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ミュージカル『ファンレター』兵庫公演に行ってきた話。

ミュージカル『ファンレター』においては狂ってる自覚あるオタクが兵庫公演(2024.10.04〜06)に行ってきました。

日本のミュージカルに行くのは2019年の劇団四季『リトルマーメイド』と、確か同じ年フェスティバルで見た『ラマンチャの男』以来。
両方親が互助会か何かでもらったチケット。

自分が学生時代芝居をしていた人間というのもあって、演劇はプロのちゃんとしたのから付き合いで行ったものまで大小いろんなハコで見てきたけどミュージカルってあんまり見に行った記憶がない…。


てなこんなで東宝版『ファンレター』に行ってきた感想をちまちま綴ります。


(こっちでは日本版を見た感想のみをゆるっと書きます。韓国版との比較はこちらをどうぞ)



行く前のこと

2024年1月。私のKPOP用のアカウントに明らかに違う界隈の方からのいいねが急増した。なんだなんだ。と思ってるところに『ファンレター』の日本公演のお知らせが流れてきた。


正直に言っていい?


めっちゃやだった笑



もちろん前の投稿に書いたような「この作品を日本で?日本人が??」っていう気持ちもあったけど


好きな漫画は実写化して欲しくない感じ。好きな小説が映画化して欲しくない感じ。そっちの感覚が大きかった。


まあでもこの作品が好きだし、この作品がどれだけ沼かみんなに知ってもらいたい気持ちがあったのは確かだし。東宝が前からこの作品を〜って言うのはいろんな記事で見てたからいよいよかって感じで、日本公演に対して楽しみが全くないかっていったらそれは嘘になる。


楽しみ1割

不安7割

日本で日本語で見れる有難さ2割


くらいだった。


その時の私のキャストの皆さんに対する知識が大体これくらい。↓

海宝さんが唯一知ってる方。知ってるっていってもお顔と名前が一致するだけで代表作とか、歌声とかは全然わかんない。

木下さんはアラジンの吹き替えの方っていうのがすごーーーーくうすーーーーい記憶で残ってた。けど別に映画を見たわけじゃなくて、私がその昔菅田将暉のリアコをしてた時同じ事務所の中村倫也も少しかじってたのでその流れて知っただけ。遠い。遠すぎる接点。


あとの方はごめんなさい。ほんとに存じ上げなかったです…。


後で調べて浦井さんが私が見てたドラマに出てたことと、「笑う男」のプロモビデオ?かなんかで前に見たことはあったことが判明。(私が好きなKPOPアイドルが「笑う男」出てたから比較したくて見たことあった。)



そうつまり私はこのレベルの知識でかつ舐めた態度でチケット取ろうとしてた。



だからまじで全然チケット取れなくて…なんでや!!!ってなったよ。


何でどう申し込んだか記憶ないけどもうほんっっとにチケットご用意されなかった泣


そこから薄々感じ始めた。

これは、、、、



もしや、、、、、、、、、


キャストが豪華なのでは、、、、、、、????(遅))))



その後発表されたレミゼのキャストでそれが確信に変わったよね。あ、これ豪華どころじゃないんや、がっつり実力派揃いのやつや、、って。


感想~キャスト編~

キャラクターごとの感想。当たり前に全員はじめまして。
最初の舐めた態度を反省しさすがにWikipediaくらいは見て行ったし、有難いことに日本のミュージカルファンの方々が色々教えてくださいました。本当にありがとうございました。


セフン~海宝直人さん~

主人公セフンだよ!18歳の文学少年。
推しが35歳でセフン演じてたからキャストの年齢に対する不安とか不満は一切なく、というかテレビでしか見たことない人を生で見れるチャンスくれた日本のファンレターありがとーーって気持ちで見に行きました。

1幕最初の下手側に腰かけているセフン。

うっわあぁぁぁぁ生の海宝直人だぁぁぁってなった(他に思うことあるやろ)


紙で指を切っちゃって、先生に「自分で(薬を)塗れるか?」って聞かれて指を舐めながら黙って上目遣いするところはあまりにも赤ちゃんでした。できないもんって言う心の声がしっかり聞こえました。ありがとう世界。

と思ったら1幕最後でもう目が完全にいっちゃってる表情は果たしてそれはセフンなのかヒカルなのか………狂ってて最高だった。

あとフォロワーさんが手が綺麗だから見て欲しいっていってて2日目は5列目のくせにオペラグラスでしっかりおててを拝見しました。めちゃくちゃ男性だった。ギャップ。

歌が上手な方というイメージだけで行ったから演技力もしっかりあって(これは全員に思ったことだけど)安心感すごかった。


ヒカル~木下晴香さん~

あんにょんヒカル。
唯一の女性キャストなのに声が全然浮いてなくてめっちゃ良かった。1幕は最初はほぼ見せ場ないのに場面が進むごとにちゃんと存在感がじわじわ出てきて、2幕でしっかり闇の人になるの最高。
喜怒哀楽全部ある可愛いヒカルだった。

