
Photo by
kazkai
毎日400字小説「間瀬君」
間瀬君に初めて告白されたのは大学一年の夏合宿だった。同じクラブで仲のいい友達だと思っていたから意外ではなかったんだけど、なんとなく恋人というよりかは友達でいたいタイプ。手をつないだりキスしたりってことが、うまく想像できなくて断った。クラブ内でぎくしゃくするのも嫌だし友達でいましょうって。そのすぐあと先輩から告白されて付き合ったわけだからどないやねんて感じだけど、はっきり言ってしまえばタイプじゃなかったのだ、間瀬君は。先輩とは二年続いて先輩の卒業とともにフェードアウトかってときにまた間瀬君が告白してきた。いいの? 先輩とさんざんいちゃこらしたわたしとそんなことできるの? って疑問だった。もちろん断った。直後バイト先の店長と不倫関係になった。間瀬君より既婚者おじがよかったんだって。あれから五年。さらに数人を経た挙句、間瀬君で妥協するかって思ったら、間瀬君は若いピチピチギャルとゴールインしたってさ。