9/11の遊馬的心【真景累ヶ淵】①
いつも反省後悔しては忘れてしまうので自分の忘備録として。
9/11は上野広小路亭の主任の初日。5日間興行のうち14日がお休みになり計4日しかないのに連続噺として【真景累ヶ淵】を演るとそっと決める。もちろん最後までは出来ないし演らないし演れない。
独演会では三席つづの9席。
仙台花座では二席づつの4席
今回は【真景累ヶ淵】を10席にまとめたうちの1席目から4席目の予定。
さて、本日の一席目。独演会、花座ではまくらとして入れていた累伝説を本日の内容とはあまり関わり合いが無いと思い外したけど、入れた方が良かったか。
冬のある日の宗悦宅での宗悦、お志賀、お園の親子の会話を以前よりもっとほのぼのと何気ない親子のやり取りの中にそれぞれの性格などを出したく、少し変えたがなかなか難しい。普通に生活している仲良い親子に…何が起こるのかみたいに出来ないものか。
また、噺の途中で緩和させる為の発言は今日は余計だったか。無駄な緩和を入れていた。この辺りのお客様の息をつかみたい。
楽屋で登場人物が3人以上になるとお客様はわからなくなるよなという話をしていながら、いきなりたくさん登場人物をザッと紹介する。
深見新左衛門の酔い方にも工夫が欲しいな。癖の悪さというか酒に飲まれている旗本深見新左衛門だ。
また、良き奥方いるのに、その良き奥方をちょっとしか出て来ない所で夫を思う優しい気持ちを伝えてたい。
新左衛門は飲まなければ、いや武士でなければ…と色々と考えるがまもとまらない。
宗悦はちょっと最初から強気過ぎたか、利子だけでもという思いからか。金に関してはうるさい所、この辺りの加減も難しい。
だけど宗悦が逆らわないと深見新左衛門も怒らないし、怒らせないと。そこはやはり武士、いや
酒癖の悪さか。
今回の宗悦は斬られても一太刀では死なずに『お金を返してくれと』と斬られながらも二度も新左衛門に迫り、最後は滅多斬りにされる。
この後を間違えた。
宗悦の胴巻を奪い取って、下男の
三右衛門を呼んで宗悦の死骸を捨てさせる前に、奥方が患って寝込んでしまった。
仕方がないので後に付けた。
ココは稽古でも抜けてしまう事が多い。気をつけていたのにココで気が抜けた。ココはなぜか後の為にもしっかり演りたい場面であったので、明日もう一度演りたいぐらい。
その後、お熊が深川から来て殿様のお気に入りになり妾となり子供を宿す事になる所は、後のお熊もあるので、したたかさを出したいのだが『お熊はしたたかな女』で今回はあっさりめに。
お熊のそのしたたかさをわずかの間に出せれば良いのだけど。
どうも自分都合で苦手にする所はどんどん省略している自分がいるな。
奥方の病気か良くならないので、ちょうど表を通るあんまを呼び込み、奥方にハリを打つと不思議と唸らなくなる。気に入った新左衛門は自分もと鍼を打たせる場合と肩を揉ませる場合があり、今回は肩を揉ませた。
すると鍼とは違い下手くそで痛いから文句を言うとそのあんまがなんと宗悦で、斬りつけるとコレが奥方様だった。
以前だと奥方様を病気として届けて葬いを済ませた後に宗悦の亡霊に取り憑かれて狂う感じにしていたのを、そのまま、宗悦の亡霊、幻影を斬るが斬っても斬っても、出てくる宗悦を追いかける形にして、屋敷に暴れ込み突き殺される形にしてみた。
時が経つにつれて酒量も多くなり、宗悦の怨霊、幻影に悩まされて狂っていく様を演じるのは難しそうだ。
そして、相変わらず話の締め方が下手くそだ。
終わり良ければ全て良しなのに決まらない。
お客様から「あ〜残念!今日はココまでか〜明日も来たいな〜」という感じに締めたいのにどうもうまく出来ない。
『ココから益々面白くなる所ですが今日の所は長い長い【真景累ヶ淵】の連続噺、今日の続きは明日申し上げる事に致します。ありがとうございました。もしご都合宜しければ…ゴニョゴニョ』
本当はもっとクズクズだったかも。