【飲食店経営】内装設計で売上と利益に大きな変化。席配置と導線の重要性#18
今日は内装設計の際、利益を上げるために必要なことについてお話をします。
利益というのは「売上-経費」です。
売り上げというのは席数×稼働率×回転率×客単価になります。
まず内装工事を行う際に考えたいのは、
・席数をできる限り増やし
・できる限り稼働率を上げる
ためにどのような席の間隔だったり配置にしなきゃいけないかを考え続けること。そしてできる限り人件費がかからないような配置にするにはどうするかを考えることです。
今回は我々が実際にそれを実現するためにやっている4つのことについてお話をしていきます。
①出来る限り2名席を増やす
まず一つ目ですが、出来る限り2名席のテーブルを作ることを心がけています。何故これをやるかというと、動かせるというのがすごく大事だからです。
例えばすごく暇な時間帯に4名テーブルが空いていて、その4名テーブルに2名様をお通しします。もちろん2名席もありますが、席が開いていたらお客様にできる限り広く使っていただきます。
なので4名席に2名席が2個並んでいるテーブルに2名様をご案内しますが、そのときに一言付け加えておいて「もし隣に大人数のお客様がいらっしゃった場合に、机一つ貸していただけますか?」と一言言うだけで、隣に開いている2名席を4名席で使うことが可能になってくるわけです。
これが2名席じゃなくて4名席で作ってしまうと、テーブルを割るということは現実的にできないので、この2名様に最初にご案内した席というのが稼働率が50%になってしまいます。
もちろん最悪のケースでお客様に移動してもらうことも出来ますが、自分がお客様の立場だったときにわざわざ移動するのは面倒くさいですよね。
なのでこちらが多少手間でもテーブルを一つ移動して、お客様を動かさないという事をまずしなければいけません。なので我々はできる限り2名席のテーブルを作るよう心がけています。
②2名席×2=6名席
2つ目、2名席を2つ並べたときに、狭めの6名席に出来る大きさにすること。
我々の場合は横幅650mmで作っています。2つ並べると1300mm。 1300だとギリギリうちの客単価で6名様に座っていただくことが可能です。
もちろんこれは通常は2名・2名みたいな形で真ん中にメニューを置いて使っていますが「ここの狭めの席でよろしければ5名様ないし6名様ご案内できますよ」と、こちらからご提案できるような状況を作っておく。
そうすると稼働率は上がります。これは最初に4名席と仮定するのか6名席と仮定するのかで変わります。いわゆる4名席だと仮定した場合、5名様が座ると稼働率が100%を超えてくるわけです。
もちろんお客様ベースではありますが、できる限り稼働率を上げることが売り上げに直結するという事は数字の上でわかっているので、僕たちは席数と稼働率を徹底的に上げる必要があるのです。
席間隔はお客様の立場に立って考えるともちろん広ければ広いほどいいわけです。ですので、何を基準に判断するかというと「その店にリピーターがついているかどうか」と言う事です。
リピーターで溢れかえれば正解だし、リピーターで溢れかえらなかったら不正解。
もちろん席間隔だけの問題じゃなくて他の要素もたくさんありますが、うちの場合はリピーターで溢れかえるお店を作る上で、今の席間隔が正しいという結論になっています。
もちろんたまに我々が取っているアンケートで、狭いというお客様もいらっしゃいます。ただ、我々が目指しているのはすべてのお客様に気に入られることではなく自分たちが持っているキャパ、例えば50席だったら50席を埋めることが大事なので、その上で最大の席数を作っています。
埋めると言うのはリピーターで溢れかえらないと埋まらないので、リピーターで溢れかえる前提で最大の席数を作れる席間隔だったり席の幅だったりが大事になります。それの最大値をしっかりと見つけていきましょうという話です。
③壁側の席は2名席に
三つ目のポイントは、壁側の席を2名席にすることです。
壁側の席が4名席だと、そこに4名様座ったときに、壁の奥の方の席に座っている人がお手洗いに立つ際、皆んなで立たなければいけなくなります。それって話面倒くさいですよね。
ただ、壁側の席をを2名席に、内側の席をを4名席にしておくことによって その導線が確保できるわけです。
これは何をしているかというと、お客様の導線を被らせるという事をやっています。導線を被らせるのはすごく大事です。
下に五反田店の図面が出ていますが、五反田店の図面の黒い部分はスタッフ専用通路です。
実はこれはすごくもったいない設計なのです。この場所を、例えばお客様のトイレに行く導線に被らせることができたら、席のスペースを増やすことが出来ます。
どうしたら導線をしっかり被らせて席数を最大化できるかということは、図面を引くときに考えてみるのがいいかなと思います。僕たちの場合は席間隔や席の幅をしっかり把握できているので、それを実現した上でできる限り席数を作るようにパズルを組んでいく様な形で内装工事をやっています。
今のは日本酒原価酒蔵居酒屋の場合の話です。
しかし寿司屋の場合ある程度数字が見込めるのであれば、席間隔をしっかり取っています。何故かというと客単価の差から来る客層が違うからです。
居酒屋だったらこの席間隔でも満席になりリピーターで溢れかえるけど、 寿司屋だったらさすがに難しいよね。となるのは当然です。
今の段階では肌感覚ですが、これから寿司屋を展開していくにあたって どの位の席間隔が必要なのかということは、しっかりデータとして取っていきたいと思っています。
しかしこのコロナ禍のタイミングで、もしかすると居酒屋の席間隔も見直す必要があるのかと僕自身は思っています。そうなると居酒屋として生き残るのは本当に難しいんじゃないかなと。
今まで50席作れたお店が40席になると単純に売り上げ20%減するわけです。当たり前ですね。売り上げは席数×稼働率×回転率×客単価なので、席数が20%減したら売り上げも20%減します。
こうなった場合にどこで補填するかというと、もちろん回転率で補填できればいいですが、回転率で補填するとなると業態の力や形で変わってくるのでそんなに急に上がるものでもありません。
そうすると客単価をあげる必要がありますが、価格競争が起きている居酒屋という市場では、客単価に反映させてしまうと本当にお客様離れがしてしまう恐れがあるので中々難しいラインだと思っています。
④スタッフの導線はこう作れ
最後4つ目、こちらも五反田の図面で説明していきます。
黒い部分はスタッフの導線です。当たり前ですがスタッフの導線が良ければ良いほど人件費を落とすことが可能です。五反田店の場合は居抜きで借りているので、自分たちで導線は作っていません。
上図の様にスタッフはぐるっと回って行かなきゃいけないんです。本来ならば、真ん中に1本スタッフが通れる道を入れる。すると、席数がほぼ変わらずにスタッフが真ん中を通っていく導線ができるわけです。
つまり何をしなければいけないかというと、スタッフの導線を作るときにできる限り十字で作ることを意識しています。真ん中に通れる場所を作るということです。
それはバツ印(✕)みたいな形でもいいし十字でもいいのですが、真ん中にしっかりスタッフが通れる導線があると、かなり動きやすさが変わります。
もちろんこれで1名減らせるかどうかは店舗の規模によっても変わりますが、仮にその導線を一本作るだけで移動距離が短くなって、1名分の人件費を削減できる可能性があるのであれば、これは絶対に作らなければなりません。
これは内装工事をする際に、売り上げは席数×稼働率×回転率×客単価であり、利益というのは売り上げ-経費ということを頭に置き、どうしたら売り上げを最大化して経費を最小化できるかということを、内装の図面を引く段階から考えてみると良いと思います。
次回は厨房機器の話をしたいと思います。本日もありがとうございました。
さいごに...
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