セフンってヒカルに振り回されてると思われがちだけど、ヒカルだってだいぶセフンに振り回されてるよね。自分で生んでおいて使い捨てすぎる(やめなさい)


私木下さんとほぼ同じ年なのですが、年が近い活躍してる人を見るとすごくモチベになると同時に自分もできるんじゃないかという謎の自信が湧き出ますよね。

帰ってとりあえずのけぞりながらあの場面を歌って見ましたが無事に腰が死にました。一般人がやるとただうめき声を上げるアザラシです。滑稽。

せめて2日目の観劇私も黒のワンピ持ってるからそれで行こうと思いましたがノースリーブでした。流石に寒い。だから緑のワンピースで行きました。ヒカル要素ゼロ。何がしたいんだ私。

ちなみに兵庫1日目。木下さんが途中段差に足を滑らすちょっとした事故があったんだけど、見てなかった人には全く分からないくらい声もブレなければ体勢も崩れなくて。
一緒に見に行ってた母が「見た!?凄すぎ!私も体幹鍛えよっっ!!!」って言ってて似たもの親子だなぁと思いました。

イユン〜木内健人さん〜

私の推しキャラですね。

韓国版のファンの方からユンに木内さんをキャスティングしたのは大正解だという情報をもらってたのでわっくわくで見に行った。

うっっざいwまじでこのユンうざいww

第一声が「おやっ??」なのは煽りとして最強すぎる。真剣に頼み事しに京城から東京まできて、1発目に「おや?」とか言われたらうざすぎる。
あと時代的にこういうの言いにくい部分はあるんだけど言わせて。囚人服のユン本当に好きなんだ…。とても良かった。


あととにかく座り方が好きで。浅く座って深くもたれるその姿勢が日本版のイユンの性格全部表しててめちゃくちゃ好きだった。

手が縛られてるから代わりに口を使って手紙を広げる演技。突然そんな色気全開なこと起きると思ってなかったので余裕で落ちました。ファンレターのチケット取るために梅芸の会員になった私を褒めてあげたいです。レミゼ行くぜ。
次見る時、木内さん演じる役が死んじゃいませんように(フラグ)

テジュン〜斎藤准一郎さん〜

スーツ!!!!!!!!七人会はスーツだろと思ってたら日本版全然違って落ち込んでたところの救世主、スーツの学芸部長ですよ!!ありがとうございます!!!

一見真面目なしっかりもののみんなのリーダーに見えつつ、同人誌を作ることに関しては少年のようにわくわくしてるその表情。かっっわい。大型犬すぎる。


七人会の見せ場はやっぱり2幕最初の「投書」だと思うんだけどそこでの周りを気にしつつ、けど原稿の整理もして……っていう人一倍動く姿にうゔっっってなった。

お髭がとってもチャーミングな学芸部長でした!

スナム〜常川藍里さん〜

宣材写真めちゃくちゃに可愛い方なのにファンレターのお写真になると全然どの方なのか分からず、???ってなってたんだけど前髪でこんなに雰囲気が変わるのね!?俳優さんってすごい。

マンネ(末っ子)感あふれる可愛さと誰よりもストレートに文学を愛する演技が見ててすっと心に入ってきて愛さずにはいられませんでした(?)


韓国版ではイユンと結婚するって決めてる私ですが、日本版ではスナムと付き合いたいってなった。

原稿をぎゅっと体の前で持って悲痛な声を上げる姿は守ってあげたいがすぎる。もっと観劇回数あればスナムだけにフォーカスしてじっくり見たかったな………チッケム……チッケムください………。

