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【チャット履歴が散らからないChatGPT「Projects」】「クラウドソーシング化する頭脳」で“秘密の部屋”を作成 『12 Days of Open AI』Day 7

この記事を読むと…

  1. ChatGPTの新機能「Projects」によって、チャット履歴を整理し“秘密の部屋”を作る方法がわかる

  2. 「Projects」機能を用いた具体的な活用例(ギフト交換イベントの企画や自宅メンテナンス管理、個人Webサイトのカスタマイズ)を知ることができる

  3. Canvas機能やWeb検索連携など、ChatGPTの最新機能を組み合わせたプロジェクト管理ノウハウを得られる


1.『12 Days of Open AI』Day 7の背景

本記事は、OpenAIが行っている「12 Days of Open AI」という特別な期間の中、7日目に発表された新機能「Projects」を中心に取り上げます。「12 Days of Open AI」は、年末に向けてOpenAIが日々新機能や改善点を公開していく取り組みであり、ユーザーがChatGPTをより幅広い領域で効果的に活用できるようなアップデートが続々と行われております。
 これまでの6日間には、さまざまな新要素がリリースされてきました。たとえば、Soraという名称の新機能が投入され、その反響はOpenAI内部の予想を上回るほど大きなものでした。また、プラスやプロユーザー、さらにはTeamsユーザー向けに、ライブビデオや画面共有機能、サブスクリプション管理、さらには高度な音声モードといった、コミュニケーションを拡張する機能が順次提供されてきております。さらに「Santaモード」のような季節感ある機能もグローバルに展開され、年末に向けて利用者が楽しめる要素が増えております。
 こうした流れの中で迎えた7日目には、ユーザーの強い要望に応える形で「Projects」が発表されました。Projectsはこれまでバラバラに蓄積されてきたチャット履歴を整理し、まるで「秘密の部屋」を作るかのように、特定のテーマや目的に合わせてチャットをグループ化できる新しい機能です。これにより、単純なQ&Aやメモ的な使い方を越え、ChatGPTがユーザーの“頭脳をクラウドソーシング”するような感覚で運用できるようになります。
 また、Projects機能をサポートする形で、新たにCanvas(コードやテキストを視覚的に編集・改変できるインターフェイス)やWeb検索機能との連携を深めており、これらを組み合わせて利用することで、ファイルのアップロードや指示内容のカスタマイズから、外部リソースへのアクセスまで一元的に行えるようになっております。
 7日目の発表には、OpenAIのプロダクト担当者やエンジニアがデモを交えながらプロジェクト機能の特徴や活用方法を紹介しました。これらのデモは、単なるコンセプト紹介に留まらず、実際にどのような活用シナリオが考えられるのかを明確に示すものでした。たとえば、季節の行事であるSecret Santaの準備や、自宅メンテナンスの履歴管理、個人のWebサイトカスタマイズなど、バラエティに富んだ例が示され、Projectsが専門家だけでなく一般ユーザーにも有用であることが印象的です。
 以上が『12 Days of Open AI』Day 7における背景の概要です。次章以降では、Projects機能そのものの詳しい説明や、具体的な操作手順、活用事例、そして今後の展開計画について順次解説してまいります。

2.「Projects」機能とは何か

 「Projects」機能は、ChatGPT内で特定のテーマや目的にフォーカスした“部屋”を作ることで、従来のチャットスレッドを超えた組織化・管理を可能にする新たな概念です。これまでは、ユーザーがチャットごとに別々の会話履歴を保持し、それらを目的別にまとめたり、検索したりする際には、過去の会話を手動で振り返ったり、別ツールで管理する必要がありました。しかし、「Projects」はこの問題を解消し、たとえば「自宅メンテナンス」「イベント企画」「個人Webサイトの構築」など、ジャンルやテーマ、タスクごとに一つの「プロジェクトフォルダ」を作成する感覚でチャットを整理できます。

 この「Projects」機能を用いると、以下のようなことが可能になります。

  1. 会話・ファイル・カスタム指示の一元管理
    プロジェクトごとに関連するファイル(スプレッドシート、文書、コードファイルなど)をアップロードして、ChatGPTに参照させることができます。さらに、そのプロジェクト内で適用される特別な口調や指示(カスタムインストラクション)を設定すれば、以後そのプロジェクト内の会話は、常に定義されたルールやキャラクターを保ちながら進行できます。これにより、単なるQ&Aを超えた、“チームの一員”あるいは“専属アシスタント”としてのChatGPTを実現可能です。

  2. 複数のチャットログを「フォルダ」感覚で分類・整理
    従来、ChatGPT上では会話は時系列で蓄積され、それぞれ別個のスレッドとして存在していました。Projectsはこれらを自由にグルーピングできるため、「このチャットはイベントA用」「このチャットは企画B用」といった形で用途別にまとめられます。ドラッグ&ドロップでスレッドをプロジェクトに移し替えることも可能であり、整理し直しも容易です。

  3. Canvas機能との統合によるスムーズな編集
    Canvas機能を組み合わせることで、アップロードしたファイルや生成したテキストを即座に修正・再生成できます。特にコード編集や、メール文面のドラフト修正など、細かな手直しが必要なタスクにおいては、Canvasが大きな威力を発揮します。ワンクリックで差分を表示し、必要な箇所だけ修正を加えることで、ChatGPTとの対話を「単なる質問応答」から「生産的な共同作業」へと昇華させられます。

  4. Web検索との併用で最新情報への即時アクセス
    ProjectsとWeb検索機能を組み合わせれば、アップロードした内部資料やログに加え、外部の最新情報もチャット内で即時に参照できます。たとえば、ホームメンテナンスの部品交換時期を確認したら、その場で最新の製品情報や在庫状況を検索して提案を受けることが可能です。このように、Projectsは内部資源(アップロードしたファイル)と外部リソース(Web検索結果)を同時に活用できる基盤を提供します。

 要するに「Projects」機能は、ChatGPTを単なる会話相手ではなく、特定のテーマに特化した「秘密の部屋」を用意することで、より高度な情報活用とタスク管理を行える環境を作り出します。次章では、実際のProjects利用シーンや、プロジェクトの作成・操作手順について詳細に解説してまいります。

3.Projects機能の基本操作方法


 本章では、実際にProjects機能を操作する手順を段階的に解説します。これにより、どのように「秘密の部屋」を作成し、ファイルや過去のチャットを集約し、カスタム指示を追加するのか、その具体的な流れを把握できます。ここで紹介する操作は、すでにChatGPTが備えているインターフェイス上で行えるものであり、特別な設定や外部ツールは不要です。

3-1.新規プロジェクトを作成する

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