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食べ物がない親子

海外旅行に行くと、行く先々でスラム街みたいな地域が必ずあります。


高級住宅街や観光地のとなりにある場所もあって驚きました。



「雲泥の差」まさに、その言葉の通りの景色です。



かたや煌びやかなな衣装で悠々とご飯を食べている、その数百メートル先でボロボロ穴が空いた服で靴も履いていない、履いていても穴だらけでスリッパのよう。


いつお風呂に入ったんだろう?と思う見た目の家族たちが住んでいるのをよく見かけます。



ご飯、食べれていないんだろうなと思うくらい、やせ細り栄養不足で歯もボロボロです。



そんな地域を通るとき、拾った新聞紙や雑誌を私が乗っているタクシーに、子供たち30人くらいが必死に「買って!買ってよ!」と売りにきます。


家族の食事のために。



日本に住んで何も困らない、海外旅行まで行ける生活では、しばらく現実なのか受け入れられないくらい困惑しました。



(この子たち何日、ご飯食べてないんだろう)買おうかな、とも思いました。



でも誰かの分しか買えません。



タクシーが進む度にその先でも、そんな地域が山程あるので皆の分を今の私では買ってあげられない。



結果的に誰のモノも買えませんでした。


誰かはご飯を食べられない。



いま思い出しても悔しくて、涙が出てきます。


あの時、誰かのを買っていても同じ気持ちだと思います。



あなたなら、どうしますか?



誰かの分だけ買えますか?



誰かの家族の食事分だけ、お金を渡せますか?



バリに行った時、タクシーの運転手に聞いた現地の人が行っている、美味しい場所へ連れて行ってもらいました。


そのタクシーの中で
「よくご家族で行くんですか?」
と聞くと

「美味しいとは聞くが、私は一度も食べたことはない。まして家族が多いので連れてこられないんです」
と泣きそうな笑顔で答えました。



その時の夫が
「それならランチに家族みんな連れてきて下さい!一緒にランチしましょう」
と言ってくれたのです。



いつもは八方美人の夫に腹が立ちますが、この時ばかりは感謝しました。



タクシーの運転手は、泣いて喜んでくれました。


おお神様!と拝むほどに。


「たくさんの観光客を乗せたが、そんなことを言ってくれる人は居なかった。今日は家族に初めてご馳走を食べさせることができる」と。



タクシーの運転手とレストランで待ち合わせをして、少し海辺でのんびりしてお昼すぎ。



タクシー運転手の他に15人くらいの家族が来ました。


みんなオシャレをしてよそ行きの格好で来てくれました。



とはいっても、日本の家で着ている普段着よりもボロボロな服。

これが彼らのよそ行きの服。



「好きなものを食べて下さい!大金持ちなので!」

夫は冗談まじりに家族が満腹になるように促しました。


タクシー運転手の家族は、おじいちゃん、おばあちゃんから孫達まで、現地の言葉なので言語は分かりませんでしたがゼスチャーで会話をして夕方頃まで食事を楽しみました。



みんな満面の笑みで会話していて、おばあちゃんとおじいちゃん、運転手の弟は泣いていて、私もうれしくて泣きそうになりました。


でも哀れんでいると悟られたくなくて、こっそりトイレで泣きました。



彼らは一生懸命、家族のために生きているから。


泣いたら失礼だぞ!!と何度も何度も涙をグッとこらえました。



その時の光景は忘れられません。


海辺にある開放感のあるレストランで、初めてココナッツジュース🥥を飲んで、小さい子達にも
「一緒に飲む?」
と聞いたら
「それはいつも飲んでるからいいや!」
と笑って答えていました。


私の当たり前は、当たり前なんかじゃなくて彼らの当たり前も私の当たり前ではない。



私はココナッツ🥥を毎日飲める環境ではない。



彼らは家族で外食することは、当たり前ではない。

もしかしたら一生に1度か、ないかもしれない。



帰り際には家族みんな、ひとりずつ私達に握手をしてくれて
「この日のことは一生忘れません。わたしたち家族にとっての良い思い出をありがとう!」と泣いていました。



ただランチを家族でしただけです。




日本では最低でも週に1回か月に1度は、当たり前のようにしていること。



それを(一生の思い出)と。



なので私は自分の幸せを再確認するため、色んな文化や人に触れる機会をつくるために


出川英語でも世界を旅しています。



お金は節約していません。



使いすぎなければ貯まります。


好きなことに使えます。



日本では見られない、見たこともない景色を見る事ができます。



そして誰かとまた食事をしたり、わたしの一生の思い出が増えていきます。

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