ファンテ〜畑中竜也さん〜

ファンテ先生ってこの作品の役の中ではいちばん真面目で論理的で。日本版唯一の眼鏡キャラ。


話し方も声も行動も全部知的で静かなんだけどいうこと全てに説得力がある演技ですごく魅力的なキャラクターだった。


と思ったら大千穐楽のカテコで間違って「キムスナム役の…」って言っちゃってわたわたしてる姿。からの急にうるうるして泣き出しちゃう姿。

ふわぁぁぎゃっぷ!!!可愛い!!!なんなんだこの人!!!!!!!底なしの魅力がある方に出会えてとても幸せです///

あと個人的に声が1番好きでした。またいつか見に行きたい俳優さんが増えた。

ヘジン〜浦井健治さん

前情報が「いらっしゃいませ〜」のみでの観劇。

せっかく行くなら予習していきたいけど、YouTubeとかで調べてお芝居してるところ見て変な第一印象はつけたくないなぁって葛藤してた。

そんなところにTLでファンの方々が浦井さんのラジオが始まったぜ!みたいなこと言ってたので聞くことにしてみた。ラジオはお芝居じゃないし姿も見えないからそこまで印象付けられないかなぁって。ちなみに第4回までしっかり聞いてから行った。その間本命の推しのラジオ聞いてない。普通に忘れてた。重罪すぎる。あとで聞かなきゃ。


浦井ヘジン先生。まず言っていい???人間の生理現象であるものをどうやって演技に落とし込んでるんですか………咳といい鼻水といい…………。体内どないなってんの。

ほんっっとに死にそうな咳、喉から出る咳というよりもがっつり肺がやばいときの咳。

そんで最後のセフンが告白してきた時の怒りと絶望と裏切られた悲しさと悔しさ。生きるためにあった唯一の糸を切られてしまった感情を全て出した姿。これを1日に2回もする日があるなんて…涙も止まらないし鼻水も涎も…。わけわからん演技力にただただ引き込まれた。本当にそこにヘジンが生きてた。空気が全てその世界になってた。


浦井さんってどこから声出てるの…??全然いらっしゃいませ〜〜の声じゃなくて私違う人のラジオ聞いてたんかと思ったわ。


しばらく浦井さんの他のものを見たくないな…この感覚をそのまま大事に残しておきたいなって思うようなお芝居でした。


まぁ見るけどね。スジナシ。


全員きっと日本では믿보배(信じて見る俳優=その人が出てるだけで安心して見られる俳優さんのこと)なんだろうなぁと。とてもとても良質な空間でした。

感想~演出とか音楽とか~

なんか分からないんだけど見終わった後めちゃくちゃ「笑の大学」見たくなった。なんでなんだろう。時代か?内容か??

派手な演出とかないんだけど演劇!!って感じがして好きだった。(この感覚がみんなが言ってたストプレっぽいって感覚と同じなのかはわからないけど。)これを言語化できる脳みそと経験を持ってないのが辛い。日々勉強。

ヒカルの出捌けが全部下手奥のみなのはあそこがセフンの心なのかな。そういう見えない設定みたいなのとても好きだった。


ジャズなアレンジと楽器の組み合わせがとても好きだった。サンタさんへ。今年のクリスマスプレゼントに音源ください。

床の照明がとても綺麗で。3回観劇のうち2回が前の方の席だったのであまり見えず残念だった。もっと味わいたかったな。後ろから全体を見ても近くから細かいところを見ても飽きなくて本当に何回見ても足りないと思う。精神は削られるけど笑

感想~いろいろその他~


私は兵庫公演を3日間3回通って、カテコのご挨拶を2回見たんですが、日本語っていいね。みんなと同じタイミングで笑える感動を久しぶりに味わった。それと同時にやっぱりこの感じを推しでも味わいたいから韓国語の勉強もっと頑張ろうって思えた。そして、やっぱりこの作品で母国語の大切さに改めて気づくのは重いところがあった。



グッズは……ちょっと高いね笑
けどファンの方に聞いたらパンフもこれは高くない方らしく。比べるの良くないけど韓国版のファンレターのパンフは12,000ウォン(約1200円)で128ページだったから。私にはちょっとお高めだなぁと感じた。日本はこんな感じなのかな??

けど俳優の実写のグッズが出るのはとても良い!!!羨ましい!!!でもこれはもはや7人全員あっても良かったのでは!?!?

基本的に、見えない努力がたくさんあるものに対して文句とか悪口は言いたくない派の人間なんだけどさ、一つだけ言わせて。なんでグッズ現金のみやねん。ものすごい日本社会を感じたわ。韓国では逆に現金不可が多いからもはや面白かった。


あと久しぶりに日本の公演に行ったことであの大量のチラシが家にある感覚が蘇ってきた。帰ってからチラシを一枚ずつ見て、次こんな公演があるんだね、この人こんなお芝居出るんだねって見ていく作業。お芝居の余韻に浸りながらお芝居のこと考える時間。明日からまた頑張ろうって思えるこの時間がとても好き。


以上ゆるっと書いた割には長くなっちゃった私の兵庫公演「ファンレター」の感想です。

またいつかこの幸せな時間に浸れますように。

あんにょん。

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