松山裕一郎

小説と脚本(戯曲)を書いています。短編が多いですが、中長編にもチャレンジしています。 …

松山裕一郎

小説と脚本(戯曲)を書いています。短編が多いですが、中長編にもチャレンジしています。 また、ミュージカルを中心に観劇日記も書いています。 演劇などに興味のある方、一緒に語りましょう。

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  • 短編小説

    短めの小説です。お気軽に読んでください。感想も大歓迎です。でもあまりきついことは言わないでくださいね。心が折れやすいので。

  • シナリオ(短編)

    10分程度のシナリオです。 映像を意識したものやコントに近いもの等あげていきます!

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最近の記事

「ベルサイユのばらーフェルゼン編ー(2024雪組)」の一考察(ネタバレ注意)

「自分探し」 そんな言葉が流行ったのはいつの頃であろうか。 Mr.Childrenの歌に感化された人たちがいたからなのかどうかはわからないが、バブル崩壊以降、自分探しが流行し、特にインドへ旅行する人が多かったと記憶している。 1980年代であるが、僕の知り合いでもインドに旅行した人がいる。 とある企業に勤めていた彼は、思い立ったことがあって、会社を辞めると言い出した。 すると、彼は非常に仕事のできる人だったので、慌てた会社の人たちが彼を引き止めるために1ヵ月ほど休みを与え

    • Liefie-愛しい人-

      梅田芸術劇場シアタードラマシティで、「聖乃あすか-美しい人-」見て…… いや、ほんとお綺麗で、この「Liefie-愛しい人-」見た感想と言えば「聖乃さんが美しかった」が第一で、後は椅子がいっぱいあったこと、生駒先生はオレンジが好きなのかなぁということくらいしか明確に残っていません。 じゃあ、面白くなかったか、というと面白かったです。 ただ、説明できないのです。 コメディらしく笑えるところも沢山あったのですが、コメディとしてよくできていたという感じはなかったです。笑いを

      • ドン・ジュアン(宝塚花組)

        宝塚歌劇「ドン・ジュアン」を見た感想です。 配信での観劇でしたので、生で見たものではありません。 また、ネタバレを含みますので、ご注意下さい。 まず最初に言いたのは、すごくいいカンパニーだったということです。 新生花組のお披露目でもあったわけですが、永遠輝せあさん、星空美咲さんを中心に、素晴らしいパフォーマンスだったと思います。 これからの花組の舞台が本当に楽しみでならないと思える舞台でした。 歌もさることながら、感情の機微の表現も見るものに迫るものがありました。 画面を通

        • SAKURA

          この季節になると思い出すことがある。 高校の卒業式、片思いの彼女と最後に交わした言葉。 周りの声にかき消されてよく聞こえなかった、君の言葉。 聞き返そうとしたけど、できなかった聞きたかった言葉。 もう10年も前のことだ。 母校では昨日が卒業式だったらしい。 昨日はさぞいろんな声に彩られていたのだろう。 色とりどりの声の花が咲き乱れる様が眼に浮かぶようだ。 今日は、何人かの生徒がグラウンドで何かをしている。 華のない実務的な声が聞こえるだけ。寂しくはないが、物足りなくはある

        「ベルサイユのばらーフェルゼン編ー(2024雪組)」の一考察(ネタバレ注意)

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          包まれる

          「こんばんは10時のニュースです。」 いつものように、いつものキャスターが、いつもの調子で、たんたんとニュース原稿を読んでいる。 多分彼はもう20年以上、ニュースを読んでいるのだろう。 本当にいつもかわらない。 僕は、そんな彼の言葉をいつものように、聞いていると言えば聞いているし、聞いていないと言えば聞いていない感じで、何となく聞いている。 「今日最初のニュースは、近金首相の動向からです。  首相は、衆議院の予算委員会の席で、労働関連法案について、労働者の週最大勤務時間に

          ゴースト&レディ(劇団四季)

          人は、死ぬまで生きなければならない。 当たり前のことだけれど、なかなか当たりまえにできない。 私もそうだが、人は大なり小なり生きることを諦めてしまう。 自殺することは、もちろん理由がどうであれ許されないが、自分がやりたいことに、言いたいことに、蓋をして、ただ息をしている。 それが果たして生きていると言えるのか? そんな問いかけを、「やりたいことが成し遂げられずに絶望したなら殺してほしいとある男に願う女が男の喪失によって絶望の意味に気づく」この物語は投げかけている。 キャ

          ゴースト&レディ(劇団四季)

          不倫の理由(独語)

          なお、待った? ごめんね、ちょっと支度に時間かかっちゃった。で、話ってなに? えっ、いっくんのこと? えっ、私といっくんが、ホテルに? そんな、いっくんはあなたの旦那様でしょう? 私がとるわけないじゃ…… えっ、証拠がある? 写真? えっ……これ? えっ、でも待って、これホテルの近くにいただけで…… えっ、いっくんは白状した? そう、いや、違うの、なお、聞いて、ね、聞いて? お願い、お願いだから聞いて? 私ね、いつもそうなの。 何がって、好きになるのはいつも奥さんのいる人ばっ

