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家をつくるなら | GO AHEAD -僕の描く夢- 第263回

コンピュータゲームでリノベーションを体験する。

昔ならとんでもない話として受け取られましたが、現在ではそこまで枠から外れた話ではないかもしれません。特に、実際に建築をするのではなく、学生やボランティアとしてリノベーションに携わる方にとっては、安価で気軽に学べる選択肢の一つになるでしょう。

私も音楽とコミュニティーを繋ぐために、“場”と“芸術”をどう繋ぎ合わせるかということについて、日々思索を続けています。時折意見をぶつかり合わせることもありますし、身近な実例を観に行ったり、面白い例を教えてもらったりすることもあります。

そんな私が「音楽と社会とコミュニティー」について、このように考えていました。

芸術の在り方が多様化した現代社会において、環境や実用性・経済性に配慮した上で、もっと多目的に使える住居や店舗をつくっていくべきだ。そして、そこに芸術が入り込める余地があるのではないか。

このように考えた私は、音楽大学の学生という身分ながらも、建築の専門書や都市計画の専門書を読み漁る日々を過ごしています。

(書き忘れていましたが、私の所属する大阪音楽大学のミュージックコミュニケーション専攻は、“楽器を持たない / パフォーマンスをしない”音大生なんですよね。どちらかといえば、アートマネジメントや地域創造に近いかもしれない)

最初は音楽からどんどん離れていく思索内容に周囲を戸惑わせながらも、ようやく形にして動く時がやってきた。それが今年の一月から三月でした。しかし、例のウイルスの影響によって、全部ストップしてしまいました。

そんな時期だからこそ、ちょっと建築に触れてみようかと思い、「House Flipper」というゲームをSteamで購入してみました。

「House Flipper」とは、英語で『手入れの必要な家を買い、修理と装飾を施した後、即売却して利益を得る人』という意味です。日本ではあまり馴染みのない単語かもしれませんが、海外ではこうしてゲームまで出来るくらいですから、結構馴染みのある単語のようです。

(あっ、今回ご紹介するのはパソコン版(だいたい¥2000くらい)ですが、PS4やXbox ONEなどでも売られていますので、そちらをお持ちの方は是非遊んでみてくださいね。拡張パックなども今後発売される予定です)

これまで、いろんなものやことを紹介してきたnoteですが、今回からは不定期で「House Flipper」で改装した家紹介をしていこうと思います。小難しい内容は抜きにして、結構ライトなノリで進めていきますので、よかったらお付き合いいただけると幸いです。

はじめに 〜 今回購入した家について

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「これは、ひどいボロ屋だー!!!!」

これは、この家に最初に足を踏み入れたとき、思わず叫んでしまったことです。庭はゴミだらけだし、家の中は散らかっているし、草は伸び放題あまり口にしたくない“あいつ”もいました。

配管系もありませんでしたし、コンセントは壊れていましたし、なんなら全部屋のほぼ半分が吹きっ晒しの状態。なんてこった!

こんな家を、綺麗な状態に改装していきます。さあ、劇的ビフォーアフター!!(おいおい)

綺麗になった家 〜外観編〜

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まず、ほとんど木がむき出しになっていた外壁を、白の樹脂系サイディングに貼り直しました。家自体が持っていた家庭的なイメージを損なわせないように、昔からよく使われている風の素材を選んだつもりです。

窓やガレージなどは、改装前からのキャリーオーバーにしました。変える理由がありませんでしたし、予算を節約したかったので。

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お庭は、こんな感じです!

