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生物学と日常の共通点

キャリアアップに必要とされるスキルとは何でしょうか。

コミュニケーション能力、マネジメント力、企画力などたくさんの能力がありますが、昨今ではこのような能力は飽和しており差がつけにくいともいわれています。

では何が必要か。
少し前に見たネットニュースでは哲学や人類学、デザイン力などヒトや思考の根幹がきちんと備わっている人を企業が求めていると書かれていました。

実際にGoogleでは人類学者を雇った例もあります。

ちなみに私は生物学を学び、現在はそれを活かして仕事をしています。
学者ではなく一般企業に勤めるサラリーマンですが、過去に学んだ遺伝子やたんぱく質などの知識を活かしています。

そんな私だからこそ思うのが生物学も学んで欲しいということです

生物は長い年月をかけて進化してきました。
実際に生物学を学ぶと生態システムがいかに複雑でいかに綺麗にできあがっているのかに驚かされます。

最初はハードルが高いかもしれませんが、学んで損はないと思います。

実際に生物学が日常のどこに活かされているのか。
少し難しくなるかもしれませんが、僕が読んだ本から紹介します。

文化も遺伝子に影響される

文化も遺伝子の影響を受けます。

ボールドウィン効果
かつては学習されていた行動が、時を経るうちに実際に遺伝性になること。

ブループリント

遺伝子は文化に作用し、文化もまた遺伝子に作用しています。

はじめは純粋に遺伝子が作用していても、その後築かれた文化は遺伝子にも影響を与えます。

そうして文化と遺伝子はともに進化していきます。

実際、遺伝子は周りの影響を受けます。
つまりある文化が築かれたらそれに合うようになってもおかしくありません(それが遺伝子の影響という見方もできますが、どちらにしろ周りに影響を与えているのは間違いないでしょう)。

また動物の進化は似たような方向に進むこともあります。
これを「収斂進化」といいます。

例えば哺乳類のこうもりと鳥類は似たような構造をしています。
人間の目とタコの目は似たような構造をしています。人間とタコは7億5000万年前に枝分かれし、その最終共通祖先はせいぜい光の有無しか感知できなかったであろうにも関わらずです。

海を隔てた地で全く同じ文化が生まれているのもこの「収斂進化」と共通するものを感じますね。

思考は進化と同じ

思考も進化と同じように考えることができます。

詳しくは下記のnoteにまとめたのでそちらを読んでください。

簡単にこちらにも書くと、創造を変異と適応で考えたのが「進化思考」の考え方です。

進化は変異が起こりそれが環境に適応した結果、長い年月をかけてかつて大多数を占めていた種を駆逐していきます。
それが繰り返されることでより環境に適応した生物へと進化していくのです。

創造も同じです。
何かしらの変異を起こし、それを適応させていきます。
適応しなければまた変異を起こします。
適応していたとしてもまた変異を起こしてさらに適応させていきます。
そうしてアイデアを成熟させていくのです。

進化の考え方を創造に持っていくのは誰もが自然とやっていることかもしれません。

進化の結果培った思考という人類の能力に、進化学の考え方を適用させるのはなかなか皮肉というか面白いですよね。

企業の存続には生態学を

企業経営のために生態学を学んでみるのもいいかもしれません。

多様性は生物の種の保存には欠かせないが、企業が長く存続するうえでの前提条件でもある。

経営は何をすべきか

多様性は今注目されておりよく聞く言葉です。

そもそも多様性とはなんなのか。

多様性(たようせい、: diversity)とは、幅広く性質の異なる群が存在すること。性質に類似性のある群が形成される点が特徴で、単純に「いろいろある」こととは異なる。

wikipedia

つまり幅広く人を集めることが必要です。

しかし無尽蔵に集めてはうまくいきません。
目標を同じ方向にそろえる必要があります。全員が同じ方向を向いている必要があります。

ただいろいろな人がいて、目標も見ている方向もバラバラな組織は遅かれ早かれつぶれるでしょう。

種の存続にも幅広く性質の異なる群が必要です。
群の性質が同じなら環境が少し変わっただけで生物は全滅してしまいます。

企業を一つの種ととらえると見えてくるものもあるかもしれません。

生物学を学ぶことは社会を理解することにつながる

実際、生物学の考え方は多くのところで活用できます。

ここまで書いてきた文化、創造、経営以外にも多くのところに活かされているのではないでしょうか。

生物学を学ぶことは社会を理解すること、といっても過言ではないと思っています。

理系科目は苦手だからと思わずにぜひ生物学の本を一冊でも手に取ってみてください。

最近は初心者でも読みやすい本も多く出ています。
図も多めだったりと読書が苦手な人でも手が出しやすいでしょう。

いつかこれを読んだあなたと生物学について語れることを楽しみにしています。

参考文献

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