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【しまたび。】02: 利尻礼文の旅 利尻島① 北海道 ~上陸、利尻島!~

札幌発、稚内行きの夜行バスの中で私は目を覚ます。窓の外がうっすらと明るくなっていた。どうやらもうすぐ到着するようだった。

空は重たい灰色で、雨が窓に水滴の筋を作り、道路のアスファルトは濡れて真っ黒になっていた。予報の通り、天気は雨になってしまっていた。

天気が良くなることを願いながら眠りについたが、その願いはかなわず。

私は悪天候の島へ、乗り込まないといけないようだった。

稚内へ訪れるのは一年と半年ぶりぐらいか。前回来たときは冬だった。凍てつく街の中を、足を滑らせながら歩いたことを思い出す。


雨に濡れる早朝の稚内フェリーターミナル

今回は夏だ。

そして私は、稚内からさらに先へと船で向かう。

北海道の北の端に浮かぶ2つの離島、利尻島と礼文島。

私がそこへと上陸するときが、やって来た。


利尻島上陸

小雨降る中、ペシ岬へ

雨と海の飛沫が甲板に舞う。


海上から利尻島を望む。


利尻島上陸


フェリーに揺られること1時間あまり。フェリーは利尻島の港の1つ、鴛泊へと接岸した。

私はついに利尻島の地を踏んだ。なんとも感慨深い。果ての地にやって来た実感がジワジワと湧いてきた。

このまま宿へと向かうのも良いが、私はすぐに利尻島を感じるべく、港のすぐ近くにある『ペシ岬』へと向かった。


海上から見たペシ岬


ペシ岬への入り口は鴛泊港のすぐ近くにある


雨で濡れた遊歩道は滑りやすい

溶岩が盛り上がってできたペシ岬は海からこんもりと持ち上がった独特の形をしていて、風が強く当たるからか、背丈の低い草が生い茂っていた。

頂上まで登ると港と鴛泊の街を見渡せる。良い眺めだ、ここが今回の旅の舞台か。


出港するフェリー


利尻山をバックにして去りゆくフェリー。

と、大きな汽笛が聞こえた。フェリーが出港したようだ。島に来る者がいれば去る者がいる。私が来たのなら、代わりに去っていく者たちがフェリーに乗り込むのだ。

フェリーに向かって大きな旗を振り、「また来いよー!」と叫ぶ人々が港にいるのが見える。ああ、なんだろう。旅って良いものだな。

とてもノスタルジックな気持ちになった。


遊歩道のコース案内

ペシ岬には頂上に行くまでに2つのルートがある。急坂を登る近道ルートと、少し遠回りのルート。結局頂上で交わるので、登りを遠回り、下りを近道で行くことにした。


ペシ岬にある灯台。写真のスポットだ。

灯台を横目に、頂上へ。


ペシ岬の頂上から町と遠くの礼文島を望む。


振り返ると水平線が望める。


鴛泊の市街地、利尻富士町の眺め。


曇ってはいるが利尻山は雲に隠れてはいなかった。

頂上からは鴛泊の港、町、そして利尻山がよく見えた。

今日からこの場所で始まる日々に、私は景色を眺めながらワクワクとしたのだった。


利尻島での風の呼び名。

頂上には利尻の方言での方角ごとの風の呼び名が書かれたモニュメントがあった。細かく呼び名が合って実に面白い。

利尻島にはかつて、ニシン漁で一攫千金を求めて多くの人々がやって来た。人々とのどこかの出身の方言がそれらの元になっているはずだ。この場にも利尻の歴史がしのばれた。

岬を下り、宿へ向かう。

宿に荷物を置いたなら。

さあ、ついに挑戦を始めよう!

挑戦? いったい何に挑むのか?

利尻島に来たからには利尻山へと登山?

もちろんそれもする予定。

だがそれは明日のつもり。

今日の、これからの予定は違うこと。

私はこれから、徒歩で利尻島1周に挑むのだ!

……あほらしいとは分かっていますよ。


利尻島②に続く。



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