包丁を買ってから約3年で小料理屋で刺身をひけるぐらいまで料理が上達しました。そのためにやった事5選。
「和食の世界って、16才で修行を始めて30歳ぐらいまで魚触れないって事が本当にあるからね。」
僕が27歳の時に居酒屋のマネージャーから転職をして、料理人の勉強を始めると言った時にこんなアドバイスをいただきました。
その時、僕が相談した人はこう言いたかったのかもしれません。
「もう遅い」と。
「諦めた方が良い」と。
「残念」とは思いつつも、何とかならないかと考え、僕は引き続き話を聞きました。
その人曰く
・最初は雑用と掃除。
・次は接客。
・その次は前菜などの盛り付け。
・それが終わったら焼き物や揚げ物。
・ここら辺で役に立つようになったら煮物などをできるようになり
・魚に触れるようになる。
こんなステップがある。だから大変と仰っていました。確かに道のりは長そう。
日本の職人のレベルの高さゆえに起きていた現象なのかもしれません。
ただ、思ったんですよ。
「魚とか自分で買って練習すれば良くない?」って。
昔は労働時間が「朝6時から深夜1時まで」とかだったので難しかったかもしれませんが。
今は違います。
魚のさばき方だってYouTubeにゴロゴロ転がってます。
事実、穴子のさばき方はYouTubeで覚えました。
そんなわけで今回は、まだまだ料理人としては半人前の僕ですが、単価一万円のお店で刺身をひけるぐらいまでは料理ができるようになったので
「包丁を買ってから約3年で小料理屋で刺身をひけるぐらいまで料理が上達しました。そのためにやった事5選」という内容で少しお話ししようと思います。
店でしか学べない事について考える
僕の目標は「自分で店を持つ。そのために料理を上達させる」という事でした。
なのでまず初めに「自分で店を持つために必要なスキル(その時点でのやりたい料理)」を書き出し「個人レベルで習得出来ること」と「一流の店で働かないと習得出来ないこと」を分けました。例を挙げますと。
・個人レベルで習得出来ること
→包丁の技術(練習すれば良い)
→料理の理論(科学系の本でわかる)
→料理人としての姿勢(一流の料理人の方がこれでもかってぐらい本で語ってくれている)
・一流の店で働かないと習得出来ないこと
→本当に美味しいものを識別できる舌
→お客様との関係作り
→無駄がなく、綺麗な所作
→炭火焼き
他にも色々とありますが、代表的なところを挙げるとこんな所だと思います。
今思えば「一流の人と働かないと習得出来ないこと」も「カウンターのある店の1つの店舗の濃すぎるぐらいの常連になる」という事をすれば、わざわざ店に入らなくても達成出来たかもしれません。
むしろ、お店によっては味見もできないケースがあると思うのでこちらの方が確実かもしれません。
なので、そこそこ給料をもらえてまかないを毎日作れるような職場で働きながら週一で超高級店に行った方が良いかもしれません。
ただ、そこら辺は運の要素が大きいので微妙なところです。
ちなみにですが、僕はたまたま2つ目に働いたお店のオーナーシェフが本当に尊敬できる方だったので、お店に入って良かったと思っています。
こういった「出会い」は間違いなくお店でしが出来ないことなので、もし気になるシェフがいるのでしたら、その方の下で働くのを強くオススメします。
その人が実際良い人かどうか(自分と合うかどうか)はまた別の話になりますが。笑
できなくて良い事をきめた
僕は大根の桂剥きが苦手です。
卵焼きも、一応できるぐらいのレベルです。
理由は「必要ないから」です。
実際、全く困ってません。
理由は「お店で出していないから」です。
こんな感じで「自分の店で出さないであろう料理は習得しない」と早いうちから決めました。
桂剥きの練習するなら、器の勉強した方が綺麗なお造りの盛り合わせを作れるようになるな、と言った感じに。
「必要のない技術は習得しない」と言うと聞こえば悪いかもしれませんが
要は「自分が学びたい!」と思った技術の習得に励んだ方が早く上達する気がする、という事です。
基礎だから、みんなやってるから、という理由で嫌々桂剥きの練習をするぐらいならしなくて良いのではないかな、という意味です。
まあ、もし必要になったら練習すれば良いですしね。当初要らないと思っていた「飾り切り」は現在練習中です。
レシピを丸暗記しない
「〇〇が何グラム」とかは全く必要ないと思う。それよりも「理論」の方がずっと大切。
と言う文句がありますが、これに関しては僕も100%同意見です。
ただ、「検索できる形でレシピを持っておく」というのが僕は一番大切だと思ってます。
そのために、僕はこちらのアプリを使っています。
いわゆる、マインドマップのアプリです。
テーマ事にマインドマップを作れ
魚ごとにまとめたりできる上に
キーワード検索もできるので
めちゃくちゃ便利です。
これをベースに、風味の辞典などを使って
新しい料理を考える。
と言った事をしているので、レシピを暗記する必要は全くありません。
よく使うレシピは自然と覚えていきますしね。
レシピはアプリに入れておく。
これを3年間続けた事で、だいぶ色々な知識が蓄積されたと思います。
包丁は常に最高の状態
「割烹」の割は切るという意味です。
割烹料理とも言われる日本料理において「切る」ということはとても大切な事なので、そのための道具、つまり包丁の状態というのは他の何よりも大切な事だと思います。
むしろ、切れない包丁でそこそこの仕事をする練習は必要ないと思います。
もちろん、どうしても時間がとれずにまあまあな切れ味の状態で仕事をしてしまった事がないかと言われれば、そんな事はないですが
自分の技術向上のためになるかと聞かれれば、全くもってそんな事はないです。
「常に最高の状態で自分の実力以上のものを作り続ける」これは常に意識していましたし、おかけで当たり前の基準が上がったと思うので、現在もプラスに働いていると思います。
美味しい出汁をひけるようになる
昆布から出汁をとり
かつお節を入れ
待ち…
濾す。
和食の味のベースとなる出汁のひき方は手順にするとたったこれだけです。
これだけなのですが、鰹出汁と昆布出汁のバランスがピッタリだと本当に美味しいです。
もちろん、大体でやっても美味しい出汁は簡単にひけるのですが「ピッタリ」に合わせるとなると、これが結構難しいのです。
というか、僕もいつも使っている昆布と鰹節じゃないと上手くひけません。
正直言って、自己満の世界のレベルでの話かもしれません(笑)
ただ、ここのバランスをとれるようになってからまかないで「美味しい」と言ってもらえたり
玉子、醤油、味醂、塩で味を整える茶碗蒸しの地の味の調整ができるようになったりと
周りの人から自分の作った「味」について喜んでもらえる事が増えました。
なので、これに関しては完全なる結果論なのですが「やって良かったな」と思います。
以上で5選は終わりです。
僕はまだまだ発展途上の料理人ではありますが
有り難い事に「知りたい!」と言うリクエストをいただいたので、僭越ながら書かせていただきました。
きっともっと良い方法も、この方法が合う人も、合わない人もいると思いますが、少しでも料理上達のお役に立てたなら幸いです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
そんな感じで、今日の話は終わります。
では^ ^
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