ゴースト&レディ(劇団四季)
人は、死ぬまで生きなければならない。
当たり前のことだけれど、なかなか当たりまえにできない。
私もそうだが、人は大なり小なり生きることを諦めてしまう。
自殺することは、もちろん理由がどうであれ許されないが、自分がやりたいことに、言いたいことに、蓋をして、ただ息をしている。
それが果たして生きていると言えるのか?
そんな問いかけを、「やりたいことが成し遂げられずに絶望したなら殺してほしいとある男に願う女が男の喪失によって絶望の意味に気づく」この物語は投げかけている。
キャストの演技、脚本、演出、全てが極上のエンターテイメントであるのは、四季なら当然かな、と思う。
でも、一幕の最初から本当に引き込まれる。没入感が半端ないのである。
更に悪役の重厚感と華やかさが物語に何重もの深みを与えている。
エンターテイメントとして最上級の仕上がりになっているからこそ、作品のテーマが観客の胸を打つのだ。
本当に見てほしい作品だし、私もまた見に行こうと思う。
P.S.人は生きているだけで他人に迷惑をかけている。自分も迷惑をかけるし、人からも迷惑をかけられる。お互い様である。だからこそ、自分のために他人の役に立つ必要があるのだと、思い出させてもらいました。
(了)
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