リハビリテーション≠再び元に戻る
僕は理学療法士として働いていますが、働く前は
リハビリテーション=元の状態に戻ること
そう思っていました。
足を折ってしまったから、しっかり歩けるように、走れるようになるまで何度も練習する。そして元いた自分と同じように戻るためにやる。
そう思っていました。
特に実際の現場を見る機会が少ない学生だった頃の私はずっとそう思っていました。
しかし、違うんです。
では気になるリハビリテーションという言葉の語源は…
Rehabilitation とは、再び(re)適した(habilis:ラテン語)状態になる
すなわち直訳すると「再び適合させる」という意味になります。
つまりリハビリテーション≠再び元の状態に戻ることではない
『再び社会に適合し心地よい状態になる』ということです。
患者さんは障害を負ってしまったから元に戻そうという気持ちが強く溢れてしまうばかり、自分を追い詰めてしまいがちです。
でもそれは当たり前のことだと思います。
我々セラピストも機能ばかりに着目してしまいがちであるため大事な部分が疎かになりがちになる時があります。
(*セラピストとはリハビリに関わるスタッフのことを総称してそう呼びます。)
患者さんが何を考えているのか?
どうしたらもっと今まで以上に心地よい生活ができるのか?
そもそも適合してもらう社会とはどういう場所が良いのか?
機能以上に若い患者さんであればなおさら、疑問となる点がたくさん出てきます。
私たちセラピストが必要なことをリハビリテーションの中でも多く分けて5つの領域に分けてみました。
働きはじめの私を含め、多くのセラピストは医学的リハビリテーションにのみ焦点を当てて介入してしまうことが多いです。
しかし、それ以外の項目に関しても、患者さんは不安に思っており、支援して欲しいと思っている方々もたくさんいることが数年働いてわかってきました。
今後の私たちの介入が
再び元の状態に戻すことではなく
『再び社会に適合し心地よい状態になる』ために
支援していけるセラピストが増えていったらいいなと思います。