なんでも「生」がいいってワケじゃないでしょ。
いやはや、驚きである。行列ができている。「わらび餅」の店にだ。
行列ができるわらびもち
その名も「とろり天使のわらびもち」サロンの最寄り駅にできていた。わらび餅好きとしては、食べねばなるまいと、店に向かう。見えてきた行列。10名ほど。私は普段、行列には並ばない。そこまで熱を入れるのは、好きなアーティストのライブか、フィギュアスケートぐらいだ。食べ物を食べるために並ぶ意味もわからない。
しかし、行く先は好物。さらにお客様とさんざん「今日行きます!」とネタにした後だ。行列ができるわらび餅なんて初めて過ぎて、戸惑いつつ、最後尾に立つ。
なんでも「生」いいってワケじゃないでしょ
店の外で店主とおぼしき人が待っている人に説明をしていた。ここは「生わらびもち」の店としてできたらしい。あまりにとろとろなので、「これ飲めるんちゃうん」とバイトの子が言って「飲むわらびもち」が開発されたのだとか。
わらび餅はデンプン。すぐさま「タピオカ」を思い出す。二番煎じと思わず開発に乗り出すところがすごいのかもしれない。私だと近すぎて受けないのでは?全く違う“差別化”ばかり考えてしまいそうだ。
想像していると列が動かなくても暇ではないものだ。並んでいるのは40代50代が多いだろうか。70代かな?という感じの男性もいる。観察対象が多いのは、助かる。音声配信を止め、持っていた本を閉じる。
わらびもちがおしゃれになる時代
10代とおぼしき3人組が出てきた。可愛らしい風貌。明るめのヘアカラーにメイクもしていたから大学生のようだ。
わらび餅がお洒落、だと???
40代女性である私にはさっぱり理解できない感想である。
しかし、なるほど、お店のロゴは店名に合わせて天使の羽を使ってあり、字体もあっさりめ「和」の要素はない。
インスタグラムで検索すると、とろり天使のわらび餅は大阪市北区天神橋となっている。大阪発の食べ物なのね、と。そこから豊中市には大学生が多い「石橋阪大前駅」につぐ2店舗目としてできている。「わらび餅」だけで店舗展開とはなかなか凄い。
店内のレジカウンターなどは真っ白でケーキを売っていてもおかしくない。店外にあったあっさりとしたロゴの雰囲気のままいくのかと思いきや、店内の調理場を分けるのは紺色の“のれん”で一気に和風。さらに和風な文字。円が規則的に並ぶ模様が文字の左右にあり、伝統紋様を思わせる。
よくあるアイスやカフェのプラ容器に太いストロー。去ったタピオカブームの後も使えてエコだな、などと考えたのは置いておいて、シールが「和」な雰囲気で一気に違うものに見えるから、面白い。
写真ではわかりにくいが、わらび餅、甘いグリーンティー、生クリーム、抹茶の粉が重ねられていた。下の方にあるわらび餅をストロー“よく混ぜて”飲む。つまり自分で潰すのだ。
想像よりも飲みやすいものではあった。最後に大量の生クリームが残ってもったいなかったが、うまい飲み方があるのかもしれない。
新しさは何で出すか
私はあくまでわらび餅好きである。飲み物が飲みたかったわけではない。本命である「生わらびもち」も購入。
噛んだ途端になくなっていきそうな柔らかさである。「口の中でとろける」という表現がぴったりだ。
わらび餅自体も甘く、水っぽい感じはない。
「生わらびもち」は小豆が練り込まれたものと和三盆が入っているものの2種類があるという。今回食べたのは、「小豆」見た目は皮ごと入っていそうに見えたが、皮は感じられないから、粉にしてから練り込んであるのだろうか。水っぽく感じない秘訣かもしれない。
これとは別に「クリームわらびもち」というものがあるらしい。
購入していないが、白い容器入る様は、まるでプリンだ。わらびもちの上にクリームがのっているという。生クリームとデンプン。ツルツルして馴染まないであろう物を容器からスプーンですくって食べるなら一緒に味わえるのかしら、と考える。
2022年、紙でもデータでも情報を残せるように、また発信して共有できるようになって久しい。“新しさ”を出すのは難しい。新しいと言っても、今までなかったものというのはもちろん「より良い」ものである必要がある。
昔からあるわらび餅を「とろとろ」になるところで練り上げを止める“生”という発想。餅に“クリーム”をつける発想。でんぶんを“飲み物”にする発想。どれも今まであったものだけれど“わらび餅”でやった人はいない。
それがこのお店新しさ。
自分のサロンを作るとき「新しい価値観の創造」になるか否かを考えている。ただ、そこにばかり目を向けていては「より違いが出るもの」にばかり目がいく。とろり天使のわらびもちを知り、「少しずらす」という考えも大事だと気づいた。
こんな私のライン。
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