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男性の居場所づくりとしての3rdスペース

先日、地域で男性の居場所づくりをしようとしているソーシャルFUN!の方と話をした。

男性が家で過ごす時間が増えた

ワークライブバランスという言葉が浸透して久しい。男性が家で過ごす時間が増えている中で、家庭内での時間がうまく使えていないなと感じている男性が多くなっているようだ。

育児や家事をするのはいいが、これまで母親だけでできるようにしてきた日本社会には、
便利家電が多く、2人で取り組むと早く終わる。

私が住んでいたチェコ共和国では、空いた時間を庭やベランダで家族と過ごしていた。
あるいは、平日は家の中の仕事をして、週末郊外の別荘に行く時間を捻出していた。

そんな風にのんびり過ごせば良いけれど、なんだかうまくいかないらしい。

女性と男性の意見

私が代表をしているボランティア団体は、単発でワークショップに参加できるので、昨年度様々な事業のママたちの話を聞いた。

リモートワークになって、育休の自分は確かに家にいるけれど、なぜ全部自分がやって、定時に仕事が終わるパートナーが「手伝い」ベースなのかと感じる人が数人いた。
また、小さな子供がいるのに、存在を消して、静かに過ごさねばならないのが困る。
家から出て居場所を探さないといけないことと、コロナ禍で場所がない、が重なって、日々辛い、という声も。

男性の地域で過ごす時間はどうか


近所に数年前にリタイヤした男性がいる。
お仕事されている時は、ほとんど見たことがなかった。
挨拶をすると、無言で頭を微妙に動かす会釈が返ってくる。警戒心が強く感じ取れた。
あれから数年。
家の前でプランターをいじりながら、挨拶を柔らかい笑顔で返してくださる。数年かけて家や地域で過ごすことに慣れていかれたのだ。

この男性の世代はこうして数年かけて居場所を作っているのだろう。会社勤めをしている人は、よほど地域のお祭りなどで有無も言わせず駆り出される場所でない限り、似たような状態ではないだろうか。

3rdプレイスという概念

家と会社の往復だけの生活は、新しいことを取り入れるのが難しく、頭が切り替えにくいように思う。
ひらめきなども、普段会わない人とのおしゃべりで浮かびやすい。第3の場所があることで、考え方、生き方に幅が出ると、私は感じている。

そんな第3.第4の場所は女性は持ちやすい。
若い頃なら、習い事や友人と会う場所、結婚した後は近所付き合いや幼稚園、小学校の保護者など、全く経験したことがない人でも、漫画やドラマ、小説で(真実とは違う形でも)ある程度想像できるだろう。
では男性は、というと趣味の場やジムなどが想像しやすい。ただ、結婚した後も趣味の場やジムに通い続けることができる人はどれだけいるだろうか。
独身男性も、年齢が上がってきて、責任が増えてくる頃、第3の場所は維持できるだろうか。
ある時、そんなに働かなくていいよ、と残業がなくなってうまく時間が使えるだろうか。
定年を迎えて、すぐに生活スタイルは確立できるだろうか。

そんな問題も含めて全部解消したい人がいる、というのがソーシャルFUN!の方と話して、興味深いと感じた。
若い頃から趣味も含めて、地域にも居場所を作っておくのだ。
居場所があれば、地元で過ごす時間が充実する。また、それぞれの得意分野を活かして教え合う事もできる。

「料理をつくる」ワークショップをコロナ前は何度かやっていたそうだ。当日作ったものを肴にお酒を酌み交わす。
また、後日、料理を家族に振る舞うことで、家での居場所を確保するという考えが面白い。
仕事で働く時間が減っていても、ずっとテレビを観ている、スマホを観ている、では本人のリフレッシュにもならない。
普段と違う脳の分野を使い、家族と仲良くできれば、精神面でおちつき、仕事の効率もよくなる。

オンラインサロンなどの3rdプレイスもおおいに結構だが、地域に居場所があれば普段から心強い、実際に会えるという利点がある。
地元に住み続けていて、友人が多い人ならわざわざ必要ないのだろう。
地域によって、男性の3rdプレイスがこれから増えてくるのかもしれない。

大の大人が楽しむ集まり。
うん、なかなかいい。

私がこれから開講する開業サポート講座は、男性も女性も入り混じって、切磋琢磨できる場にしたい。家でも会社でも地域でもない3rdプレイスだ。
ひらめきや刺激の場にできるようテキストの見直しをしている。


気に入っていただけたら嬉しいです。 受け取ったサポートはサロン運営、ママの居場所を作るボランティア活動、さらに私が成長するための書籍代として使わせていただきます。