祖母が最期に稽古をつけてくれた話(後編)
この度の葬式は、ゲームでいえば「中ボス戦」のようなものでしょうか。
祖母にとっては「ラスボス戦」であり「全クリ」なわけですが『やったー!』とばかりに浮かれるでもなく、強くてニューゲームを楽しむでもなく、孫に荒稽古をしっかりつけるあたり、祖母らしいと思います。
……といえば聞こえはいいですが、ここまで書いてきたことはすべて俺の勝手な解釈です。
勝手に祖母から稽古をつけてもらったと解釈しているだけです。
もう祖母という存在は無に帰しているかもしれないし、たとえそうじゃなくても、
「そんな面倒なことをした覚えはないよ」
と言われてしまうかもしれません。
ゲームの中ボス戦やラスボス戦をクリアすれば、経験値がガッツリ入り、レベルアップしてHPやMPもガッツリ上がります。
少なくとも俺がゲームをやっていたころはそういうシステムでした(いまはほぼやりません)。
現実世界にも「教訓」という形で先人が攻略本を作ってくれています。
ゲームと違うのは、中ボス戦やラスボス戦がガチの肉弾戦だということですかね。
* * *
人生は強制スクロールのRPGみたいな鬼ゲーだと考えています。
だからこそ何度もすっ転び、時に竹刀でぶっ叩かれ、ヘロヘロになってもゲームは続き、音を上げようにも上げるわけにいかない。
その代わり、HPがゼロになっても残機だけはラスボス戦まで無尽蔵にある。
苦しいなんてもんじゃない。
ずいぶんと変なゲームをやらされているものですね。頼んでもいないのに(笑)
こうして人類は無意味なゲームに身を投じているわけですが、無意味な世界の内側にいるうちは真剣に攻略するのもひとつのスタンスだと思います。
コントローラーを投げつけたりゲーム機をぶっ壊すんではなく、プロゲーマーのように分析と練習を繰り返せば、うまくいけば賞金稼ぎができてしまう。
とまあ、言を弄するのはここまでにして、ゲームに対して斜に構えるでもなくプレイを放棄するでもなく、真剣に攻略することに楽しみを見出し始めています。
そのための基礎体力というか、足腰をがっちり鍛えられたのが今回の葬式でした。
いつか祖母に本当の供養をしてやれるだけの人間になりたいものです。
昨日は一日3回ぐらい泥のように寝たので今日から仕事開始です。
来るラスボス戦を目指して、この鬼ゲーを真っ向から攻略していく所存です。
ああ、好きなだけ寝られるのって素晴らしい(笑)
最後までお読みいただきありがとうございました!