プルースト効果
香りは人の記憶に最も強く残るのだという。曰く、五感の中で嗅覚だけが海馬(記憶に関わる部分)のある大脳辺縁系に直結しているそう。大流行したあの曲でも、香水の匂いで記憶が呼び起こされると歌っていたのを思い出した。
私には習慣にしていることが一つある。
人に会うときは必ずと言っていいほど香水を使うことだ。友達と出かけるとき、サークルの集まりに行くとき、etc. 相手によって使い分けることもあるが、次に会うときには同じ香水にするようにしている。そうすれば自分の存在が相手の記憶に強く残るのではないかと思って。
そして私は“他の人と香りがかぶる”ことにあまり頓着していない。持っているのはどれもこれも“どこかで嗅いだような匂い”だったり有名どころの香水だったりする。
根が寂しがりだからだろうか、思い出されたいのだ。街中で人とすれ違ったときでもいい、どこかの店に入ったときでもいい、ありきたりな香りで思い出してほしくて。
これは自己満足なのかもしれない。でも何かの拍子に思い出される人でありたいから、私は今日も香水を身にまとって出かける。