メンヘラのひとりごと 259
浮いては沈んで、浮いては沈む。
アイドルたちと画面越しに触れ合ってる瞬間と、創作をざかざか書いてる時だけがわたしを辛うじて死ぬことから遠ざけてくれた。
本当は深夜なんか関係なく暴れてやりたい。死にたいと喚いてナイフを手に持ってやりたい。そうしたら、家族はようやくわたしが思ってるよりもっと追い詰められて苦しかったことをわかってくれるんだろうか。
躁がひどくなると、どうしようもなく海、由比ヶ浜が近いんだけど、そこに行きたくなる。海風を浴びて、冷たい海水に足をつけて、駐車場の中にあるセブンティーンアイスを食べて、鎌倉の街で少しだけ買い物をして。
本当は海に行きたいというよりは、父に休んでまで遠いところまで連れて行ってほしいんだろうなぁ。
わたしが自殺未遂をした翌日、海に行きたいを駄々をこねたわたしを仕事を休んで連れて行ってくれた。それがわたしの中でとてもいい思い出として残っているんだと思う。
それぐらい、嬉しかったんだと思う。それが欲しいから、わたしは死ぬふりをしてしまうんだろうか?
今日(昨日?)も、つらいから外に出たいと言ったら、学校のレポートやりに行くか、って近くのイオンにあるコメダ珈琲店に連れて行ってくれた。
勉強も進んだし、色んな話をしたし楽しかった。本当に。死にたいを忘れられるぐらい。
抽選のルヴァンが当たって二人で喜んだりして。でもそうやってLINEでも盛り上がってたら妹の不興を買って、最後はバタバタして帰ることになってしまった。
妹が見てるnoteでこんなことを言うのもなんだけど、父と二人で楽しいことをしている時、決まって妹か母に邪魔される。どこか行けばずるい、早く帰ってこいと言われて。
ゆっくり父と二人きりで時間もお金も気にせず遊びたい。その為にはわたしが働かなければいけない。年金だけでそれはできないとわかってる。
でも、学校すらろくに行けない社会不適合者が、また働けるんだろうか。死にたい。消えたい。
こんなにも推したちに、父に生かしてもらっているのにそれでも死にたいと思ってしまう自分が嫌だ。
父に「どうしてわたしのことを放り出さずにいられるの?」と聞いたことがある。父はなんでもない顔で言った。「柚月ちゃんが好きだから」と。
父が好きなわたしってどんなわたしなんだろう。自分で自分のいいところって全く分からない。
融通効かないし、すぐ勘違いするし、顔もよくないし、性格も悪いし、すぐうじうじするし、根気もないし、怠惰な社会不適合者な気しかしない。
本当はこれも父に否定してもらいたいんだろうな。不安だよ。
わたしが親しい人に書く手紙に必ず書くことは前も言ったけど「貴方の好きに恥じないわたしであります」ということで。でも父はそんな事しなくてもいいと言う。柚月ちゃんは十分今のままでいいから、と。
父は優しい。本人はそんなことないと言うけど。
父に否定されたことなんて思えばない。むかーし、つまらない悪さ(たしか片付けないとかだった)をして叱られたことはあるけど。中学のつらい時は父は仕事が忙しくて中々会えなかった。けど、中三の頃、わたしが中学をサボって東京にいるフォロワーに会いに行こうとした日。
駅のホームで上りの電車を待っていたら持ってたスマホに着信が来た。レッズのアイコン。父からだった。どこにいるのという質問に答えずにいたら、父は言った。
「柚月ちゃん、このままだったらパパは警察に連絡しないといけないんだよ。お願いだから帰っておいで」(確かこんな感じのことを言ってた)
父はあくまで冷静にわたしを諭した。そう言われて、捜索届けを出されるのはまずいと焦って家に帰った。母と教師に死ぬほど怒られた(なんせ前日にも同じことをやらかしている)のを覚えている。
けど、父に怒られた記憶はない。前日にサボった日、図書館まで歩きながら、父に探しに来て欲しいと泣いたのを覚えている。うちの車に似た車が通ると父が探しに来てくれたんじゃないかと少しだけ期待した。
母にはそういうのは期待してない!探すどころかキレてくるような母親なので!心配したとも言われたんだけどまずめちゃくちゃ怒られた記憶しかないから心配伝わってないよ!笑
高校を辞めると言った時も、わたしの愚かな希望を聞いてほんとに辞めさせてくれた。中卒でも何とか生きて行けるよ、みたいなことを言ってくれたし、実際なんとかなった。
やっぱり通信に行きたいと言った時も、柚月ちゃんがやりたいならやろうと話した時にそう返してくれた。金銭は亡き祖母が援助してくれたけど、祖母も高校を辞めた時も、やっぱり行くと言った時も何も言わず学費を出してくれた。
父の優しいところは祖母譲りなんだろう。
コロナ禍が始まって、父が家で仕事をするようになってから、つらいくるしいしんどいを昔よりも伝えやすくなった。そしてわたしは不安障害から躁鬱になって、自傷行為やODがひどくなって。
100錠飲んで当時のかかりつけのメンクリに行った日、ぼんやりしてたわたしをろくに見もせず、パソコンと楽しくやってたクソデブハゲ医者に珍しく声を荒らげた時もあったし、今のかかりつけ医にも適当なこと言われるときつく返したりするんだけど、父はわたしと妹のことになると鬼になれるんだろう。
父は自分のことを、「あまり他人に興味がない」と評する。友人もいない(学生当時は居たらしいが、今になるまで続ける気がなかったらしい)し、仲のいい同僚と飲みに行くとかもない(昔は後輩をサッカー観戦に呼んだりしてたけど今はない)し、キャバとかに行く趣味もない。櫻子とレッズとF1とドラマと映画とゆるくだけどゲームが好き。そして家族ファーストなので、何かあれば優先してくれるし。
なので他人に興味がないと言われても不思議だった。わたしの趣味のことも全く否定しない。わたしのうんちくも黙って聞いてくれるし、見解も教えてくれる。
わたしにとって父は非の打ち所のない、理想の人だ。ないだろうけど、もし結婚するなら父みたいに優しくてかっこよくて、誠実な人と結婚する。
父は甲斐性はないけどね、と言うけどそんなことないと思う。たしかにわたしたちのせいで家計にあまり余裕はないけど、わたしはこの21年でご飯を食いっぱぐれたことも、服がなかったことも、お風呂に入れなかったことも、病院に行けなかったこともない。
ありがたく思う。だからいつかはわたしも父に何かを返したいと思うけど、父はきっと柚月ちゃんがサッカーや櫻子の現場に付き合ってくれればそれでいいと言うんだろう。
そんなところも好きだ。父の好きなところを語っていたら、少しだけ死にたさも紛れた。
あーあ、父と遠くまで出かけたいなあ。今日、連れ出してくれたらいいのになあ。