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私達はオバマでもイチローでもないから気楽にいっても悩んでもいいというお話

先日イチローが事実上の引退をするニュースを聞いて有名なエピソードを思い出した。そう、毎朝カレーを食べるという習慣だ。当時はそれが独り歩きして日本でも朝カレーが流行った。

しかし後からわかったことだが、実はイチローはカレーが好きなわけでも、栄養があるからというわけでもなく、単なるルーチンとしてカレーを食べていただけだった。有り体に言うと「考えるのが面倒くさいからカレーを食べていた」ということになる。

しかしこの「考えるのが面倒くさいから」ということは脳科学的にも効果があるという説が多くある。朝ごはんに何を食べるかという余計なことに脳が使わない効果があり、超一流のアスリートが集中力を保つのに役に立つらしい(あくまでも仮説)。

また、オバマ前大統領も現役の時は日々重大な決断が迫られるため、どうてもいいことに対する「決断疲れ」を極力避けるために着るものや食べるものをルーティン化していた。人間の脳には限界があるため、これもまた大統領としての決断を鈍らせないためには効果的とされる(佐藤智恵「スタンフォードでいちばん人気の授業 」より)。

さて、ここまでの話を踏まえると、普通の意識高いブログなら、
「イチローやオバマ氏を見習って日常をルーティン化し、余計なことを決断するのに力を使うのを避ければより良いパフォーマンスが発揮でき日々の生活が豊かになる」
みたいなことを言うかもしれないが、私はまったくそうは思わない。

私達普通の人間はイチローみたいに0.何秒が差を分けるような集中力はいらないし、決断が一瞬遅かったり、判断が少し間違っただけで大惨事になりかねないアメリカの大横領でもない。

そう、私達は普通の人間なので、毎朝なにを食べるのか悩んでもいいし、今日はどんな服を着ていくか悩んでもいい。仮にこの悩みによって脳が余計な力を使ったとしても、普通の人には大きな影響はない。

ルーティン化しすぎる生活はまったく味気ないものであり、あれこれ悩むのまた人生の楽しみなのかと思う。


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