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ラストマイル4回目の備忘録
4マイル目を経て、色々と思ったことの備忘録。
本当にただの備忘録で、全世界に公開するほどでもないけれど、
自分が見やすい場所にまとまってた方が楽だなーと思って。
誰に言い訳してんだ。
めっっっっちゃネタバレ
・最初の爆発のシーンの時点で、ちゃんとブラフは立ててあるなと思う。
オフィスの爆発はいきなり爆発してるけど、筧宅の爆発は一度火が見えてから爆発してたから。
・最初に、エレナが偶然山崎のロッカーを開けようとするシーン。取っ手の横に引っ搔き傷があって、山崎がカギをガシガシした跡だなあと思った。
・焼き鳥のおもちゃが爆弾であったという騒動を経て、梨本はエレナをセンター長ではなくエレナさんと呼ぶようになる。
腹の内を見せ合って距離が縮まったというのもあるけど、エレナの代わりに警察に「舟渡エレナです!」と名前を口に出したことは、きっかけとして加えてよいと思う。
エレナという名前の方を強調していたような気がするし。
・2.7m/s → 0
70㎏
0のあとになんの単位もつかないのが気になっていた。2.7と70には律儀につけているのに。
最初に0と1の2進数的な描写もあるし、offみたいな意味だと思っていた。配送の稼働を止めるという目的はあるから間違いではないだろう。
ただ、世界に渦巻く欲望を止める、という意味もあるのではないかと今回思った。
筧まりかは言う。「彼がああなったのが私のせいなら、私は罪を贖います。でももし私のせいじゃなかったら、”世界”は罪を贖ってくれますか。」
”デリファス”や”会社”ではなく、”世界”と言ったのだ。
エレナも言う。customer-centricはお客様の欲望のためだと。そしてこのマジックワードは、会社の欲望のためでもある。
センターの稼働を止め、そして欲望にまみれた世界の動きを止めようとした。それに単位なんかつけられない。0だ。
さらに言えば、それによって自分も止まる。70㎏が無に帰す、0。
・爆弾はもう1個あるとエレナたちが気づくあたりで、エレナが言う。「いちばん欲しい答えはロッカーの中にあったのに!」
山崎の書き残したもののことだろうが、答え…?となる。これについて一つの仮説を。
なぜ筧が自死を選んだかについて、私は、山崎がああなった2択の内の一方を潰すために、自分も罪を贖う行動をとったのだと思っている。
では、山崎の書き残したものがどうしてそことつながるか?
エレナは欲しい”答え”と言うが、では問いはなんだろう。
これは自分でもそこまで納得がいっている訳ではないが、どんな思いで筧がこの事件を起こしたか?という問いではないかと推定する。
そして、筧は山崎の意思を継いでいる。筧があの文字を見ていなくても。
2.7m/sは、70㎏によって、0になる。70㎏が、止める。自分が止めるという意思。
自分が死ななくても勝手に事件は起こるが、自分がスイッチとなること。そして、自分も0になること。
その意思が、エレナの欲しかった答えではないだろうか。
・五十嵐は、最後に西武蔵野LCに何をしに来たのか?いわゆる自殺の証拠を消しに来たのだろうか。
私にとって五十嵐は、完全な悪ではない。同僚が飛んで、何も思わなかった訳がないから。
ただ彼は、同僚の行動から目を背け、自分の道をひたすら進む生き方を選んだ。
エレナに諭されたとしても、その生き方は簡単に変えられなかったのかもしれない。だから悪役らしく、証拠を消しに来た。
でも、欄干のシーンが表すように、彼はレールの途中で止まることを余儀なくされた。
完全に止まらされたとき、彼は下を見ていたけれど、そこで何を思ったのだろう。
・最後にサラと話しているとき、エレナはあの印象的な赤いコートを着ていなかった。あれは”デリファスで働くエレナ”の象徴だったのだろうか。
アメリカ時代のエレナは帽子まで赤で、全身赤ずくめだもんね。
エレナ自身にその意図があったとは思えないけど、衣装の効果が素敵だなと思った。
・映像の完成と「がらくた」の完成はどちらが先だったんだろう。
最後の方の、心臓を思わせる音がやや止まり、音が一つも無くなり、梨本が息を吹き返すように呼吸をした後音が戻ってくるシーン。
これと、ラストのスクランブル交差点で、「What do you want?」がわーっと流れたあとに音が止まり、沈黙・暗転の後、米津さんの息を吸う音で「がらくた」が始まるというのが、私の中でリンクした。
全体を通して、鼓動、呼吸、血管といった生命を思わせる表現があるが、それが最後の最後まで行きわたっているようで、ぞわっとした。
ちなみに、特典をもらうために、わざわざ朝8時からの回を見た。
結構お客さん入っていて、みんな考えることは一緒だなと思った。
友達同士っぽい組もあって、「朝8時の回一緒に行こうぜ!」って言える友達いるのいいなあと思ったりした。
はじめはどうしてもシェアード・ユニバースというところに心が持っていかれていたけれど、見れば見るほど、ラストマイルという作品が好きになる。
5マイル目はいつ行こうかな。