【歴史】シュールが芸術へ昇華した時代
私のアイコンは、「複製禁止」という絵です。
鏡に向かっているはずなのに、
後ろ姿が見えている、という不思議な絵。
この、なんともシュールでアンニュイな雰囲気が好きで、
自分のiPhoneのロック画面に設定しています。
作者は、ルネ・マグリット。
ベルギー出身のシュルレアリスムの画家です。
▼シュルレリスムとは
シュル ・・・超(強固な、超越的な)
レアリスム・・・現実主義
→超越した現実
意識と無意識が混ざった現実
夢と現実の融合
言葉としては、このような意味です。
よく、「シュールだよねw」などと使うかもしれませんが、
まさしくそのシュールです。
ただし、芸術運動としては、もう少し違った理解があります。
例えば、卵を見て絵画を描くとします。
目の前にあるのは「卵」ではあるが、
実際に絵を描いた時には「鳥」を描く。
すなわち、目に見えている現実をより突き詰め、
濃い世界観で表現をするというものが、
シュルレアリスムです。
▼シュルレアリスムの背景
シュルレアリスムは1910年代に隆起した思想です。
背景には第一次世界大戦の混乱があります。
戦争のトラウマに苦しむ兵士たちへ
フロイトが唱える「人間の無意識」というものが、
精神病の治療には重要だと唱えられます。
シュルレアリスム運動の中心的人物ブルトンは、
こうした「無意識」への注視が、
芸術運動の柱になると考えました。
この運動は、ヨーロッパを中心に広がり、
日本へは1920〜1930年ごろには流入されていたといいます。
※ちなみに、同時期には
「記憶の固執」で有名なザルバドーレ・ダリなどがいます。
(掛け時計が溶けているような絵画、見覚え無いですか?)
▼所感
2022年に公開された映画「ある男」の冒頭には、
「複製禁止」が意味深に登場しました。
その後の映画の展開に大きく関わったことが、
今でも心に大きく残っております。
芸術に疎い私ですが、どこか惹かれて
ずっと好きな画家さんと思想なので、
ものすごく簡単に紹介させていただきました。
歴史と雑学と、時々経営。
興味関心に合わせて徒然なるままに書いていきます。