上坂すみれさんをもっと楽しむための手引き~その1~
先日投稿した『上坂すみれ「ネオ東京唱歌」のモチーフっぽいもの諸々』(https://note.com/yutorinokodomo/n/n4d4273b21629)はド底辺の筆者としては大変多くの方に閲覧いただきました。ここに御礼申し上げます。
疑うまでもなく、上坂さんは容姿端麗、才色兼備の大人気若手声優の一人であるとは思いますが、ネットの様子とか本人の言動とかを見ると「なんかロシアとかソ連とか言ってるし、訳わかんねー」とか「天知茂って誰だよ。」「BT-3ってなにそれおいしいの」と寄り付きにくい感じやファンの中にもなかなかついていけないという人がそれなりにいるのではないでしょうか?
そこで、浅学非才の身ではありますが上坂さんにまつわるちょっと小難しい事柄について「上坂すみれさんをもっと楽しむための手引き」と題して、簡単な概要と深く学びたい時に使える諸々をご紹介したいと思います。
その1としたのは今後も続けるかもという意欲の表れです。もしかしたら続かないかもしれません。
その1【ソ連】
上坂さんを知る上でまず挙げられるのはやはりロシア、とりわけ「ソ連」というワードが出てくると思います。そもそも「ソ連」って何でしょうか?
ソ連は正式名称を「ソビエト社会主義共和国連邦」と言い、現在のロシアを主体に作られたいくつもの国の集合体です。共産主義というこれまで存在した主義思想とは違う、革新的なイデオロギーを掲げた国家の一つです。現在のロシアやウクライナ、バルト三国、カザフスタン諸々の国家で構成されており、共産党による一党支配や中央集権的な政治体制が特徴です。長きにわたってアメリカやヨーロッパに並ぶ勢力圏を誇り、冷戦と呼ばれる武力拡大競争を繰り広げました。ですが、後期になると経済的な困窮が大きな問題に。ついに1991年、アルマトイ宣言(ソ連よりも緩い共同体・CISが発足)が採択され、ソビエト連邦は崩壊しました。
一部ネタでは「ソビエト連邦は構成国がないだけで存在している」というものもありますが、あくまでネタです。悪しからず。
文化的にも非常に面白いところで、アジアでもなく、ヨーロッパでもない独特の芸術観や料理など楽しめる所が多くあると思います。銀座のロゴスキーや神保町のろしあ亭など日本で楽しめる場所も多くあります。ぜひ一度行ってみてはいかがでしょう?
かつての超大国というだけあって、漫画や読みやすい書籍からクソ分厚い学術本まで幅広く出されています。ソ連に関するなんとなーくざっくりした概要が知りたいよ、ミリタリーのことについて知りたいよという方にはお勧めしたい本や映画がいっぱい!
・速水螺旋人、津久井重吾(2018)『いまさらですがソ連邦』三才ブックス
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『大砲とスタンプ』をご存じの方には語るまでもないとは思いますが、筆者の先生方はソ連に関することではかなり著名な方々です。ソ連とは何だろう、歴史や文化などが広く紹介されています。イラストや写真も載っているため、気軽に読むことが出来ます!
・松戸清裕(2011)『ソ連史』筑摩書房
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こちらは所謂、新書なので少し堅苦しい本です。ステレオタイプなイメージに引っ張られることなく、比較的丁寧に通史が書かれている一冊です。共産主義体制や国の内情などに関する基礎知識が詰まっていると言えます。ソフホーズとコルホーズといった上坂さんネタの元も若干入っているのでこちらもおすすめの一冊です。
大木毅(2019)『独ソ戦 絶滅戦争の惨禍』岩波書店
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かなり最近に出版された新書で、第二次世界大戦の中で最も凄惨を極めた戦いの一つであるドイツ=ソ連戦争(独ソ戦)に関してかなり詳細なことが学べる一冊。新書とはいえ少し難解な点もありますが、独ソ戦の通史や様相を把握するには極めて優れた本であると思います。
映画も勿論紹介したいのですが、入門としてお勧めできる映画が一本もありません…基本的にロシア映画は長い!とにかく長い!『戦争と平和』とか『戦火のナージャ』とか…
一応、『スターリンの葬送狂騒曲』(2017)は楽しく見られますが、ある程度ソ連に関する基礎知識がないと楽しめないと思いますので、せめて『いまさらですがソ連邦』を読了後に視聴することをお勧めします。
その2【ウォッカ】
競走馬ではありません。それはウオッカです。親がギムレットだからそれより高い度数の酒つながりなのかなとかそんな感じでしょうか。
そうではなくて、お酒のウォッカです。上坂さんが愛飲してやまない名酒、ウォッカはロシアや東欧諸国で幅広く飲まれている蒸留酒(スピリッツ)の一種で、アルコールの度数は40%程度のものが多いです。ウイスキーやジン、日本で言うと焼酎なども蒸留酒の仲間ではありますが、その中でウォッカはそれほど匂いはしません。香りづけしたものもありますが、あくまでサブ的な扱いだと思います。
