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Photo by
yamamoto15
短いやり取りの遠赤外線効果
今朝、いつものように歩いて出勤するとき、進行方向から見覚えのある男性が歩いてきた。それは私が小学生の頃の先輩だった。
すれ違いざまにその人と交わした短い言葉が、私の心に温かい火をともした。
先輩:悠さん、おはようございます。
最近近所に引っ越してきたTです。
息子さんがいつもあいさつしてくれるんですよ。
私:そうなんですね。教えてくれてありがとうございます。
先輩:これからよろしくお願いします!
私:こちらこそよろしくお願いします!
この会話の間、私たちは目を合わせてほほえみ合っていた。
このやりとりが、私は愛おしくて仕方がない。
まず、悠さんと名前を呼んでくれた。
しかも下の名前ってのが嬉しかった。
距離感が近い感じ。下の名前で誰かから呼ばれることってめったにない。
ましてや異性からなんてちょっとときめく。
名前を覚えていてくれたことにも感激した。
そして実は、最近その先輩が近所に引っ越して来ていたことは知っていたし、先輩の名前も覚えていた。
でもあえて自己紹介してくれたその丁寧さに惚れた。
その上、私の息子をほめてくれたように感じて、誇らしかった。
極め付けは別れ際に「よろしくお願いします。」と言ってくれたことがありがたかった。つっけんどんな人はなかなか言わない言葉だ。
朝から嬉しくて温かい気持ちになった。おかげで階段を下る足取りがいつもより軽やかになった。
「あいさつは してもされても いいきもち」
これは息子が小学2年生くらいのときに学校で作った標語だ。
言い得て妙だな、と思いながら残りの道のりを歩いた。
今朝の温かい気持ちは帰宅後の夜までじわじわと続いた。
ちょっとしたやり取りで幸せな気持ちになったこと、あなたもありますか?