たび。ユウト

新潟県が中心地。食べるのが好き。旅が好き。すなわち味わうことが好き。それが未知であろうと既知であろうと。 自称ライター。エッセイも紀行文も小説だって書いたりしたり。 野外活動も好きだけど屋内活動も好み。

たび。ユウト

新潟県が中心地。食べるのが好き。旅が好き。すなわち味わうことが好き。それが未知であろうと既知であろうと。 自称ライター。エッセイも紀行文も小説だって書いたりしたり。 野外活動も好きだけど屋内活動も好み。

マガジン

  • ゆのたび。

    各地の温泉や銭湯をめぐります。 ちょっとひなびたくらいが好み。

  • しまたび。

    島を中心にした旅行記です。 全部の島に行くのが目標。

  • たべたび。

    いろいろ食材や料理を味わったり作ったりして順調に食の深みにはまっています。 ご当地のグルメを再現してみたりするのに最近はお熱です。

  • よのなかよもやま寄稿

    徒然なるままに暮らす筆者がふと不思議に思ったことを、広く浅く考察したりします。 内容は自然から社会までいろいろ。

最近の記事

【ゆのたび。】29: 利尻富士町温泉保養施設 利尻富士温泉 北海道 利尻島 ~最果ての名峰登山後に最高の温泉~

せっかくなら、利尻山への登山をしたときの記録も一緒にどうぞ↑ 以下より、温泉エッセイです。 登山家であり小説家の深田久弥が著した『日本百名山』において挙げられた山々は、現代の登山シーンの中でも憧れと目標の1つとして多くの登山者に愛されている。 その中でも最北に位置する名峰こそ、北海道の北に浮かぶ島の1つ、利尻島にそびえる利尻山だ。 標高1721メートル。円形の島の中央に屹立する利尻山は均整の取れた円錐形をしており、富士山にも似たその美しい山容から利尻富士とも称される。

    • 【しまたび。】04: 利尻礼文の旅 利尻島③ 北海道 ~過酷な山行の先に見た、利尻山の絶景~

      前日に利尻島の徒歩1周を見事達成した私。 しかし休憩もつかの間、翌日は利尻山への登山である。 往復9時間以上はかかる、標高1721メートルへの挑戦。 体にダメージを負ったまま、私はこの名峰にどのように挑んだのだろうか? 前回の話はこちら↓ 日本百名山最北の峰、利尻山への登山4時45分、送迎バスは予定通り出発。朝飯不足の私を乗せて 目覚ましのアラームで目を覚ます。 ひどく疲れていたはずなのに、どうしてか目覚めは悪くなかった。 予定があるときは、私は不思議とスッと

      • 【しまたび。】03: 利尻礼文の旅 利尻島② 北海道 ~歩ける幸せを実感した徒歩での島1周~

        利尻島に上陸し、ペシ岬から島の全景を眺めた私。 果たして私は利尻島を無事1周することができるのか? 意外と無い時間、良くない天気。 そして昨日からすでに痛み出してしまっていた足! いったいどうなるのだ、私! あ、写真とかを取る余裕はなかったので文章がいっぱいです。 前回までの話はこちら↓ 利尻島徒歩1周のチャレンジへ。宿の方にお願いをして重い荷物を置かせてもらい、私は外へ出た。雨は細かいものがまだ少し降っているが、どうせ汗をかいて濡れるのだから気にしなくても良い

        • 【しまたび。】02: 利尻礼文の旅 利尻島① 北海道 ~上陸、利尻島!~

          札幌発、稚内行きの夜行バスの中で私は目を覚ます。窓の外がうっすらと明るくなっていた。どうやらもうすぐ到着するようだった。 空は重たい灰色で、雨が窓に水滴の筋を作り、道路のアスファルトは濡れて真っ黒になっていた。予報の通り、天気は雨になってしまっていた。 天気が良くなることを願いながら眠りについたが、その願いはかなわず。 私は悪天候の島へ、乗り込まないといけないようだった。 稚内へ訪れるのは一年と半年ぶりぐらいか。前回来たときは冬だった。凍てつく街の中を、足を滑らせなが

        • 【ゆのたび。】29: 利尻富士町温泉保養施設 利尻富士温泉 北海道 利尻島 ~最果ての名峰登山後に最高の温泉~

        • 【しまたび。】04: 利尻礼文の旅 利尻島③ 北海道 ~過酷な山行の先に見た、利尻山の絶景~

        • 【しまたび。】03: 利尻礼文の旅 利尻島② 北海道 ~歩ける幸せを実感した徒歩での島1周~

        • 【しまたび。】02: 利尻礼文の旅 利尻島① 北海道 ~上陸、利尻島!~

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        • ゆのたび。
          29本
        • しまたび。
          4本
        • たべたび。
          8本
        • よのなかよもやま寄稿
          10本