ゲーム「House Flipper」ではお庭をいじれるDLCも配信されていて、私も導入していますが、残念ながら私にはガーデニングの知識がまったくありません! ……そのため、お庭は土がむき出しになってしまっていた部分に芝生を敷くくらいで、ほとんど手を付けていません。

(木は邪魔だったので、随分と切り倒しました。斧が使えなくなるトラブルが途中で発生し、あたふたしたのは内緒です)

綺麗になった家 〜生活部屋編〜

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さあ、家の中を見ていきましょうか。

まずは玄関と廊下を。「学校の廊下を思い出させるような空間を」というコンセプトを思いついたことにより、あえて何も配置しないという美を追求しました。(意訳:壁のペンキを塗り替えたくないという経済的事情による言い訳)

もともと廊下は少し狭めでしたが、子どもたちが雨の日でも走り回れるように一メートルほど広げてあります。ほんとは手すりが欲しかった……

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続いて、バスルームです。

とりあえず、配管すらなかった部屋にタイルを敷き、配管を整備しました。かなり狭かったので、この部屋にお風呂はありません。シャワーで我慢してください。

トイレ用品用の収納棚も完備しており、風呂がないのと、照明が多すぎるのを除けば悪くないのではないでしょうか?

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さて、メインディッシュのリビングです。

ワンルームマンションのように、リビングとダイニングとキッチンを押し込んでみました。

リビングはそこそこ真面目に作ったつもりですが、ダイニングテーブルは二人分しかスペースを作れませんでした。音質にこだわる御家庭向けに、オーディオスピーカーを二つ付けてあります。

(あとは、ご入居特典として、水と、ひよこ豆と、トマトと、お米をおまけとしてプレゼントしました。お肉やお魚が苦手な方でも安心してお召し上がりいただけます。良かったですね!

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まだまだ続きますよ。ランドリールームです。

最初、この部屋を寝室にしようと悪戦苦闘していましたが、ベッドが入らなかったので諦めました。

洗濯機と、乾燥機と、シンクを付けただけのシンプルな設計です。乾燥機にかけた洗濯ものを干せるように、洗濯棚ももちろん完備してあります。わりとモダンな感じになったのではないでしょうか?

綺麗になった家 〜趣味の部屋編〜

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そうこうしているうちに、生活関係の部屋はすべて紹介させていただきました。この家は渡り廊下を挟んで二つに分かれていて、ここからは「趣味の部屋」をご紹介です。

とんでもないことになってますよ!!

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まずは、eスポーツ室です。家族全員でゲームやデザインを楽しめるように、もっとも高性能なパソコンとディスプレイを奢りました。暗闇でも大丈夫なように、しっかり光ります。

また、疲れた時にはゆっくりとクラシック音楽を楽しんでほしいなあ……という思いから、こちらも最高級のオーディオシステムを完備しています。

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ほら、凄い部屋でしょ?

たぶん、この家でいちばんお金がかかった部屋だと思います。机はこのシステムが収まるものを選びましたが、それ以外のものは全部最高級品です。高級が好きな人にはぴったりの贅沢なお部屋。最高ですね!!

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次は、ベッドルームです。

特に説明することはありませんが、ダブルベッドが部屋に入らなかったので、シングルベッドを二つ部屋に敷き詰めました。ベッドルームにいろいろ置いてもしょうがないので、ベッドさえしっかり入ればなんとかなるでしょう……

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さらに、ベッドルームの横には、バーベキュー室を設置しました。

eスポーツ室と、ベッドルームは本来一つの部屋でしたが、バーベキュー室を設置するために三分割しています。こうしないと、家族がハンモックで一夜を過ごすことになってしまうので!!

でも、本当はグリルを屋内に設置する予定だったんですよね。青い空間で完結するようにしたかった。外にグリルと、中にピクニックテーブルを配置しています。

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さてさて、次が最後の部屋になります。サウナ室と風呂!

この部屋は地域住民の方にも時間貸しで使ってもらえるように、他の部屋からは入れないような作りになっています。ひと家族程度なら持て余すほどの大きさで、たっぷりとくつろいでいただけます。

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以上で、お部屋の紹介は終了です。

画像は、中途半端にしか紹介できていなかった玄関です。玄関と廊下は靴箱しか置いていません。シンプル・イズ・ベスト!

まとめ 〜競売編〜

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最初はこんな感じのひどい家でしたが……

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こんなに綺麗な家と庭に生まれ変わりました!!