          不倫の理由(独語)

          魔法の水

            人 物  風間美香(29)主婦  風間利久(31)美香の夫  風間京子(52)美香の姑  大貫沙知代(42)風間の上司  権田羽良(51)京子のライバル  スーパー店員(35) ○スーパーテヘペロ店内(夕) 風間京子(52)と風間美香(29)とがパンコーナー物色している。 スーパーの店内放送が流れる。 店員の声「さあ、まもなくタイムセールが始まります。今日は鮭の切り身ワンパック5切れ入りでなんと100円、100円です。さあ、皆様鮮魚売り場へお急ぎ下さい

          風に問う

          風は舞う。 崖の下から闇を薄明るく照らす月に向かって崖の岩肌を優しく撫でながら舞い上がる。 風が崖の上に到達して月に向かって舞い上がろうとしたとき、月が厚い雲に覆われ、あたりが闇に包まれた。風の前に二つの眼が現れた。 二つの眼は崖の淵へと滲み寄り、ジッと崖の下を睨んでいた。やがて、雲の隙間から月光が挿し込むと崖の下に向かい駆け下りはじめた。 風でされも早いと感じるほどに早く。 風は眼の主を追って崖を降り、眼の主に問うた。 「主は1人なのか?」 「ああ」 眼の主は狼であった。

          水あそび

          僕と営田は電車に揺られていた。営田は医者で機転の効く男だ。ある時なんて、複雑骨折した患者に「通常の治療では半年はかかる」と言ったところ「一刻も早く歩けるようになりたい」と懇願され、その足を切り落とした。驚く患者に営田は明るい声で説明した。「これで一月後には歩けるようになります。義足付きで」と。営田は、常人には想像もできないことを思いつき、饒舌に話す奴なのだ。 そんな営田が、なぜか僕と二人だけのときは無口な男になる。昔はもっと話しをしていたように思うが、それだけ大人になったと

          It’s Cool!

             人 物 我望淳(27)会社員 君島翔太(28)会社員 皆実リサ(26)会社員 マスター(55)バーDのバーテン 女子社員A 女子社員B ○バーD店内(夜) カウンターに我望淳(27)と君島翔太(28)とが並んで座っている。君島がタバコにジッポで火をつける。それを見ながら淳は、 淳「ねえ、君くん、今日はタバコの火、マッチじゃないの?」 君島は淳の方は向かずに、 君島「おまえさあ、俺がどうやって火をつけようが勝手だろ?お前は俺の彼女か?」 淳「いや、

          空想グルメ:メダカのなれ鮨

          神田明神、江戸の総鎮守として多くの人が参拝するこの神社は、赤揃えの美しい伝統美と神田明神ホールの近代建築の現代的な様式美とが同居する不思議な雰囲気を持った場所である。 甘酒屋が並ぶ坂道を上がり、瑞神門を通ると境内へと足を踏み入れることができる。 神田明神は秋葉原からも近いため、最近ではアニメとのコラボも盛んに行われていることでも有名で、これもこの神社の不思議さの根源になっているようである。 この神社を抜けて明神下中通りへと向かう。銭形平次で有名な神田明神下もすでにビルが

          空想グルメ:メダカのなれ鮨

          月組公演見ました。お芝居は演じるのが難しい演目だなと。間の取り方やリアクションがとても大事な作品だなと思いました。しかも、あの大きな劇場を支配するのは…その中、月城さん、海野さん、鳳月さん、のトライアングルはさすがでした。しかし、彩みちる劇場ww

          月組公演見ました。お芝居は演じるのが難しい演目だなと。間の取り方やリアクションがとても大事な作品だなと思いました。しかも、あの大きな劇場を支配するのは…その中、月城さん、海野さん、鳳月さん、のトライアングルはさすがでした。しかし、彩みちる劇場ww

          短編「つけまつげ」

          ああ、ここですか? ええ、空いていますよ。どうぞ。 あ、あぁ、あああ、 あ、いや、すみません、すみません。 あなた、あなたにびっくりしたわけではないのです。 いや、あなたを見て先日遭遇した不思議な出来事を思い出してしまいまして。 よかったら聞いていただけますか? ありがとう、ではぜひ私に一杯ご馳走させてください。 店員さん、こちらに生ビールひとつ。 …… では乾杯! それで話というのは、先日、私が電車で遭遇した出来事のことです。 電車に揺られる私の目の前に、3人の女性が座って

          短編「つけまつげ」

          宝塚版”ビッグフィッシュ”

          宝塚版の「ビッグフィッシュ」観てきました。 礼真琴さん主演ということ、映画を見て感動しまくった作品ということで、もう期待しかなかったのですが…… 期待を超える出来で、本当によかったです。 元々、礼さんのパフォーマンスがすばらしいことはよくわかっていました。ダンスといい、歌といい、演技といい、何をとってもいいのですが、特に歌については、単に上手というのではなく、安定と不安定(いい意味でです。誤解なきように)とが同居している感じがします。 人は綺麗すぎるものには心が動かされな

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