        記事

          たべたび。07 マンジェリコン(ポルトジンユ)~良薬は口に苦しは何かに似ている~

          最近はハーブに興味がそそられているこの頃。 ハーブとは面白い。その香りもさることながら、経験則からか、はたまた科学的に確かなのか、真偽不明なたくさんの効能をハーブは持っている。 だがとにかく、体には良さそうだ。でなければ火の無いところに煙は立たない。 いや、この場合は煙ではなく香りだろうか。 効き目の無いハーブに香りは立たない、とでもいえるだろうか。 ……とにかく。 アロマテラピーとしても、アーユルヴェーダにしても、ハーブとはとかく面白いものである。 そしてそん

          たべたび。07 マンジェリコン(ポルトジンユ)~良薬は口に苦しは何かに似ている~

          【ゆのたび。】28: 北のたまゆら 桑園 北海道 札幌市 ~1駅先の、お手軽入浴~

          北海道に来た。夏の北の大地である。 最果ての島、利尻島と礼文島に行くためだった。そのために私はまず、北海道のターミナルの都市である札幌にやって来ていた。 さて、夏の北海道は涼しいのか。そうともいえるし、違うともいえる。 本州より涼しくはあっても、夏は夏である。北海道といえど、夏は暑い。 旅の荷物を背負い、日中を歩きっぱなしだった私は体が汗で湿っていた。 時は夕方に差し掛かっていた。この頃になると大抵の施設は閉店し始める。加えて広い北海道は移動に時間を要することもしば

          【ゆのたび。】28: 北のたまゆら 桑園 北海道 札幌市 ~1駅先の、お手軽入浴~

          よのなかよもやま寄稿:08 素直じゃないらしい私への、話が通じないあなたのご高説 ~私は団体生活不適合者らしいです~

          「理屈っぽいな」 「屁理屈言うな」 「素直になれ」 これは異なる二人の、高齢者の人物から私が言われた全く同じ言葉だ。 そして私は言われたとき、こう思った。「なるほど、この人らには話が通じないな」と。 私は自分が性格が良い人間ではないとは自負している。 人から好かれる人を羨ましく思うことはたくさんある。快活な人、人を笑わせたたり明るくしたりできる人、世渡り上手な人……どうして彼らのような性格を自分はしていないのだろうかと、ときには嫉妬さえ抱くこともある。 しかしど

          よのなかよもやま寄稿:08 素直じゃないらしい私への、話が通じないあなたのご高説 ~私は団体生活不適合者らしいです~

          【ゆのたび。】27:  ごまどう湯っ多里館 新潟県 南蒲原郡 ~エレベーターで行く高台の湯~

          とある企画展を見るために新潟の美術館へ遠征した帰り道、運転する車の内で私は思った。 「そうだ、温泉に入っていこう」 アウトドアだろうとインドアだろうと、活動すれば疲れもするし汗もかく。 加えてそのときの時期も夏の手前だったとあって、しめっぽくてぬるい空気は私の肌をじっとりとべたつかせていた。 これはすっきりしていかないと気が済まない。 色々な作品を見て楽しませてもらったが、これではせっかくの心持も悪くなるというもの。 不快なものを湯で洗い流して、良い気分で帰路に就

          【ゆのたび。】27:  ごまどう湯っ多里館 新潟県 南蒲原郡 ~エレベーターで行く高台の湯~

          【ゆのたび。】26: 蓼科温泉 音無の湯 長野県 茅野市 ~登りし山を仰ぎ見て、湯に音も無く浸かりては~

          夏は登山にうってつけのシーズンである。 雪は無くなって危険度は残雪期よりも下がり、高山植物の可憐な花々が咲き乱れて景観は格別となる。天上界を求めて人は、夏になればやたら山へと登りだす。 そしてやはり、山の上は涼しいのも山を登る一つの理由でもあるだろう。 昨今はずいぶんと夏が暑い。酷暑の下界にしばし別れを告げて、涼を求めて山へ行くのもさもありなんである。 だが正直、夏山は涼しいとは言っても結局は暑いのだ。あくまでも下界よりも、という話で、降り注ぐ日光は熱いし、登っている

          【ゆのたび。】26: 蓼科温泉 音無の湯 長野県 茅野市 ~登りし山を仰ぎ見て、湯に音も無く浸かりては~

          【ゆのたび。】25:ビューさわた  新潟県 佐渡島 ~ペダルをこぐ汗、湯で流す汗~

          「ああ、これはダメだ」 疲弊した私は帰還を決意した。とても一周なんてできない。こんなに自転車のための体力が落ちているとは思わなかった。 長い距離を走れなかったり、坂道を速く登れなかったりしてすぐに体力切れを起こしてしまう自転車乗りを『貧脚』なんて言ったりする。 精力的に乗っていた頃も貧脚だった私だが、かつてよりもはるかに貧脚になっていた事実に愕然としてしまった。 私はロードバイクを持ち、佐渡島を訪れていた。島を一周するためである。 潰れた砂時計型の佐渡島は、1周する