余計な雑味などが無く、すっきりとクリアな味わい且つ口当たりはなめらかで、飲んだ直後にグワッと胸が熱くなるような感覚がなんともたまらないお酒です。勿論、カクテルなどにも適している(モスコミュールやカミカゼetc...)ので比較的手軽に楽しめるお酒なのではないでしょうか?しかもモスコミュールというカクテルはモスコ・ミュール(Moscow Mule)ですし、ロシア繋がりという意味でも親しみやすいカクテルかもしれません。
【有名な銘柄】
・スミノフ https://www.smirnoff-time.com/top.html
・ストリチナヤ http://www.nipponbeer.jp/lineup/stolichnaya-premium-vodka750/
・アブソルート https://www.absolut.com/jp/
その3【天知茂】
そんなに取り上げるほどでもないかなと思ったのですが、三国志やロリータに比べれば知名度が薄いかなという理由でとりあげることにしました。
天知茂さんは愛知県名古屋市生まれ(地元だ!)の俳優で、ニヒルな渋い役柄や個性あふれる悪役などで有名です。元々は二枚目志望だったらしいのですが、昔の俳優さんにはそういう形で転向する人物は多い気がします。(先日亡くなられた宍戸錠さんもそんな感じだったはず)
個人的には『東海道四谷怪談』の民谷伊右衛門や忠臣蔵、『雲霧仁左衛門』、『眠狂四郎 無頼剣』強そうな剣客みたいな役どころをイメージするのですが、『非情のライセンス』など現代劇にも多く出演しています。キリっとした目鼻立ちや風貌、甘く、そして低く響く声など魅力的な点が多くあります。
また、歌手活動も行っており、先ほど登場した『非情のライセンス』のエンディングテーマ、『昭和ブルース』はあまりにも有名です。筆者は『昭和ブルース』を声優の大塚明夫さんが歌っていたのをきっかけにこの歌と天知茂さんを知りました。哀愁漂う歌詞・メロディーと渋い歌声がマッチした名曲です。
代表作や関連する書籍等を紹介しておきたいと思います。
・『東海道四谷怪談』新東宝 1959年公開
お岩さんでおなじみ、鶴屋南北の歌舞伎が原作の名作映画。怪談物ではおなじみの中川信夫が監督を務めています。実は忠臣蔵にも関連があるというトリビアもあります。
・『雲霧仁左衛門』関西テレビ・松竹 1979年放送(フジテレビ系ドラマ)
・『眠狂四郎 無頼剣』大映 1966年公開
https://www.amazon.co.jp/%E7%9C%A0%E7%8B%82%E5%9B%9B%E9%83%8E-%E7%84%A1%E9%A0%BC%E5%89%A3-%E5%B8%82%E5%B7%9D%E9%9B%B7%E8%94%B5/dp/B015AMWQ4U/ref=sr_1_17?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=%E5%A4%A9%E7%9F%A5%E8%8C%82&qid=1583248842&sr=8-17
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時代劇俳優の中でもファンが多い「眠狂四郎」シリーズ。しかも大スター、市川雷蔵が主演の作品です。ただの悪役ではなく、様々な感情や苦悩などを内に秘めた愛すべき悪役として天知茂の演技が光ります。
・『非情のライセンス』NET 1973年~放送
・『昭和ブルース』ポリドール 1973年リリース
※大塚明夫さんのカヴァーバージョンは『METAL GEAR SOLID PEACE WALKER 平和と和平のブルース』に収録されています。
・臼井薫、円尾敏郎『天知茂』1999年 ワイズ出版
この臼井薫さんは天知茂の実の兄です。
ここまでお読みいただきありがとうございました。これはあくまで手引きですので、深堀していくのはご自身でやられるのが良いと思います。これをきっかけに新たな領域に足を踏み入れてみるのも楽しみのひとつではないでしょうか。
【画像引用元】
ソ連国旗 СССР - http://pravo.levonevsky.org/. Construction sheet: File:Construction sheet of the flag of the Soviet Union.png., パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=343687による
ストリチナヤ http://www.nipponbeer.jp/lineup/stolichnaya-premium-vodka750/
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