次男が学校へ行かない。
次男が学校へ行かない。
昨日、家を出る時間少し前に出た長男からメッセージが入った。
〇〇公園に次男いる。学校に向かってなかったみたい。
次男が家を出てから40分が経っていた。慌てて家から歩いて5分の公園に行く。次男についてくれていた長男は、予備校へ行く。話を聞くと、前日、先生に決めつけられたことが嫌だった、と話す。詳しく話してもらう。
公園と次男
「それは嫌だったなぁ。それ、先生に言った?言ってないなら、言っておかないと、先生わからないから同じことするよ。言いに行こう」
と言って私が押す自転車のサドルに乗せる。小学校へ行きながら、先生はどうしてそんなことしたのかな、と話す。次男は何も言わずに先生を待たせてしまっていたことがわかったので、「悩んでいるから待ってください」と声をかけることや、きちんと決めたら、言葉にすることが大事だと次男と確認し合った。
緩やかな上り坂。電動自転車に10歳の次男の体重。制汗剤で抑えてきたはずなのに、学校に着く頃にはじっとりと汗と生ぬるい空気がまとわりつく。
教室の前までついてきて欲しいという次男について行く。担任の先生に嫌だったことを話すと、「家に帰りたい。1人で帰れるから」と言う。残念ながら、それは了承できない。なだめすかして、20分後、休憩時間と共に諦めた様子の次男を置いて学校を後にした。私が仕事から帰ると、元気そのもの。特に何かを我慢している様子はない。
ずぶ濡れの次男
そんな次の日だ。
朝8時前に出た次男が、9時24分、ずぶ濡れで先生に連れられて帰ってきた。見知らぬ先生だが、通う小学校の名札を首からかけているから、間違いない。
近隣の方から小学校に通報があったそうだ。探しに来て見つけたものの、ずぶ濡れなので、そのまま学校に連れて行くわけにもいかず、着替えるために家まで来てくださったという。着替える間待っているので、行くなら学校まで連れていきます、という先生。おそらく、次男は学校に行かない。連れてきてくださったお礼を伝えて、学校に戻っていただいた。
学校に行かなかったことより、ずぶ濡れの彼が気になる。サロンに出て受付や事務仕事をする予定だったが、急遽在宅に切り替えた。
温かいタオルで全身を拭いて、着替える次男。元気そのものだ。話を聞くと、
「色々と嫌なことがあった。何があったかは思い出せない。とにかく嫌なことがったから行きたくない」
という次男。傘を持っているにもかかわらず、雨に濡れる行為がただの遊びならいい。実際本人は水溜りで遊んでいたという。小さな頃から家族で1番の潔癖症で、他の子が幼稚園にやったような「水溜りに足を入れてみる」という行為を今までしたことがなかった。そんな次男の証言が引っかかる。雨に濡れる行為が自傷行為に感じてしまう自分の不安が、杞憂ならそれでいい。
何度も抱きしめて、体温を確かめながら髪の毛をとく。
行ったふりをして行かず、学校から連絡が入ったことが2回ある。すぐに帰れる状況じゃない場合もあり、危ないから絶対にやめて欲しいと伝えてある。にもかかわらず、2日続けての行動に、頭が重い。
子供が4人いる。学校に行きたくないと言ったことは初めてではない。どの子もそれぞれ何かしら抱えていて、小学校を1週間休んだ子もいた。そんな子も高校では熱以外一度も休まず、全く問題なかった。
こんな経験から、学校を休みたいなら休めばいいと思っている。小学校では問題なくても、中学校で休みが多かった子もいる。その子も今の所、張り切って高校へ行っている。それぞれペースがあるのだ。ただそんな上の子は、今まで「休みたい」と言って私が仕事で休めない場合は、渋々行っていた。「この日なら休めるけど、今日は無理だ」と伝えるのだ。
今次男が1週間休みたいと言ったら、どうすすれいいだろうか。4年生だ。お昼にお弁当を作っておけば、1人で過ごせるといえば過ごせる。病気でもないから、危険性は少ない。ゲームやdアニメ、アマゾンプライム、タブレットを楽しみ尽くして1週間など、すぐに過ぎるだろう。
その過ごし方、果たしていいのか?と考える。小学校を1週間休んだ時は、私がまだ専業主婦で家にいたから問題なかった。ワーキングマザーで不登校の場合、どうしているのだろう。リモートワークできる職種ばかりではない。
経営者といえど、私自身にもお客様はいる。家族を理由に施術をキャンセルすることは考えていない。かと言って、シッターを頼むのも違う気がする。
長男の4年生の頃を思い出した。
我が家の男子は、4年生に、自我がしっかり目覚めるように思う。
専業主婦を11年半(と言っているが、実は計算を間違っている気がするこの頃)続けていた私が、再就職するぞと決めたきっかけは、長男のわかりやすい「無視」と「反抗」だった。無視されるのも、反抗されるのも、そのうちあると分かっていたのに、ひどくショックだった。すぐに言葉が出てこなかった。そんな自分に二重でショックを受けた。明らかに、私は子供に依存していると感じた。
このままでは「あなたたちがいるから仕事できなかった」という人間になってしまう。そんな未来だけは絶対に欲しくない。そう思って、パートナーを説得して再就職することにした。確かあの時、長男は4年生だったはずだ。
次男が学校に行きたくないというのが、あの時と同じ「自我」の目覚めなんだとしたら、1週間家で1人で過ごさせるのも悪くないのかもしれない。そんな考えに行き着く。アメリカでこんなことをすれば、ネグレクトで即通報だ。
もちろん、日本だからネグレクトではない、という意味ではない。できうる限り私は在宅し、長女はもうすでに3時間授業になっている。お昼ごろ帰ってくる。
できない理由じゃなく、できる方法を考える。これは、生きる上でもビジネスでも大切な考え方だ。
「何が嫌なの?」
考えても次男の心の中を全て覗けるわけじゃない。できることを考えて見守る。それしか、私が親としてできることはない。
本を読む私の隣に来て、「かいけつゾロリ」を音読する次男。お昼にインスタントを食べるのに、本を閉じた。
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