ラパンテット-111-EP
こんばんは。大変ご無沙汰しております。
書きたいものを思いつきましたので、善は急げということで。
本日ご紹介したいのは、ラパンテットというバンドの「111」というEPです。バンド自体は残念ながら解散なさったとのことですが、音源はサブスクなどに残してくださるようなので、まだしっかり聴くことができます。
ボーカルは女性です。かなり特徴的な声音をしていらっしゃいまして、一見相反していそうな爽やかさと色気が綺麗なバランスで両立されています。一聴でどハマりする方もいれば、逆にスルメのようにジワジワ手放せなくなる方もいらっしゃるかと。私は後者です。
バンドサウンド、曲調はどこか夜を感じさせながら、ジメッとした嫌な湿り気のない、爽やかな疾走感を持っています。ボーカルもですが、このバンド全体としての雰囲気も結構独特だと感じます。
当EPですが、名曲だらけですね。全5曲、全てそれぞれ素晴らしい。突端に全体の雰囲気を壊すわけでもなく、だからといって埋没するわけでもなく、粒揃いです。
冒頭曲「111」はラパンテットとはこんなバンドです!と個性を叩きつけてくる疾走ソング。歌詞の韻の気持ち良さ、印象に残るギターフレーズ、可愛らしく疾走しつつ、どこか小悪魔のような印象も感じさせるボーカル。いいです。
続く「夜に鳴る」も傾向は前曲に近いものがありますが、より歌詞のリズム感や先述したラパンテットらしい「爽やかな夜」の雰囲気が強調され、いやはや素晴らしい。サビの完成度、個人的にすごいと思います。気持ちいい疾走感に、色気のある歌詞が乗って…よい。当曲のMVでベタ惚れしまして、すぐ購入しました。
3曲目、「ビター・チョコレイト」。これめっちゃ好きです。前2曲から比較すると、速度を落として、より深い夜の雰囲気と大人の色気を纏っています。もちろん、いやらしい変な色気ではないですのでご安心ください。ギターのカッティングも気持ちよく、ゆったりと聴けるお洒落さも兼ね備えています。個人的な再生数がラパンテットの中で一番多かったりします。
4曲目「0.03秒の盲信」。ゆったり大人の夜な「ビター・チョコレイト」から、曲調はどこかシリアスな疾走へと変化します。コーラスや韻などの小気味良い気持ち良さから、一見キャッチーでポップな印象も強いですが、歌詞も味わうと、ただそれだけではないのがしっかりと伝わってきます。
最終曲「東京、紫陽花通り」。もう曲名からして好きなんですけど、曲も曲名通りの良い雰囲気。だからといって今までのラパンテットの雰囲気から逸脱するわけではなく、どこか歌謡曲的なスパイスを纏いながら、最後まで素晴らしい夜の幻想を聴かせてくれます。曲名通りですが、雨の夜、最高に似合います。哀愁も適度に混じっていて、たまらない。
なんだか書いてたら全曲レビューになってしまいました。それだけ好きなんです。長いですがお許しください。
聴いたことがない方、こんないいバンドを見逃す手はありませんよ。是非ご一聴下さい。
「夜に鳴る」
「ビター・チョコレイト」Live
「0.03秒の盲信」