見出し画像

"体験"を『"経験"』に変える


"体験"を『"経験"』に変える。

これはブラウブリッツ秋田の
ヘッドコーチである
坂川翔太さんが言っていた言葉です。


体験と経験という言葉は似て非なる言葉で、

体験とは自分が直面した出来事そのものを指し、
経験とはその体験から学んで糧にした状態を指す
みたいな意味です。
#なんか難しい

つまりシュートを打って
ゴールを決めたこと自体は体験であり、
「じゃあなぜゴールを決めれたんだろう?」
を分析して学ぶことで、
初めて体験から経験に変わるというものです。


昨シーズンは本当に
たくさんの体験をさせて頂きました。


ルーキーイヤーとして
初めてプロサッカー選手という立場で
サッカーをすることになり、

小学生の時から
夢を見てきた存在になれた「嬉しさ」と、
「やっとスタートラインに立てた」
というほっとした気持ちと、
「より見られる存在」という責任感が
入り混じった気持ちを持っていました。

ところが、
「よし!やってやるぞ!」
と意気込んでチームに合流したものの
コロナウイルスが世界に猛威を振るいます。

僕のサッカー人生の中で
初めて日常からサッカーが消えた時間を
体験しました。

小さい頃から友達と遊ぶことすら忘れ
ひたすらにボールを蹴っていた自分からすると
戸惑う時間も多々ありましたが、
その反面これまで以上に自分を見つめ直し
自分と対話する時間を作ることができました。
#朝から晩まで鬼の自己分析


再開したJリーグ。

無観客の試合は初めての体験。

ただ、だからこそ
ファン・サポーターの方々の存在の大きさを
より実感できたと思います。

昨年のブラウブリッツ秋田の躍進は
選手・スタッフ陣の頑張りだけでなく、
ファンサポーターの方々の支えがあったからこそ
だと心の底から思えました。

それはクラファンのご支援を通して
クラブを支えて頂いたこともそうですし、
試合時の拍手による応援も
とても力になっていました。

さらにこの応援に声が加わるとなると
楽しみで仕方がありません。


そして、無敗のままJ3リーグを優勝。

もちろんこの結果を目指して
日々トレーニングに励んでいましたが、
正直な気持ちを打ちあげると
まさか1年目でこんなすごい体験できるとは
考えてもいませんでした。

しかし、
チームは好調で優勝もしましたが、
僕個人の話で言えば『満足』とは
かけ離れていたように思います。

チームを勝利に導いたのは
間違いなく僕ではなく他の選手で、
冗談でも「貢献できた!」と
胸を張ることができませんでした。

それは『結果』という数字を見ても明らかです。


むしろチームに貢献するどころか
迷惑をたくさんかけていたのかもしれません。

昨シーズンのリーグ戦で
チームが負けた試合は3試合。
そのすべての試合で僕は先発でした。

自分なりにしっかり準備をして
高いモチベーションで試合に臨んでいましたが
失点に絡むミスをしたりと空回り。

そして、クラブとしての記録が途絶え、
自分の中にあった自信も
日に日に影を潜めるようになりました。

「もっとできる」という呪文を
唱え続けてはいたものの、
その魔法をお披露目することなく
今シーズンは終わってしまうという大惨事。苦笑

昨シーズンの僕のできを
自分自身で評価するなら、
「別に試合に出るのお前じゃなくてよくね?」です。

この「お前には代わりがいる」
というニュアンスの言葉は
僕が一番嫌いな言葉ではありますが、
それでも迷いなく自分自身に
突きつけられると思います。

何か目立った活躍ができたわけではありません。
そもそも自分の能力が低かったこともあって
これまで自分があまりやってこなかった
サッカーにうまく順応できず、
持ち味すら出せずに終わってしまいました。


昨シーズンを冷静に振り返ってみると
「あれ?何か良いことあったけ?」
と思ってしまうほどです。

ただ、だからと言って
落ち込むつもりありません。

というか
落ち込むことすらおこがましい
と思っているほどです。

僕は天才と呼ばれるような類の人間ではないし、
これといった才能は持ち合わせていません。
(強いていうなら向上心と継続力)

そしてそれを
僕自身が誰よりも理解しています。

そんなただのサッカー大好き人間が
才能ひしめくプロの世界に飛び込んで、
思い通りにことが進むと
思っていることがおこがましい。


これまでの僕の人生は
悔しい思いばかりで埋まっています。

自分の思い通りに
物事が進んだことなんて
ほとんどないし、

めちゃくちゃ死ぬほど
紆余曲折してきた人生だと思います。

ただ、だからこそ
その都度”体験”を『”経験”』に変えて
歩んできました。

才能がないことを理解していたからこそ、
誰よりも考えて地道に積み重ねてきました。
#むしろそれしか術がありません笑

そして、それは
プロサッカー選手になってからも
変わらないと思います。


コロナによってサッカーが消えた体験を。

ルーキーイヤーで10番という
責任のある背番号を付けさせてもらったのに、
それに見合うだけの活躍ができなかった体験を。

J3リーグで優勝した体験を。 etc..,

昨年を通して"体験"させて頂いた
良かったこと、悪かったこと、全てから学び
『"経験"』に変えてまた歩んでいきます!


今シーズンは昨年よりも
さらに上手くいかないことが予想されます。

自分を否定したくなる時間が
多々あるかもしれません。

ただ、どこの誰よりも
僕が自分自身に期待をしています。

その予想を跳ね除けた時の気持ちよさも
素晴らしいものになる気がしています。

だからこそ
逃げられない環境を作って自分を律し、
その中でも楽しむ気持ちを忘れずに、
チームに貢献するため、自分の成長のために
やれることは全部やってみます!
必死にもがいていきます!!

今年もよろしくお願いします!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?