なんということでしょう。生活の部屋よりも、趣味の部屋の方が広くなっているではありませんか。必要十分な生活スペースと贅沢な趣味の部屋が、素晴らしいコントラストを醸し出しています。

匠の腕が光っていますね!!

……とんでもないことばかり言ってますが、本当は反省しかありません。ひどい家ですよね。変なノリですみません。ごめんなさい。

さあ、こんな家をとりあえず競売に出してみましょう。

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競売の結果は、ご覧の通りです。なんと、600万円近い利益が出ています!!

趣味の部屋を作りすぎてしまった感が強くて心配でしたが、かなりの利益を生み出してくれました次の家の購入費用と、改装費がこの600万円で賄えそうです。素晴らしい。

次回予告:次の家を改装し始めました!!

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最後に、次の家を少しだけ紹介させていただきますね。

今回購入したのは「全焼した家」です。つまりは、燃えかけた家をリフォームしていきます。(これ、建築基準法に抵触しないのかしら?

初期からある家で名前のインパクトが強いから、Youtuberさんでも割とやっている人が多いです。興味のある方はチェックしてみると面白いです。

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さて、お家の中ですが、ご覧のようにひどい状態です。ごみは全部片付けた後の状態ですが、流用できそうなものがほとんどありません。

これはリビングルームですが、おそらくダイニングルームと兼用になると思います。仕入れ値が安くて予算がかけられない分、わりとまともな仕上がりになるでしょう……

テレビも今回のように贅沢なシステムは使えないはずです。

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ベッドルーム。ダブルベッドが置けるかな?

イギリスの一般家庭風に作ってみようかと思います。スコットランドとかにありそうな感じの、伝統的な雰囲気。以前の家では一箇所しかなかったクロゼットも、今回はちゃんと作りますよ!

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キッチンルーム。かなり汚れているので、おそらく総取り替えになるでしょう。流用できるものがないのは悲しいです……

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バスルーム。おそらく、こちらも総取り替えですね。スペースの都合でお風呂は設置できないと思われます。

おわりに:リフォームのシミュレーションソフトとしては最高!!

ゲーム「House Flipper」の紹介も兼ねた物件紹介企画、いかがでしたでしょうか?

私は先々週くらいからこのゲームをプレイし始め、やっと依頼物件をすべてクリアし終え、自分ですべてを取り仕切る「オールリフォーム」に取り掛かりました。

あくまでもゲームとしてですが、リフォームやリノベーションの魅力を体験するには十分すぎるほどのボリュームだと思います。ただし、ずーっとやり込むのには向いていません。どちらかといえば単純作業が多いゲームなので、一日一時間とか、時間を決めてやる方が良いでしょう。バイト2時間+α分のお金で最低一日は遊べるから、かなり遊べます。

また、このゲームで感覚的にリノベーションを理解した上で、専門書や実例探索に向かうとよりわかりやすいんじゃないかな……とも思います。もし「リフォームのゲーム」が敷居が高いと感じるなら、もっと敷居が低めなシムズシリーズやマインクラフトをやってみて、是非「家をつくること」を体験してみてください。素人の目で恐縮ですが、本当に面白かったです。

(ひとつだけ注意が必要なのは、パソコン版はわりとスペックが必要だということ。Macは随分と高性能モデルじゃないと動かないと見て良いです。PS4やXboxをオススメします)

Steamには安価で面白いソフトがいっぱいありますからね、興味のある方は自分の好きそうなものを漁ってみるのも良いかもしれません。

最後になりますが、ここまで読んでくださった方々、本当にありがとうございました。初回はもう大変なことになってしまいましたが、楽しんでいただけましたでしょうか?

また機会がありましたら、このエッセイを読んでいただけると嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします。それでは、素敵な一日を!

2020.4.27
坂岡 ユウ

最後までお読みいただき、ありがとうございました。 いただいたサポートは取材や創作活動に役立てていきますので、よろしくお願いいたします……!!