの一つです。
デスラーについてはまだまだ謎が多いと思っていました。謎を残したまま2199のラストで死んだのかと思っていましたが、、生きてて嬉しいです!

■デスラーの過去
15話で28年前、22年前、18年前、14年前のデスラーを見ることができました^^
28年前:ガミラス星には住めなくなることを秘密にすること、生涯をかけて移住先を見つけることを誓うデスラー。ショタで可愛いです。
22年前:「マティウスが陽ならアベルトは陰」という酷い言葉がモブの口から発せられます。兄のマティウスが死してなお、母からの恩寵を受けられなくて可哀想。
18年前:イスカンダルを見上げるデスラー。スターシャが大切な人なんですね。。愛に生きるデスラーも好きです。。
14年前:民衆に向けて「多くの惑星を傘下におさめよ」と伝えるデスラー。その本当の目的はガミラス人が住める惑星を探すため、あるいは人工的に作り出すためです。ガミラス星に住めなくなることを民衆に向けて伝えない理由はガミラス人に希望を失わせないため。全然冷たい人じゃないですよ、デスラー。ガミラスのために必死で生きている。優しすぎる人です。

■デスラーの真の目的
デスラーの真の目的はガミラスを救うことでした。
2199の23話でデスラーが第二バレラスを総統府に落とした理由を、2202の16話でギムレーが語ります。私情で暴走したかに思えたデスラーですが、まさかガミラスのためだったとは……時差で真実が分かるのが熱いなあ。

皮肉なことに、古代もデスラーもそれぞれの母星を救うために行動していましたが、イスカンダルはデスラーではなく古代に手を差し伸べました。とはいえイスカンダルのコスモリバースをもってしても、ガミラス星を救うことはできなかっただろうという話でしたけどね。
未だにデスラーとスターシャとの関係はよく分かりませんが、とにかくスターシャはデスラーが愛した女ということのようです。オタクとしては二人の馴れ初めとか知りたいよ。

ところで、デスラーが復活した11話から15話まではデスラーのED曲でした!タイトルは『CRIMSON RED』、星野裕矢さんが歌われています。
歌詞の「破壊と創造 伝説の賭け 奴らも同じさ」が好きです。サビがめちゃくちゃカッコいい。
歌詞の考察は苦手です、、とにかくカッコいいのでぜひ聴いてください^^

好きなシーン

■ヤマトvsアンドロメダ
5話のヤマトvsアンドロメダ、めちゃくちゃ良かったです。特に正面から激突するシーンが好きです。戦艦でそんなこと出来るの!?と驚きました。波動防壁の力ってスゲー!
山南艦長が古代を認めて見逃すところがカッコいいです。矜持を感じられるやり取りで、ヤマトっぽいなあと思い嬉しくなりました^^

山南艦長はアンドロメダに乗ることに対して色々思うところがありそうだなあと思いました。それでも地球を守るためにアンドロメダに乗る山南艦長がカッコいい。
21話で一人でアンドロメダに乗っている姿は切なかったですが、一人でも敵に怯まずに戦う姿から山南艦長のタフさを感じました。強い。そして本当に生きてて良かった……加藤、助けてくれてありがとう。

余談ですが、2202は退場キャラクターが多かったように感じました。
ヤマトを裏切ってしまった加藤はどちらに転ぶだろうと気になっていましたが、最後は綺麗に花を咲かせて逝ったので納得感がありました。
徳川があっさり死んでしまったのは辛いです。
キーマンもまさか死ぬとは思いませんでした。ガミラスのデスラー体制を思えば、デスラー(アベルト・デスラー)あるいはキーマン(ランハルト・デスラー)のいずれかが退場しても致し方ないだろうなあとは思いますが、、悲しいですね。

■真田のスピーチ
古代進は貴方です、という主張が素敵でした。英雄だから救うのではないという主張も。
古代は主人公らしさはあるけど良い意味で特徴のないキャラクターだなあと感じています。いつも当たり前のことを言っているんですよね、誰かを救いたいとか約束を大切にしたいとか。そして、誰もが悩むことで悩んでいる。スケールは大きいですけどね。波動砲を撃つか撃つまいか。約束を守りたいけど波動砲を撃たないと大切な人を守れない。ありふれたジレンマで悩む、まさしく私たちと同じ人間であり、筆者自身にも重なる部分が沢山あります。
でも古代の理想主義はなかなか現実では突き通せないですよね。私だったらガトランティスと対話をしようだなんて、一度は考えるかもしれませんが実行したいとは思いません。古代の良い面でもあり、なかなかに現場を引っ掻き回す面倒くさい面でもあるなあと思います笑

芹沢についても少し触れます。
芹沢はあえて悪役を買ってくれたのかもしれないと思いました。古代より時間断層を、という自身のスピーチの後、真田とのすれ違いざまに「君たちが羨ましい」と呟きます。
芹沢の立場上、真田たちと対立せざるを得なかったのかなあ。大人って感じです。

あとがき

ヤマト2202の感想でした。色々と思うところがあり色々書きました!
2205も楽しみです!

ここまでお読みいただきありがとうございました^^
またどこかでお会いしましょう。