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自分は騙されない、そんな人ほど黒ひげ危機一発

なかなかパンチの効いた表紙に、手が伸びていた。



人心操作の授業全員カモ
ダニエルシモンズ
クリストファーチャブリス

騙し方が書いてあるのかと思いきや(実際書かれているが)、どちらかといえば無意識のうちに起こるバイアスを自覚させてくれる本である。

350ページ以上あるこの中で、これでもかというほど、休みなく“誤認してしまう事例と理由”が出てくる。
これを読んで1つも思い当たらない人がいたとしたら、人と会わず、ネットもせず、本も読まずに生きてきた人だけなのではないだろうか。
しかしこの“思い当たる”“知ってる”が曲者でもあるらしい。
なんとこの世界は恐ろしいのか。

中でも、一貫性の項目。
人は、予測してリスクを回避する能力を持っているがゆえに、常に“予測”してしまう。予測は経験や自分の信念によるものなので、“正しい”とは限らないのに、正しい、と受け入れてしまう、というところ。

無意識にたくさんの予測を立ててしまう私は、どんな事柄も「そのパターンか!」とか「そうなることもあるよね」と納得したり、逆に予測していなかったことが起こると、面白くなってしまう。
つまりどんな道でもほとんど受け入れてしまうということ。これは騙されやすいとも言えるのでは⁉️

実際の内容は、嘘には、現実ほど“外れ値”がなく滑らかである。しかし現実と嘘を見た時、なぜか人は想定内の滑らかな数値である嘘を信じる。
人間のパフォーマンスには、意外なほどノイズが多いと理解し歓迎することが、騙されない秘訣と書いてある。
まさしく「事実は小説より奇なり」。
あまりに理路整然としすぎていることは、作られたストーリーではないか、と疑う心が必要なのだ。
「でしょうね」と言えることがある時には、深呼吸😮‍💨
そして一歩引いて疑ってみる。

そんな習慣があれば、“カモ”られない、かもしれない。

自分は人に騙されない、と思う人ほど読むと黒ひげ危機一発(タカラトミー)状態かもしれない。

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北山 悠【主役力で小さな経営はうまくいく】
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