切なさ運ぶセプテンバー|「五線譜より始まる物語」Vol.03
1.はしがき
夏が始まる前、あんなにワクワクしていたのに。結局、終わってみれば、何も残らなかった。全てを失ってしまった。
このような経験をしたことがある人はどのくらいいるだろうか。わたしは、今年の夏、こんな経験をした。恋とか、決してそういうものじゃない。あんなにワクワクしていた夏が、まるで幻のように去っていってしまう。夏の怖さというものを知った。
夏の終わりというか、夏が終わる切なさを歌った曲は多い。様々な曲がある中で、今回は大原櫻子さんが2016年に発表したアルバム「V」から、この曲を紹介したい。
2.今回の一曲
今年の夏はなんだか短いね
君の記憶が滾れ落ちそう
今頃君は新しいノートに
ちょっと難しい数式を解いてる
大原櫻子「September」より
山本拓夫さんのサックスから始まるイントロが真っ先に耳に残る、タイトル通り「9月」を歌った楽曲。
曲調からも、歌詞からも、痛いほど伝わってくる切なさ。わたしの場合、大抵はその季節の楽曲を聴かないまま通り過ぎてしまってしまうことも多いんだけど、どうしても聴きたくなってしまう。
やっぱり夏は一番好きだから。大好きな季節だから。終わる度に、もっと何か出来たんじゃないかって思ってしまう。大原さんの声は、その“切なさ”を運んでくる。そんな気がするんだ。
3.あとがき
今日は「中秋の名月」らしい。わたしの地域では、雲の影響で残念ながら美しく夜空に輝く月を見ることは出来なかった。
10月に入ると、急速に気温の方も下がって、いよいよ冬に季節がベールを剥ぎ出すような、そんな雰囲気を醸し出してくる。
夏を味わえる最後の月、それが9月という一ヶ月。あと一週間もすれば、わたしは17歳を卒業する。正直に言えば、セブンティーンを卒業したくない。だって、輝いていないはずのものが、輝いているように見えてくるもの。魔法だよ、このセブンティーンって響きは。
結局、思い描いていたものは何も達成できなかった。そもそも、あの日思い描いていた未来って、何だったのだろう。自分の近未来について、深く考える九月の夜。さよならなんて、言いたくない。
(最後まで読んでいただき、ありがとうございました。結局、一週間ほどお待たせする形になってしまい、申し訳ありません。また機会があれば、よろしくお願いします...!! YUU_PSYCHEDELIC)
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