![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/153963867/rectangle_large_type_2_a2b1fd23c12e8e035cd51b19bec92db2.jpeg?width=1200)
ん。
子どもの頃、転校が多かった私。
関東から、とある地方に引っ越した時、
私が標準語で話すことをクラスの男子にからかわれた。
何か言う度に、へんなふうに私の真似をするのだ。
それがすごくいやで、母に相談した。
母は私にひとこと、
『郷に入れば郷に従え』と言った。
それから姉と私は、周りの友達の話し方の習得に励んだ。
最初に使えるようになったのは、語尾の『ん』。
たとえば、
『知らない』は『知らん』、『何してるの?』は『何してるん?』。
そして、その時に重要なのはイントネーション。
真ん中を持ち上げて語尾は少し下げる感じで『ん』を言う。
私たちは、そのイントネーションで話す事が楽しくて、一か月後にはすっかりその地方の方言で会話出来るようになっていた。
ただ、
2か月後にまた引っ越すことになるのを、この時はまだ知らなかったの。