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11月3日(日) 快晴

人生初の蚤の市。お気に入りの服が乾いておらず、朝一でコインランドリーに駆け込む。午前9時のコインランドリーはほとんど満杯で、世の人も大切な休日にお気に入りを着たいなんて、我々はなんとかわいらしいのだろうかと思った日。天然記念物にして保護してほしい。

肝心の蚤の市は8割が食だった。お目当ては古道具だったが、一緒に行こうと誘った子が食への飽くなき探究心と無尽蔵の食欲を持ち合わせていたから仕方ない。おやつにはドーナツとコーヒーを選んだが、相方はコーヒーを探す途中でドーナツを食べ終え、シフォンケーキを買っていた。

木陰でコーヒーを飲んでいると、すぐそばの広場の歌声がよく聞こえた。彼は「天使はおじさんだった」とうたった。「うだつのあがらなそうな」おじさんだった、と。曲が終わるたびに「〜という曲でした」と静かに言う声がたまらなく好きだった。曽我部恵一さん。

一緒に行った子は僕と好きなものがびっくりするくらい違った。行きたいテントも違うし、同じテントでも良いと感じるものがことごとく揃わなかった。
蚤の市を出る直前、「今この瞬間から千円が百円になりました」と言われ、なんとかフラワーという名のオーストリアのお花を連れ帰ることにした。

僕らは西荻窪で電車を降り、彼女に気になるお店を紹介して回る。すでに通ったことのある道なのに気付いていなかったすてきなお店がいくつもあって不思議だった。「いつもは目が2つだけど今日は4つだから」と彼女は自慢げに笑った。ワインを2杯飲んで解散したのが19:30。文化的ですばらしい1日だった。

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