9/15の遊馬的心【真景累ヶ淵】④
随分伸ばしてしまった。
1日休むと気が抜けるのか、ホッとするのか。合間に名人上手を聴いてしまった。
素晴らしいのでどうしても引っ張られる。なのでなるべく聴かないないようにするけどやはり聴きたくなる。同じようには出来ないのだから。
構成や人物描写の見事さ、六代目圓生師匠はこの部分を『お久殺し』と『お累の婚礼』に分けて各約1時間の計2時間の所を私はあらすじ入れて約50分だからよくやった。だけど広小路亭は夜の部まで時間があるから良かったけど普段寄席ではコレはもちろん課題になる。
累伝説は独演会では初回のマクラ代わり、次回以降は場内アナウンスで前座さんに語ってもらった。
仙台では初日のマクラに入れた。
今回は入れていないので今日の部分こそは入れたい思っていた。だけどその分伸びてしまった。知らない人には知ってもらいたい基礎知識。だけどちょっとくどいし、いらないか。
あらすじでは
極力今日出て来ない登場人物は出さなくても良いかなと思いつつも今までの主要人物を出してしまった。それでもなるべく地の文で運ぼうとしたが、メリハリをつけたくくなり、会話をいれたり、くだらない間を入れたり、調子に乗って伸ばしてしまった。
なんだかんだであらすじに20分も使ってしまった。やはり話が進めば進む程伸びる。
豊志賀の書き置きに、
『新吉の女房になる女は7人までも取り殺す』に『…からそう思え』を付けたした。
圓生師匠の真似で、こちらの方がより凄みが増す感じがします。
やっと、
本日の本題に入る。
豊志賀の墓の前か新吉とお久の駆け落ちのくだり、
「やはり少なからずお互いに気が合ったのか」と地の文を付けてしまったけど、会話でそう思わしたい。
漢字だと原作は【水街道】(みずかいどう)本当は【水海道】(みつかいどう)というそうで。
【麹屋】という旅籠兼料理屋が出て来るのですが【糀屋】でした。
こんなうんちくもいらなかったか。
そこを通過して鬼怒川の流れる累ヶ淵。
累伝説ではここで『助』と『累』が殺害されるのですが、本当は草刈り鎌ではないそうですが、マクラの時は敢えて、草刈り鎌を印象付ける為にそうしました。しつこいかな。
そして谷五郎が6人目まで後添えが亡くなるのですが、豊志賀の書き置きに合わせて7人目でお菊が生まれると、数字を合わせてみました…ん〜くどいし、お客様は気にしてないか。
累ヶ淵でお久の顔が豊志賀の顔になる所。私の場合は『ふっと見ると暗闇に豊志賀の顔』
圓生師匠の演出はゆっくり変わっていく描写で、これも怖い。出来ないながらもどうせなら試してみたかった。
土手の甚蔵の家で先に雨宿りしてい同村者。
村のお百姓達。
お久のお墓にお累と一緒に来たおさねという小太りの女中。
これも私の場合は人物がみな権助のように同じ感じになる、圓生師匠の見事な事。
後半時計を見て持ち時間過ぎはじめて、
登場人物もあらすじからだと増え過ぎで頭の許容量がいっぱいに感じ集中力が切れてきた。
言い間違いは基本的に多いのだけど、なおさら多くなる。
土手の甚蔵のマムシらしさは甚蔵のゆすりの部分で出たかしら?
金への執着、執念はどこから来たのかと思う。
圓生師匠はお久を殺害した草刈り鎌が三蔵のうちにあることを印象付けていたが、私はうっかり表現が難しく伝わらないと思いカットしている部分であった。この草刈り鎌はのちのち重要なのでなんとかしたい。
自分の構成に不安のある所でやはりまごつくことが多い。試して以前よりは良くなったと思うけど危うい。
新吉がお累を見て、『お久!』‥と思わず言ってしまう場面。
質屋の三蔵の家系図の説明を前に入れてもみたし、お累にも『私の姪です』と言わせたり。
地の文で姪同士ですから似てる訳でと言ったり。
そうです、ココが累伝説との関わりですよ!と本日はしたかった。
だけど関わりだけをお知らせしてるだけだよね。
そんな事より、お累が新吉に惚れる所も表現が甘いよな〜。
黒いへびはいちいち鎌首持ち上げなくて良いかな?
草刈り鎌と鎌首をかけて、なんちゃって。
あさねの滑稽味は前回と少し変えてみて試してみて多少良くなったかな。
新吉をお累の婿養子にという場面で、嘘の借金を肩代わりしてもら所で、並んで座っている形だけど上下を広く取り過ぎてお客様に、特に甚蔵の表情が見えずらくなってしまった悪い癖。
お累の婚礼で初めての床入り。ずっとお累は隠してたんだよね〜
訳はいちいち新吉には話さず。
またもや黒いへびに驚いて新吉にすがり付き一晩で懐妊致します。
『さて、新吉お累の夫婦に何が起こるのか?この噺、ココからが面白くなる所でございますが、この続きは明日と言いたい所ですが、本日は千秋楽ですのでこの続きはまたの機会に申し上げたいと思います。
長くなりましたがお付き合い誠に有難うございます。」
今回は国立演芸場の独演会で使った相関図が大量に余っていて、仙台花座でも使ったのですが、まだまだ残っているので、広小路亭のご好意で他のチラシと一緒に挟み込んで頂きました。
それを見なが噺を聴いてくださったお客様もちゃんといて大変に嬉しかったです。
高座を終えるとスタッフから『師匠この相関図はどうされますか?』と声をかけられ『処分してください!』と言いかけましたがやめました。
コレはまだ今年中に演れというお告げだろうと。
これから、秋、冬を迎えますがもしも新宿の10日間の主任を任された時には、またそっとチャレンジしたいと思います。