          【ゆのたび。】25:ビューさわた  新潟県 佐渡島 ~ペダルをこぐ汗、湯で流す汗~

          【ゆのたび。】24: 群馬県 草津温泉  ~もらい湯にて密かに楽しむ現地の湯~

          草津温泉に行こうじゃないか。 5年ほど前だっただろうか。友人に誘われ、私はあれだけ名前を知っているあの温泉地に行くのは実は初めてなのだなと改めて気が付いた。 草津温泉は国内で三指に入る知名度を持つ温泉だろう。温泉といえばと問われれば名前が確実に上がる。 「草津よいとこ、一度はおいで」 湯もみ唄の一節は、行ったこともないのにどこかで聞いたことがある。 遠く離れた地域にまで、草津の名は知られている。温泉大国のこの国にあって、素晴らしい温泉は数多い。だが知名度を伴うとなる

          【ゆのたび。】24: 群馬県 草津温泉  ~もらい湯にて密かに楽しむ現地の湯~

          【ゆのたび。】23: 東京都 式根島 足附温泉 ~夏の島で、探せよ適温~

          夜の東京から島へ行く船が出る。 大都会のど真ん中から出港する夜行便の、なんとロマンなことだろうか。 東京駅から山手線でふた駅の浜松町駅。そこから歩いて10分ほどで竹芝旅客ターミナルに着く。 東京の街は夜であってもどこも人で賑わっているが、ターミナルも変わることなく人々がうろついていた。 皆、船を待っている。大都会の中心から島へ行こうとしている。 東京には島がある。本州に近い方から伊豆諸島と小笠原諸島である。 本州から1000キロ以上南にある小笠原諸島は、世界自然遺

          【ゆのたび。】23: 東京都 式根島 足附温泉 ~夏の島で、探せよ適温~

          【ゆのたび。】22: 新潟県 妙高温泉 関川共同浴場 大湯 ~地元民御用達の湯にかつての姿を偲ぶ~

          「妙高は、昔はそれはそれは賑わっていたんだよ」 父がそう言っていたのを思い出す。今となっては白髪ばかりの父が若き日々を過ごしたのは、温泉やスキーが娯楽の中心にいた時代だった。 高度経済成長期やバブル期など、昭和の中頃から後期にかけては日本が大いに活気づいていた時期に思う。 24時間働けますか、とは言ったもので、企業戦士たちが昼夜を問わず働くことで日本の経済は勢いよく回っていた。 国鉄が国内に線路を網の目のように張り巡らし、数多くの地方都市にまで特急を走らせ、東京や大阪

          【ゆのたび。】22: 新潟県 妙高温泉 関川共同浴場 大湯 ~地元民御用達の湯にかつての姿を偲ぶ~

          【ゆのたび。】21: 駅の温泉リバーサイド津南 ~駅にある温泉から電車を眺めて~

          駅の数を数えたことがあるだろうか? 日本には2023年現在で9000以上の駅がある。 昨今のローカル線の廃止や乗降客数の少ない駅の廃止によってその数は減少しつつある印象だが、それでも全国を網羅するように設置された路線には、JRや私鉄問わず非常に多くの駅が存在していることに変わりはない。 そんな数ある駅の中には、他と差別化するために様々な特徴を持っていることが多い。 例えばたくさんのショップを駅舎に構えているとか、景観が優れているとか。 その中で、全国には温泉を有する

          【ゆのたび。】21: 駅の温泉リバーサイド津南 ~駅にある温泉から電車を眺めて~

          【ゆのたび。】20: 野沢温泉 ~野沢温泉日帰り外湯巡りRTA(リアル湯治アタック)③~

          前回からの続き。 今回でpart3だ。 前回の内容はこちらから↓ 一番最初の内容はこちら↓ 前回までで、野沢温泉に点在する13の外湯のうち、9つ目までを制覇した。 残るは4つ、あと4つ。日の入りはもうすぐそこまで来ているが、何とか頑張って全湯制覇を達成したい。 体は立て続けの入浴によって熱さが飽食状態ではあるけれど、まだあと少し我慢だ。 幸い夕方になって気温が低くなり、湯上りには心地よい涼しさになって来ている。 これを活用し、なんとか最後まで完走したい。 と

          【ゆのたび。】20: 野沢温泉 ~野沢温泉日帰り外湯巡りRTA(リアル湯治アタック)③~

          【ゆのたび。】19: 野沢温泉 ~日帰り外湯巡りRTA(リアル湯治アタック)②~

          前回からの続き。 前回は3つ目の外湯の『熊の手洗湯』を制覇したところまで書いた。 3つの外湯に入り終わった時点ですでに時間は1時間経過しており、私は時間の経つ速さに愕然とした。 このままでは単純計算で4時間以上が全湯制覇にかかることになる。 それはまずい。かなり良くない。 それでは確実に日は沈み、明るいうちに帰ることはできない。 できるだけスピーディーに湯治を完遂しなければならないのだ。 気合を入れよう。 ④真湯 熊の手洗湯を出た私はそのまま来た道を戻る。分

          【ゆのたび。】19: 野沢温泉 ~日帰り外湯巡りRTA(リアル湯治アタック)②~