第4回BBC読書会 水木しげる『総員玉砕せよ』
昨日、第4回めとなるBBC読書会を開催しました。
課題本は水木しげるの『総員玉砕せよ』です。
当日になってキャンセルがあり店主含めて5名での開催となりましたが久しぶりのこじんまりアットホームな読書会でいろいろなことを話題にできたのでこれはこれで、と個人的には思いました。
感想としては、
「人があっさり死んでいく」「士官や上等兵でもなく、一兵士、一兵卒の証言は貴重」「無理やり自害させようとするところに日本的な不条理を感じた」「小説や文字の本だと重く受け止めてしまったかもしれないが鬼太郎みたいなタッチの絵だからあっさり読めた」「人の顔の区別がつかない」「思ったより牧歌的」「上官も厳しいだけじゃなくていい人もいる」「今の社会より人間らしくてあったかいと感じた」
などの意見がきかれました。
戦争もので悲惨なことが書かれてはいるのですが、意外にも「軽く読めた」「あっさりしていた」という意見があったのが印象的でした。それから水木しげるのマンガをはじめて読んだという人も参加者の大半で、それもまた意外でした。
バラバラの世代の人が集まっていたので世代によっての戦争との距離もそれぞれでしたが、戦争体験者から直接戦争の話をきいたことがあるという人も少数派でした。特に従軍したという人からの話というのはなかなか聞くのが難しいし話たがらない人が多いのでこういう実体験が漫画になっていることが貴重だと改めて感じました。
自身と戦争との間に距離があるということ、体験者からの話を聞いたことがないというのも参加者にとって事実としての実感が湧きにくい、自分に身近なこととして引き寄せて語りづらいテーマだったのかなと終わってから感じました。
ちなみに店主は似たようなテーマを扱っている作品『あれよ星屑』『ゆきゆきて、神軍』『戦場のメリークリスマス』との類似点をあげながら作品を語るという手法をとりました。
最近の作品でいうと『ゴールデンカムイ』との類似点も話題にあがりました。
世代もバラバラで戦争という身近なこととして語りづらいテーマゆえに世代論などメインテーマからはずれた話題も多かったのですが、それはそれでリアルの読書会ならではだなと楽しく感じました。
最後、恒例の記念撮影をするのを忘れてしまいましたので次回予告写真を…。
次回の読書会はこちら
4/28(日)18時〜
課題本は「むなしさの味わい方」(きたやまおさむ)
参加希望者はこちらのページからコンタクトをお願いいたします。
また、今回からメンバーシップの掲示板機能を利用して読書会の延長戦をすることになりました。
語り足りないという気持ちがあったり参加したくてもできない人はこちらで感想を書いていってもらえたら楽しいと思います!